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★MotoGP2017 ロレンソは初めてのデスモセディチに何を思ったのか?

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ロレンソ選手がその独特のコーナリングを実現するには、Ducatiのエンジンレスポンスには課題があるようです。果たして開幕までにDucatiはこの問題を解決出来るのでしょうか? f:id:teletele916:20161117035817p:plain (Photo courtesy of michelin)

先月の2017年のプレシーズンテストにおけるロレンソとDucatiデスモセディチGPに関する期待は大きかった。メーカーを移動するライダーにはつきものだが、ロレンソはヤマハと今年一杯契約を結んでいるため、彼の口からデスモセディチについてのファーストインプレッションをコメントすることが出来ない。そう、公式のコメントに関しては。


ロレンソがヤマハに許可された2016年で唯一のテストで、彼は8位ポジションで、ロレンソがかつてライディングしたヤマハのM1を操縦してトップタイムを記録したマーヴェリック・ビニャーレスとのギャップは0.769秒だった。数日前、ロレンソは同じバイクでポールポジションとなる1:29.401を記録。Ducatiに乗り換えた彼のベストタイムは1:30.744であった。でもロレンソと新しいバイクとの最初の”デート”の結果はどうだったのだろうか?ポジティブだったのか?それともガッカリするものだったのか?


言える事としては、物事が多かれ少なかれ論理的に働くということだ。ロレンソがDucatiに初めて乗った時から素晴らしいパフォーマンスを発揮すると考えていた人達にとってはフラストレーションを感じただろう。だが、パドックにおいて知識が豊富な人々は驚かなかった。ロレンソのようなトップライダーとはいえ、パドックの中でも最も操縦が容易なバイクに8年間乗った後に、パドックの中でも最も操縦が難しいバイクに乗り換えたのだ。2010年にヴァレンティーノ・ロッシが、ケーシー・ストーナーが3日前にポールポジションを獲得したDucatiに乗り換えて、ほぼ最終位で走行していたのを覚えているだろう。


Ducatiガレージに残されたインプレッションとして言える事はこの2つだろう。

  • ロレンソはエレクトロニクスの効率性に驚いた。彼はMotoGPの統一ソフトウェアは、デスモセディチではヤマハよりもより正確に働いていると感じた。
  • Ducatiの強みとして知られるブレーキングスタビリティに関しても、ロレンソは大いに喜んだ。

  • ロレンソはDucatiのコーナリングの問題を実感。いくつか改善は見せているものの、これがアンドレア・ドヴィツィオーゾとアンドレア・イアンノーネがシーズンを通じて不満を口にしていた部分だ。いくつかセッティングを試した後で、彼はジジにこう言っただろう。「ジジ、このバイクでは1:29秒台で走るのは無理だ。」


デスモセディチの問題として知られるのは、コーナーのエイペックスを過ぎても向きが変わりきらないという、一般にはアンダーステアとして知られる問題だ。これはボローニャファクトリーにとって冬の間開発における最優先事項だ。しかしダッリーニャもこれをわかっていないわけではない。以前ダッリーニャに聞いた時、彼はロレンソの特徴は理解していると語っていた。


ロレンソとその他のMotoGPライダーとを分けているものは、コーナリングの最中にどこでスロットルを開けるかという点だ。他のライダーがフロントエンドに集中してブレーキングを終えようとしている中、ロレンソは既に加速に移っているのだ。彼はエイペックスの前でスロットルを僅かに開け、リアタイヤをスライドさせてリアエンドを素早く旋回させる。そしてコーナーから立ち上がるに合わせてさらにパワーをかけていくのだ。これはマルケスのようにスロットルで遊んでいるわけではなく、非常に熟考された効果的なプロセスなのだ。


彼のライディングスタイルを機能させるため、ロレンソは基本的に2つのことを必要とする。最大リーンアングルで僅かにスロットルを開ける際に自信を与えてくれるリアタイヤ、そして彼の走行ラインをトレース出来るバイクだ。最初の要求に関しては完全にミシュランタイヤの構造に依存している。2つ目に関しては、彼は低回転でソフトなスロットルレスポンスを持ったエンジンを必要とする。エンジンのレスポンスが、タイヤ両サイドのグリップを上回らないことが必要なのだ。


もしこれが実現出来なければ、コーナリングを終えるにはさらなるリーンアングルが必要だ。そうなるとロレンソは、路面とのコンタクトパッチがさらに少ない状態でタイヤのエッジを使う時間が増え、コーナからの立ち上がり加速が弱くなるということになる。これら全ての内容がロレンソの成功にとっては不可欠なのだ。


バレンシアテストでドヴィツィオーゾは、2017年型のプロトタイプは、2016年型に比べて”スムーズなパワーデリバリー”だと語っている。しかし詳細について聞かれると、彼はこのスムーズさはエンジンの実際のパワーバンドでの中での話で、スロットルを僅かに開けた際のレスポンスに関してではないと語っていた。ロレンソがデスモセディチGPのポテンシャルをフルに発揮するには、後のほうのスロットルのスムーズさが必要なのだ。Ducatiコルセのエンジニア達は、忙しい冬を送ることだろう。

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