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★MotoGP2016サンマリノGP 決勝プレスカンファレンス翻訳

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さてサンマリノGPのプレスカンファレンスの翻訳をお届けします。今回はペドロサ選手が実に見事な追い上げで、まさに侍の刀のような切れ味のコーナリングで、マルケス選手、ロレンゾ選手、ロッシ選手を次々とかわしていった素晴らしいレースでした。が、プレスカンファレンスでロッシ選手とロレンゾ選手の間で一悶着ありまして、お互い若干キレながら口論になっています。ペドロサ選手が素晴らしい勝利をした時は、昨年のマレーシアもそうでしたが、なぜ毎回プレスカンファレンスが嫌な空気で終わるのか。。残念です。 f:id:teletele916:20160912101256p:plain

今回の出来事については、先に口論の理由を整理しておかないと、プレスカンファレンスを読み進めていって意味がわからないと思いますので、先に解説しておきます。

まず、2人の口論の原因となったのはロッシ選手のオーバーテイクの仕方についてです。ロレンゾ選手が文句を言っているのは、「ロッシのほうがペースは速かったのだから、あんなアグレッシブな抜き方をしなくても良いはず、自分がバイクを起こさなければ転倒していた」というもので、「あんな抜き方」に関しては詳しく語っていませんが、推測するに

①ロレンゾ選手のバイクの立ち上がりラインを完全に塞いでいるラインである

②バイク同士の相対速度差が大きくて危険(アグレッシブすぎる)

ということでしょう。対するロッシ選手は「マルケスは毎回あんな抜き方だし、ロレンゾも過去にアグレッシブな抜き方をしている。」と語っています。


下記の画像はロッシ選手がロレンゾ選手をオーバーテイクした2周目と、その次の3周目の走行ラインを比較したものです。(※参考までに路面にゴムが載って黒くなっているレコードライン部分をピンクの線で囲んでいます。) f:id:teletele916:20160912101724p:plain (※2周目) f:id:teletele916:20160912101736p:plain (※3周目)

2周目と3周目を比較すると、ロレンゾ選手は2周目にバイク2台分ほどアウトを走っているため、何らかのミスをしたものを思われますが、逆にロッシ選手はレコードラインからバイク2台分ほど内側のラインを走行しています。ムジェロでエンジンブローという辛酸を舐め、ロレンゾ選手に母国GPで優勝されてしまったロッシ選手にとって、まさに自身の地元開催となったサンマリノGP。ここで絶対に勝ちたいがために、序盤に若干無理をしてでもロレンゾ選手を抜きたかったロッシ選手(※が、本人は強引だったとは思っていない)、ミスを付かれた挙句、さらに転倒させられそうになった事で怒り心頭のロレンゾ選手。という構図と言えるでしょう。

抜いた相手が普段からやりあっているマルケス選手であれば笑って済ませる問題かもしれませんが、今回の相手が、改心してから(※ルーキー時代はこの人も問題児でした。)危険走行にはとりわけ神経質なロレンゾ選手で、さらにロッシ選手がロレンゾ選手のコメントの最中にロレンゾ選手を挑発したのも口論となった原因でしょう。ロレンゾ選手は「自分の意見としては。。」と前置きしているのですから、ロレンゾ選手が話し終わった後に、「ロレンゾはそう言っているけど自分はこう思う。」と言えば、大人の対応だったのになと感じます。昨年のマレーシア以降の対応に関しても「あれがチャンピオンの対応か?」という論調の記事が海外では多く見受けられましたが、今回もまた、「真のチャンピオンはペドロサだけだった。」という記事が出てくるような気がします。

ニック・ハリス

「1949年にグランプリレースがスタートして以来、8人の異なるライダーが優勝したのは今回が初めです。ダニおめでとう。今日はハードワークの末にフロントに立ち、これを維持しました。」

ダニ・ペドロサ

f:id:teletele916:20160912104424p:plain 「今日は本当にレースの中でハードに働きました。今日は8番グリッドからのスタートでしたが、最初の2つですか、順位を回復しました。1周目は特に速くは無かったんです。そしてヴァレンティーノとホルヘが戦っていました。一度ヴァレンティーノが前に出ると、彼は非常に速く前半は彼がリードしていました。序盤は自分にはこれといって選択肢はなく、4位になった後はだいぶ長いこと1人で走っていました。特にタイムを失うでもタイムを縮めるでもなくという形でしたね。今日はレースで良いペースで走れるとわかっていました。そしてレースの中盤から後半にかけてのペースは非常に良かったですね。ですから集中して自分の仕事をしようと思いました。」

「段々と追いついていくのがわかり、今日の鍵はミスをしないこと、それとあまりバトルをしないことだとわかっていました。今日は残り10周まで勝てるとは思っていなくて、表彰台を獲得するというのはわかったんですが、まさか勝てるとは思っていませんでした。その後ヴァレンティーノも捉えられることがわかり、レースに後半で彼を捉えようと努力しました。過去には異なるライダーが優勝していますから、今回は自分がチャンスを掴もうと思ったんです。今までのレースが厳しいものだったので、今回は本当に嬉しいです。ファンとチームは本当にサポートしてくれ、家族、友人もそうです。この勝利は彼らに捧げたいと思います。この場にいられるという事が本当に嬉しいです。」

ニック・ハリス

「3つの素晴らしいオーバーテイクでした。最初はマルク、そしてホルヘ、最後にヴァレンティーノを抜きました。とてもクリーンでスムーズな動きでした。」

ダニ・ペドロサ

「ええ、あれが今日の鍵となった1つでした。ドヴィツィオーゾのバイクに関してはストレートが速いので、コーナーの中で接近が出来ないんです。彼を抜くのに3周か4周かかりましたけど、マルクとホルヘを抜いてヴァレンティーノまで到達するには、あまり時間をかけてられないと思ったんです。ですから彼らをパスする適切なタイミングを見計らって前に出たんです。」

ニック・ハリス

「タイヤ選択に関しても完璧でしたね。」

ダニ・ペドロサ

「タイヤチョイスは、実はレースのスタートで心配していたんですよ。このタイヤを暑い状態で使用したことは今まで無かったものですから。今までは午前中の練習走行でしか試していなかったんですよね。ただこのタイヤに関するフィーリングは良かったんです。なぜかはわかりませんけどね。このタイヤは他のと同じようにミディアムタイヤでした。ミシュランによるとこれは異なる種類のミディアムということでした。グリッドではこの組み合わせは自分だけだったので、不安でしたけどね。ただ一度スタートするとフィーリングは良くて、最後まで良いタイムで走行出来ました。今までのレースは楽しめませんでしたけど、今回のレースは本当に楽しめました。」

ニック・ハリス

「今年はチームにとっては何度も大変な時がありました。」

ダニ・ペドロサ

「特にウチのメカニックは大変でしたよね。彼らはこの勝利に相応しいですし、今日は彼らにとって最高の日でしょう。毎戦少しづつ異なるものですから、これからのレースに集中したいと思います。バイクのパフォーマンスはトラック、タイヤがそのトラックでどう機能するかで変わりますから。地に足を付けて、次のレースも頑張りたいと思います。」

ニック・ハリス

「ダニありがとう。今シーズン初優勝でした。それではヴァレンティーノ。今日は応援に来てくれたファンのために素晴らしい走行でした。」

ヴァレンティーノ・ロッシ

f:id:teletele916:20160912104459p:plain 「ええ。良い週末でした。努力しましたし、戦闘力を上げることも出来ました。タイヤ選択も間違っていませんでした。良いスタートでロレンゾを捉えて前に行こうとしました。最大限プッシュした後に簡単なレースではないとわかりました。ただ自分にペースもあることがわかっていました。ただ、後続を突き放すほどではありませんでした。ミサノはとても難しくてフィジカルを要求するサーキットですが、一度トップ出て上手くライディングしたところ33秒を2を出せました。これはかなり良いペースだったと思います。その後2位との差が1秒ほどだとわかり、このペースをコントロール出来るなと思ったんです。周回を重ねるごとに後半に向けて良い状態だなと思っていたんです。ペドロサに置いつかれた後は抜かれまいとしたんですが、残り7周の段階で彼に抜かれ、そこでかなりタイムをロスしてしまったんです。その後さらに自己ベストを記録しようとしたんですがダメでしたね。今日の彼はとても速かったですね。別のサーキットでこの結果であればとても嬉しいんですが、ここはミサノですから1位を取りたかったんです。いずれにしても良いレースでしたし、素晴らしい週末でした。」

ニック・ハリス

「マルケスに対して7ポイントを削りました。」

ヴァレンティーノ・ロッシ

「未だに43ポイントと大きなポイント差があります。あと5レースですね。ただチャンピオンシップは別としてマルケスに勝てるのは良いものです。彼は本当に強い選手ですから、彼に勝ったということは良いレースをしたっていうことですから。後半戦に関しては今日も含めて満足しています。残念ながら勝利はしていませんが表彰台も3回獲得して、4回目も惜しかったですからね。しっかりとポイントを獲得して最後までいきたいですね。」

ニック・ハリス

「ムジェロも凄かったですが、ここでも凄い歓迎ぶりです。」

ヴァレンティーノ・ロッシ

「ここでのレースはとても難しくて、全てをしっかりと整理する必要があるんです。(※観客が多すぎて)ある場所から別の場所に移動するのが困難なんですよね。ただピットからグリッドに着いて、皆がトラックの周りで応援してくれているというのは、本当に言葉にしがたいものがあります。」

ニック・ハリス

「ヴァレンティーノありがとう。それではホルヘ。3位ですが今日は残念でした。素晴らしい予選、最高のスタートでしたが結果がついてきませんでした。」

ホルヘ・ロレンゾ

f:id:teletele916:20160912104524p:plain 「完全には喜べませんけど、ガッカリというほどでもありません。表彰台は表彰台ですからね。ただ今日はロッシが速くてダニが自分達よりも速かったですね。今日はダニの日ですね。予選のタイムよりも驚くほど速かったですし、彼はずっと戦ってきましたからこの勝利に相応しいでしょう。ロッシとの差も詰めようとしたんですが、それも叶いませんでした。彼のほうが速かったということで、それを受け止めないといけません。それを心にとめて向上を続けたいと思います。」

ニック・ハリス

「何かしら特定の問題があったのでしょうか?例えばタイヤなど?」

ホルヘ・ロレンゾ

「いくつかのコーナーではバイクを上手く止めることが出来ませんでしたけど、最終的にはバイクはしっかりと機能しましたしペースも良かったです。ロッシのほうがコンスタントで、ミスもしませんでしたしね。自分はあと0.1秒から0.15秒速く走る必要があったということでしょう。」

ニック・ハリス

「ホルヘありがとう。それではフロアからの質問をどうぞ。」


Q

「ラモン・アウリンがレースの後に、この勝利はダニ・ペドロサが戻ってきたということです。と話していましたが、そうであればどこから戻ってきたのか?そしてこのまま、その調子が続くのでしょうか?」

ダニ・ペドロサ

「今日に関してはそうですけど、地に足をつけている必要があります。どのレースでもあるライダー達が非常に速いわけで、ポールを獲得したり良いレースをしたりしているわけです。ですからQ2にダイレクトに進出するのが難しいような時でも、次のレースに集中していることが重要なんです。丁度ここで、そして過去に自分達が実現したようにね。リラックスは出来ませんし、常に進む続ける必要があるんです。勝利は確かに気持ちが良いですし、モチベーションを与えてくれます。ただ、ここで勝利していないライダー達は、次のレースに向けてさらに向上したいというモチベーションを持っているわけですから。こういうふうに考えて次のレースで強い走りを出来るようにしたいと思います。


Q

「残り5周、6周あたりでダニがあなたを抜いた時、ホンダはシーズン前半と比べてどの部分が改善されたと思いますか?」

ヴァレンティーノ・ロッシ

「すいません。疲れすぎてて質問の意味がわかりませんでした(笑)ホンダについてですよね?ええと、彼らはコーナーからの加速の部分に関して向上したと思います。というのもヤマハがここは得意なところですからね。彼らのバイクは方向を変えるのが得意で、コーナーエントリーで自由度が高いですね。ただヤマハは加速で優れています。ホンダはこの部分に関して非常に良い作業をしてきたと思います。今日は彼らのバイクは速かったですし、加速でスムーズに思えました。」


Q

「オーバーテイクに関してはどうでしたか?非常に強烈でしかし素晴らしいオーバーテイクでしたが。ライダーとしてはどう感じますか?」

ダニ・ペドロサ

「レースの最後のほうでは非常に正確に走るのは難しいものなんです。またどこでパスするかを選択することもまた難しいものです。ただ彼も語っていたとおり、あるコーナーの立ち上がるなどでは彼が速かったして、自分が抜きたいところで抜けないという事があったんです。実際彼を抜いたコーナーというのは、彼に近づくまえにコーナーから加速してしまったんです。「今がチャンスだ」と思ったんですが、彼がその後ブレーキをかなり遅らせたので自分も調製する必要がありました。特にあのコーナーはタイトでしたからね。ちょっと深く入り過ぎてしまいましたけど、何とかイン側を維持する事が出来ました。」

ヴァレンティーノ・ロッシ

「ダニも言っていたように終わりごろになると本当に難しいんですよ。彼があそこで仕掛けてくるというのは、彼があそこで速かったのでわかっていました。あれはマルケススタイルのオーバーテイクでしたね。既に自分がコーナーに入っているのに遅れてコーナーに入ってくるっていう形でね。ただ昨年のアラゴンみたいにダニは自分に対して凄く強いんですよ。ただこれがレースですからね。勝利をかけての終盤は簡単なものではありませんから。(※立場が逆の)別の結末ではなくて残念ですけどね。」


Q

「ダニは彼のバイクに対して最適なタイヤチョイスが出来たと語っていますが、あなた側もそうだったと感じますか?」

ヴァレンティーノ・ロッシ

「そうですね。自分だったらダニのような選択は絶対に出来なかったでしょう。それに今年はミシュランタイヤに関しては、ライダーそれぞれが自分の好きなタイヤを見つける必要があるように感じます。全般的にということではなくてね。レースに関してはミディアムとハードがありましたけど、自分はミディアムを選びました。自分にとっては最適な選択だったと思います。」

ホルヘ・ロレンゾ

「自分にとっては一番ハードのタイヤというのが良かったと思います。とても暑かったですし、コーナーの中で良く曲がり、特に左コーナーに関してはそうでした。ミディアムは悪くは無かったですけど、ソフトは試して無いのでわからないですね。多分ウォームアップなら試してみるのに良い機会かもしれません。ただ、自分達のバイクに関してはミディアムが良いと思いますね。ソフトももしかしたら良いのかもしれませんけど、レース前に試していないのでレースではいきなり使う事は出来ません。」


Q

「ヴァレンティーノが序盤に仕掛けたオーバーテイクは凄いものでしたが、あれは計画したものだったのか、チャンスがあったからなのか?そしてホルヘにはあれには驚かされたのか聞きたいのですが。」

ヴァレンティーノ・ロッシ

「ペドロサも言ったようにミサノのオーバーテイクはいつも難しいんです。自分はホルヘを出来るだけ速く抜きたかったんです。というのもムジェロではホルヘの後ろを走っていて不幸を呼び寄せてしまい、エンジンが壊れました。ですからそれを変えたかったんです。ですから今回は彼の前にいたかったんです。」(※この段階でIn Mugello, I was behind Lorenzo and bring me unlucky because broked an engineと語っており、言葉の並びとして「ロレンゾが不幸を呼び込んだ」という印象を与える言い方になっています。)

ホルヘ・ロレンゾ

「この質問をした意図としては、あのオーバーテイクがアグレッシブだったからってことですよね?まぁ違う意見もあると思いますが、自分はあのオーバーテイクはアグレッシブ過ぎたかなと思います。彼はああいった形でオーバーテイクをする必要は無かったように思います。ただあれが彼のスタイルですから。他のライダーはもう少しクリーンに抜く選手もいます。ですから、そこで。。」

ヴァレンティーノ・ロッシ

「はっはっは(※ロレンゾ選手の発言を遮るように笑い出す)」

ホルヘ・ロレンゾ

「事実だろ?(※ロッシ選手をじっと見て)」

ヴァレンティーノ・ロッシ

「いや、それは事実じゃないね。」

ホルヘ・ロレンゾ

「いやいや、これは本当のことだよ。」

ヴァレンティーノ・ロッシ

「オーバーテイクをTVで見なおしてみろよ。」

ホルヘ・ロレンゾ

f:id:teletele916:20160912104847p:plain 「自分がバイクを起こしていなければ、自分達は転倒していただろ。そっちは転倒せずに済んだかもしれないけど。こっちは確実に転倒してた。」

ヴァレンティーノ・ロッシ

「それは事実じゃないね。ペドロサとのオーバーテイクで同じ話をしてたところさ。」

ホルヘ・ロレンゾ

「それはそっちの意見だろ?」

ヴァレンティーノ・ロッシ

「マルケスなんてシルバーストーンで同じことを10回はやってたね。」

ホルヘ・ロレンゾ

「それはそっちの意見だ。」

ヴァレンティーノ・ロッシ

「言ってることが間違ってるね。」

ホルヘ・ロレンゾ

「過去の映像を見れば同じ事をやってるだろう?」

ヴァレンティーノ・ロッシ

「そっちも危険なオーバーテイクを。。」

ホルヘ・ロレンゾ

「だからこれは自分の意見だって言ってるだろ?」

ヴァレンティーノ・ロッシ

「そっちもいつも危険なオーバーテイクをしてるだろ?」

ホルヘ・ロレンゾ

「いつ?いつだよ?」

ヴァレンティーノ・ロッシ

「えーと。。」

ホルヘ・ロレンゾ

「自分の意見としては。。」

ヴァレンティーノ・ロッシ

「思い出せないけど、過去のビデオを見れば。。」

ホルヘ・ロレンゾ

「笑うな。笑うなよ。これは自分の意見なんだから。」

ヴァレンティーノ・ロッシ

「そっちも笑うなよ。」

ホルヘ・ロレンゾ

「笑うなよ。これは自分の意見なんだから。」

ヴァレンティーノ・ロッシ

(※肩をすくめるジェスチャー)

ホルヘ・ロレンゾ

「レースディレクションもまた別の意見を持ってるよ。自分の意見としては、自分がもしバイクを起こして無ければ転倒してたってことだよ。」

ヴァレンティーノ・ロッシ

「自分はそうは思わないね。」

ホルヘ・ロレンゾ

「とにかく。。彼はこうした形でオーバーテイクをする必要は無かったと思うし、彼のほうが速かったんだから、いずれ自分を抜いたはずなんです。(※ロッシ選手声を出さずに大笑いするジェスチャーをする)あそこまでアグレッシブなオーバーテイクをする必要は無かったと思うんです。ただ、彼は別の意見を持ってるようですね。」


Q

「過去数戦と比べて向上した点を教えて下さい。セッティングなのかパーツなのか、カムバックの理由はなんでしょう?」

ダニ・ペドロサ

「新しいパーツはありません。ブルノのテストでシャーシだとか新しいパーツをいくつか試しました。ですから行っていたのはシャーシだとか、他の細かいパーツについてのテストで、何が良いかを確認していたんです。結局元のパーツにどんどん戻ってしまったんです。ただ1日の終わりに今までのパーツで異なるセッティングを試したんです。このセッティングのほうが気に入ったんですが、全てではありませんでした。そこでその後はこのセッティングで行くことにして、タイヤのフィーリングも向上していたんです。それで次のレースではセッティングはいじらず、タイヤをどう理解出来るかを見てみたんです。それで徐々に、いかにこのタイヤで上手くライディング出来るかがわかってきたんです。ここでも少しだけ向上しましたね。勿論いくつか改良が必要なパーツもありますけどね。ただ、ブルノ戦の前からのフィーリングよりも、今のフィーリングは少し良くなっているんです。」


Q

「勝利出来るなと思ったのは、ここに来る前か、練習走行の後か、いつでしょうか?」

ダニ・ペドロサ

「多分残り15周ってところですかね。もしかしたらいけるかな?って思い始めたんです。確かに練習走行の後でリズムは他のレースよりも良かったですね。そこで「このリズムで続けていけばフロントに立てるかもしれない。表彰台争いが出来るかもしれない。」と思ったんです。ただ、昨日の予選は厳しかったですね。ですからそのせいで今日はスタートで既に数秒失っている状態でしたよね。(※グリッド位置がということだと思われます。)ただ、集中していれば表彰台のチャンスがあるかもと思っていました。その後少しずつ差を詰めているのがわかり、残り11周か12周の段階で、同じリズムで走っていけば優勝の可能性があるなと思いました。」


Q

「表彰台でオーストラリアンスタイルでブーツからシャンパンを飲むというアイディアは、どこから得たのでしょう?」

ヴァレンティーノ・ロッシ

「ジャックがアッセンでやってるのを見て、いいなと思ったんです。それに彼が表彰台ではなく、別のパーティーでやっているのも見ましたし(笑)次回勝利したらやってみようと思っていたんです。残念ながら今日は勝利出来ませんでしたけど、やってもいいかなと思ったんです。」


Q

「ホンダのエレクトロニクスが上手く働いているように思います。バイクの加速が良くなりましたね。そしてウイリーも少なくなりました。最近エレクトロニクスのアップデートを受けたんですか?そしてそれは助けになったのでしょうか?」

ダニ・ペドロサ

「オーストリアから良くなったんですよ。加速がもう少しスムーズになるようにね。ただエレクトロニクスは、いかにリアタイヤを機能させられるかにかかってくるんです。もしグリップが良ければタイヤを使うことが出来ますし、そうするとエレクトロニクスの問題が少なくなるんです。よりバイクが扱いやすくなるんです。グリップがあるのでエレクトロニクスも良く働きますし、パワーを使うこと、バイクの上でしっかり安定していられることっていうのは非常に難しいんです。」


Q

「なぜ来年チーフエンジニアを変えようと思ったのですか?」

ダニ・ペドロサ

「これは後で話しましょう。」