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★MotoGPクラスで9人のライダーが優勝することは今後もあるか?

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いつも深い洞察の記事を書いているマット・オクスレイさんが、9人も異なるライダーが優勝することは将来的にあるのだろうか?という事について考察をしています。レースを見る側としてはイコールコンディションで多くのライダーのチャンピオンシップ争いに加わるシーズンのほうが見応えがあるのは確かですので、来年もそうしたシーズンになることを期待しましょう。 f:id:teletele916:20161102032637j:plain

(Photo courtesy of Michelin)

9人の異なるライダーが1シーズンで優勝した。これはチャンピオンシップが第二次世界大戦の後に始まって以来初めてのことだ。 この歴史的な成功、カル・クラッチロー、アンドレア・ドヴィツィオーゾ、アンドレア・イアンノーネ、ホルヘ・ロレンソ、マルク・マルケス、ジャック・ミラー、ダニ・ペドロサ、ヴァレンティーノ・ロッシ、マーヴェリック・ビニャーレスが優勝した今年のシーズンは、我々が楽しみと混乱が宿る新時代のMotoGPを迎え、将来にもこうした事が引き続き起きるのだろうか?


そうかもしれない。


MotoGPの主催者であるドルナは、同程度の性能を持つバイク、同一のタイヤとエレクトロニクスという、どのライダーにも同じく勝利の可能性を与えるテクニカルレギュレーションを作り上げることに注力してきた。


今年はルールによって初めて、メーカーはファクトリースペックと同様のバイクを独立チームに貸し出す事が義務化された。また今年はミシュランがタイヤを供給するようになった初年度であり、統合ソフトウェアを初めて使用することになった年でもある。


4つの異なるメーカーが優勝しており(Ducati、ホンダ、スズキ、ヤマハ)、独立チームのライダーが3勝している。(LCRが2勝、Marc VDSが1勝)これは2005年以来の出来事で、その時は様々な独立チームが、圧倒的な性能を誇り、他のメーカーのファクトリーバイクよりも優れたサテライトバージョンのホンダのRC211Vを出走させていた。


最高峰クラスのグリッドに並ぶ各バイクの性能が、1949年以来最も接近していると言えるが、こうした予測出来なき自体が起きた事には1つの理由がある。


今年の変わりやすい天候も1つの理由ではある。というのも、ウェットレースというのはいつもレース結果を変える要因となるからだ。しかし、雨以外で大きな要因としては変化の過程だ。別の言い方をすると、MotoGPの技術的環境が今年のようなシーズンを将来的にもたらすかどうかはわからない。という事で、楽しめるうちに楽しんでおいたほうが良いだろう。


技術に関して最近の大きな変更の例が2つあり、ライダーラインナップが、レースにおいて同様の劇的な効果を持っている。MotoGPの歴史において複数のライダーが過去に優勝した際のライダー数は8人で、2000年シーズンのことだった。阿部典史、アレックス・バロス、マックス・ビアッジ、ロリス・カピロッシ、アレックス・クリビーレ、ギャリー・マッコイ、ケニー・ロバーツジュニア、そしてヴァレンティーノ・ロッシがおり、彼らが500ccの表彰台に代わる代わる登っていた。


この時もまた雨の多い夏であったという理由もあるが、2000年、そして1999年も多くのライダーが優勝した背景には、ミック・ドゥーハンとヴァレンティーノ・ロッシが圧倒的な強さを発揮した時代の間の空白期間だったということが言える。


ミック・ドゥーハンは、1999年5月にヘレスで自身のキャリア生命を絶つ事になる怪我をするまで、5年間500ccの最高峰クラスを独占していた。彼がいなくなった後全てが変わり、1999年には7人の異なるライダーが優勝した。ロッシは翌年春に王者がひしめくこのクラスに加わるが、ルーキーシーズンの最後の数戦まではそのスピードを発揮することはなかった。


この時期ラップタイムは遅くなり、レースは接近した。これはドゥーハンもロッシもそこまでレースをリードすることが無かったためで、ライバルが彼らを追撃することとなった。70年のグランプリレーシングの歴史の中でチャンピオンシップの結果が最も接近していた10のレースのうち4つが、この2つのシーズンの中で起こった事は偶然ではないだろう。


一度250ccクラスのチャンピオンのロッシが、コーナーエントリースピードを落とし、コーナーからの脱出速度を高めるという500ccの乗り方をマスターすると、彼は誰にも止める事が出来なかった。彼はこのテクニックも2000年のブラジルのジャカレパグァーでマスターし、500ccクラスで初めてのドライコンディションでの勝利を飾った。翌年ロッシは16のレースで11勝し、そのシーズンの優勝ライダー4人のみだった。


少なくとも全員がスピードを発揮するまでの間、主要な技術的変更がいかにレースに影響を与えるかという意味では、Moto2クラスが同様の例と言える。Moto2の最初の2年、2010年と2011年は、無鉄砲な将来的なMotoGPのスター達が、コーナーごとで転倒するという評判を得た。2010年には9人の異なるライダーが優勝し、どのレースも毎戦、他のレースとはまったく異なるレースのように思えた。


しかし一度優れたライダーとチームが、いかにMoto2バイクの性能を最大限に発揮するかを把握したあと、彼らはペースを改め、その強さを発揮した。これはロッシが2000年に最高峰クラスでやった事と同じで、それ以前にはドゥーハンがやっていたことだ。Moto2は未だに接近したレースが展開されている。これは全員が同じタイヤ、同じECU、同じ量の燃料、同じCBR600のエンジンを使用しているからだ。しかしレースは予測不可能なものではないし、ライダー同士の差も、このクラスの黎明期に比べると接近していない。


同様のシナリオが来年のMotoGPでも予想され、トップライダー達とチームが新しい技術に適応する。例えば、ホンダは2016年はMagneti Marelliの統合ソフトウェアから最高の性能を引き出そうと苦労していた。フルシーズの経験とこの後に控えるウインターテストを考えると、HRCはマルク・マルケスともう1人のライダーに、今年よりもよりコンスタントにライダーを助けるパフォーマンスを与える事が出来るだろう。最近HRCのエンジニアが「イタリア人のようの思考する事を学ぶ必要があった。」と語ってくれた。


ヤマハもまた同様に、Magneti Marelliのエンジンブレーキとトラクションコントロールプログラムに正しい数値を打ち込む事に苦労していた。ライダー達はリアホイールがコーナーでロックする、コーナー出口でスピンするという問題を訴えていた。


一方、Ducaitのエンジニア達はMagneti Marelliの考え方により理解があるわけで、同様の問題は少なかった。ヤマハは数多くの転倒、6月以降勝利が無いという危機的な状況であるが、ミシュラン新しいプロファイルのフロントスリックタイヤによって、これらが解決するかもしれない。


2017年に向けて同様に重要となるが、ミシュランの技術者達は今年フルシーズン分のデータを得、今年よりも更にレースに理想的なコンパウンドを作り上げるだろう。今年のタイヤの選択は、ある意味宝くじのようでもあった。


願わくば、レースが接近してエキサイティングなものであって欲しい。しかし、2017年もまた9人の異なるライダーが優勝したとしたら、私は大いに驚くだろう。

by Mat Oxley

www.motorsportmagazine.com

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