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★なぜYZR-M1のクラッチは、進行方向と逆回転に回っているのか?

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motorcycle.comに、なぜヤマハM1のクラッチは進行方向と逆回転をしているのか?という質問がありましたのでご紹介します。突き詰めていくと、以前ご紹介したマット・オクスレイさんが解説している「なぜMotoGPでは逆回転クランクシャフトが採用されているのか?」という問題にいきつくようですね。 f:id:teletele916:20160921081237p:plain

Q

「MotoGPのスーパースローモーションの映像をみていたんですが、ヤマハM1の乾式クラッチが進行方向とは逆回転に回っていました。これはヤマハが逆回転のエンジンを持っているということなのか、目の錯覚だとかそういう類のものなのでしょうか?」

A

「逆回転のエンジン、つまりクランクシャフトがホイールとは逆方向に回転するというのは、MotoGPにおいては極秘事項です。 そしてこれはクラッチの回転方向というだけではないのです。実際のところ、MVアグスタの研究開発ディレクターのブライアン・ギレンによると、近代のスポーツバイクのクラッチはトランスミッションの入力軸にマウントされていることから、すべて逆方向に回転しているということです。回転方向はトランスミッションの出力軸とは逆回転となります。出力軸は当然のことながら、ドライブスプロケットやリアホイールと回転方向が同じである必要があります。」


「通常、順回転型(※クランクシャフトが)のエンジンは入力軸がクランクシャフトと噛み合っているので簡単です。しかしアグスタの三気筒エンジン、ヤマハのM1のような逆回転型(※クランクシャフト)のエンジンは、クランクシャフトとトランスミッションの間に何らかの中間軸が必要となります。実際のところ、マット・オクスレイによるとエンジンの回転方向は既に大きな秘密ではなくなっているとも言えます。現在、MotoGPの全てのチームはバイクを素早く曲げるために逆回転型クランクシャフトのエンジンを使用しています。オクスレイによると、ホンダはRC213Vのエンジンの回転方向を2016年に変更し、Ducatiは昨年に同じ事をデスモセディチのハンドリングの改善のために行ったようで、これはアプリリアも同様ということです。ヤマハとスズキは長年逆回転のクランクシャフトを採用しているということです。」


「理論的には逆回転クランクシャフトのエンジンはホイールに働くジャイロスコープの機能を打ち消す効果があり、曲がりやすいバイクとなります。これは同時にバイクのウイリーしようとする力をも軽減し、ブライアン・ギレンによると、コーナー出口からの加速において、フロントホイールをより良い位置に留めておくことが出来ると言います。唯一のマイナス点は中間軸が必要となることで、これによって馬力の1.5%ほどが失われ、エンジン内にもこの中間軸のスペースが必要となります。」

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