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★MVアグスタ 遂に経営危機を脱出?

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経営危機に陥っていたMVアグスタが経営危機を脱するかもしれないというニュースが出てきました。しかし今までと同じ経営手法を続けるのであれば、経営危機を”一時的に”脱したと解釈するのが正しいのかもしれません。 f:id:teletele916:20161121123802p:plain 先週私はMVアグスタのブランドに関しての死亡記事を書こうとしていた。このブランドは終端状態にあると思えたのだ。イタリアのGuardia di Finanzaによると、アグスタは従業員の社会保険料をパーツサプライヤーへの代金返済に充てており、今年のはじめにはCEOのジョヴァンニ・カスティリオーニは所得申告漏れによる操作を受けていると報じられていた。

こうしたことに加えて過去数年の不安定な財政状態もあり、MVアグスタは再建のためにイタリアの法廷に5,000万ユーロを負っている状態だった。従業員は自宅待機となり、生産数は年間約9,000台に減らされていた。しかし、ここにきてMVアグスタの運が変わったようで、MVアグスタはBlack Oceanインベストメントグループとリキャピタリゼーションの合意を結んだ。詳細は明らかにされていないが、資本増強によってMVアグスタとサプライヤーの関係改善、従業員は組み立てラインに戻り、新型モデルの開発が再開されるだろう。2,000万ユーロというBlack Oceanインベストメントグループのの提示する金額が、MVアグスタのAMGからの開放を意味するのかはわからない。今やAMGはMVアグスタにとっては重荷と言えるだろう。

MVアグスタCEO ジョヴァンニ・カスティリオーニ

「Black Oceanと合意に至ったことを本当に嬉しく思います。資本増強はMVアグスタの将来の成長のために重要です。Mr. Sardarov, Mr. Ripleyと彼らのグローバルチームが、その企業家精神とマネジメントスキルで、MVアグスタがスーパープレミアムモーターサイクルマーケットの中でキープレイヤーとなるように、貢献してくれるものと確信しています。


MVアグスタがBlack Oceanから投資を受けるというのは特筆に値する。国際的ホールディンググループであるOcean Groupの投資部門のBlack Oceanは、オリヴァー・リプリーとティムール・サルダロフがトップを務めている。Black Oceanはイギリスのプライベートジェットチャーター企業のOcean Skyの主要投資家であり、Ocean Skyへの支援を通じて、Ocean Groupはジェームス・ボンドの「007 慰めの報酬」に出資しているのは面白い事実だ。


ロシアに注目しつつ、アメリカやヨーロッパでビジネスを行うということで、オリヴァー・リプリーとティムール・サルダロフはジョヴァンニ・カスティリオーニに似ていると言える。年齢も近く、社会経済的なバックグランドも似ている。オリヴァー・リプリーとティムール・サルダロフがいかにジョヴァンニと仕事をしていくのかは興味深い。また、Black Oceanの投資が他のロシアの投資家の投資に繋がるだろうか。 MVアグスタは既にロシアをベースとする投資家とは関わりがあり、アレクサンダー・ヤニックはアグスタのWSBKレースに深く関わっていた。MVアグスタには面白い将来が待ち受けているだろう。これがアグスタの運のターニングポイントとなることを願おう。

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