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★MotoGP2016 ロレンソとDucatiの組み合わせはどう作用するのか?

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ロレンソ選手がDucatiで戦闘力を発揮出来るのか?という問題について、マット・オクスレイさんが解説をしています。色々な側面を考えると、2017年型のDucatiとロレンソ選手の組み合わせが戦闘力を発揮出来るかどうかは、フロントタイヤにもよってきそうですね。 f:id:teletele916:20161013193459j:plain

photo courtesy of michelin

なぜホルヘ・ロレンソとヤマハが袂を分かつのかを知っている人間がいるだろうか?もしかしたら茂木でそれがわかるかもしれないし、わからないかもしれない。ヤマハの決定によって3度のMotoGP世界チャンピオンは、年内に1度だけDucatiのバイクをテストすることが出来る。両車の口論の後、ヤマハにとっては、これでロレンソの拳を収めさせるということなのだろう。


驚いたとは言えない。ライダーとメーカーの関係は、彼らが別々の道を歩み始める前に悪くなることも多い。ニッキー・ヘイデンがホンダからDucatiに数年前に移籍した時もそうだ。「今は本当に色々と物事が嫌な感じになっているんです。」と彼は話していた。それに3週間前にアラゴンでヤマハのマネジメント層の1人と話した時の内容もあり、私はあまり驚かなかった。これはロレンソがヴァレンティーノのミサノでのオーバーテイクについて、再び不満を表明した後のことだが、私はロレンソの意見についてどう思うか?と聞いてみた。「馬鹿馬鹿しいですね。」と彼は言った。彼は天を仰ぎながら語っていたが、私は彼が侮蔑を露わにしながら語るのに驚いたが、今やその理由が良くわかる。


つまり彼らは言い争いを行ったのだ。それもかなり酷い種類の。言い争いはMotoGPでは常に起こる。トラックでもそれ以外でもだ。結果としてロレンソはDucatiのデスモセディチをヴァレンシアの2日間のテストで試す事を許された。しかし、11月の終わりにヘレスで開催されるDucatiのプライベートへの参加は許されなかった。ヤマハはこうした事を行なう権利がある。ライダーの契約は1月1日から12月31日まで続いているので、実際ロレンソにヴァレンシアでのテストを許すというのはヤマハからの好意なのだと言える。


実際今やライダーが契約から早めに自由になり、ヴァレンシアテストに参加出来るのは普通になりつつある。しかし何かがその結果として間違った方向になってしまっているのだ。ロッシがこうした動きを作ったと考える人間もいるが、私は違う。


最も重要なのはこれが重要なのかという点だが。私はヴァレンシアテスト自体がなくならない限りそう思わない。重要なのはロレンソが数日バイクの上で快適にすごせるということ。Ducatiは来年の初めてのセパンでの1月末のテストに向けて正しい方向に進むための十分なデータを得ることが出来る。ホルヘ・ロレンソが移籍には完璧なタイミングを選択したかどうかについて語ることが出来るだろう。彼はバルセロナ以降勝利が無いく、彼がこうした勝利がない状態は2003年以来だ。


しかし2010年、2012年、2015年のチャンピオンは青いバイクではなく、赤いバイクの上でうまくやっていけるだろうか?Ducatiから出ていくライダーであるイアンノーネはロレンソが2017年にタイトル争いをすると考えている。「ホルへはチャンピオンシップ優勝が可能な、非常に強力なバイクを持つことになります。」と彼は言う。ついでに言うと、イアンノーネを放出しドヴィツィオーゾを残すというDucatiの決断が勝機と疑う人には、ロレンソとイアンノーネが同じチームでうまくいくかどうか考えてみると良い。思うに、かなり速い段階で最悪な関係になるだろう。


ロレンソがDucatiにどの程度フィットするかは面白いだろう。恐らく彼はグリッド上の誰よりも、彼の完璧なライディングテクニックを使うために完璧なバイクを必要としている。彼は現代のマックス・ビアッジなのだ。


2001年の500ccワールドチャンピオンシップの最終戦を思い出す。ロッシとビアッジが最後の500ccチャンピオンの座を争っていた時のことだ。ビアッジと彼のヤマハYZR500はロッシとNSRをシーズン中盤で捉えたが、その後ビアッジはフロントエンドからの転倒を連発する。ヤマハは彼を信頼していたが、彼は全てをヤマハのせいだと非難した。ヤマハはある程度は彼の言い分を信じた。ヤマハはこのことに関してプレスカンファレンスすら開き、チャンピオンシップに負けたことに関しての責任を認めた。勿論ジャーナリスト達は問題はビアッジのライディングテクニックにあることをわかっていた。彼は常に500ccのバイクを250ccのようにライディングしたのだ。まるでロッシがジェレミー・バージェスがバイクに適応せよと教えるまでそうしたのと同じように。


「マックスみたいな乗り方だと年間3勝、4勝というのはあり得るでしょう。彼のスタイルではセッティングは常に100%正確でないと駄目です。自分が500ccで走り初めた時は、自分もフロントをかなり使っていたんです。それで何度も転倒していました。フロントを使いすぎてたんです。ビアッジは未だにフロントを使いすぎてます。彼はリアをスライドさせないんです。」とロッシは2001年に語っている。


イアンノーネは今やDucatiは素晴らしいフロントグリップがあるという。つまりロレンソはもし100%のセッティングを出せれば、ビアッジのようにはならないかもしれない。しかし彼がどのようにマシンに対応するのかは興味深い。特に今年はバイクではなくタイヤに苦しめられているわけであるから。ロレンソは彼自身最初のMotoGPレースでの勝利をミシュランで飾った。それから彼のテクニックをブリヂストンの恐ろしいまでに良いフロントタイヤで磨いていった。このフロントタイヤの違いは大きい。


「ブリヂストンを初めて使用したライダーはバイクが曲がらない、トラックの用に重いと言います。一度フロントにさらに荷重をかけなければいけないと理解すると、バイクは曲がるようになるんです。減速する時はリーンアングルがある状態で行います。そうすると自動的に重心が下がりますから。ブリヂストンタイヤではコンタクトパッチが巨大だったため、ライダーはリーンしたままブレーキをかけてもバイクは曲がっていきます。そうすると自動的に重心が下がり、さらに強くブレーキング出来るんですよ。」とLCRホンダのクルーチーフのクリストフ・ブルギニオンは語る。


恐らくこれがロレンソの現在の問題だろう。彼はフロントタイヤのパフォーマンスを失っている。今年彼のクルーチーフのラモン・フォルカダは実に悩みながらヤマハM1をミシュランに合わせようと努力している。ジオメトリーを変更しフロントの荷重を増やし、熱を生み出しグリップを稼ぐために努力を重ねているが、時にこれがうまくいくこともあれば、新たな問題を生み出すこともある。


「フロントの荷重を増やすとリアの荷重が十分ではなくなります。そうするとリアがスピンし、コーナーから脱出するための十分な加速が得られないんです。でもこれしか方法がないんですよ。彼はフロントに自信が必要なんですからね。そうでないとコーナーでスピードを発揮出来ないんです。」とフォルカダは語る。


Ducatiでは色々とうまくいっているようだ。これはほとんどジジ・ダッリーニャがレース部門を再編成し、チームとして働く能力を取り戻したことにある。 デスモセディチは今年ほとんどの場所で競争力が高く、Ducatiがここ6年で初めての勝利を遂げたのは素晴らしい。が、これはレッドブルリンクの3連続の1速コーナーから3連続の0.5kmのストレートという作りにごまかされているに過ぎない。Ducatiに加速で勝てるバイクは無いというのは誰もがわかっている。ウイングレットによって、アンチウイリーソフトウェアがトルクをカットするのを最小限に抑えているのだ。


Ducatiは既に2017年に向けてケイシー・ストーナーをウイングレットが無いDucatiに乗せてテストをしている。ストーナーはウイング無しのバイクはコーナーからのピックアップが容易で、ストレートではさらに速い事に気づいているという。一方でフロントの荷重が減ったことにより、バイクが曲がりにくくなったと感じているようだ。これは既にミシュランのフロントタイヤで問題を抱えるライダーにとっては懸念点となる。しかしミシュランは2017年には新しいフロントタイヤを持ち込むだろう。Ducatiが望んでいるのは、ロレンソの才能が、Ducatiが競争力を取り戻すためのパズルの最後の1ピースになるということだ。

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