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★ハリスフレームのレーサーShiny Harry

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一見すると「まだバイク作ってる途中か。」と思いがちなこのバイク。これで完成です。これはベルリンに本拠地を構えるショップのBerhamが組み上げた、ハリスフレームのカスタムバイク「Shiny Harry」です。レース用車両として生まれたバイクですが、この割り切り方は凄いですね。どうせなら名前も「Skinny Harry 痩せっぽちのハリー」とかのほうが良かったのでは。。 f:id:teletele916:20160909100250p:plain 今まで紹介してきたバイクの多くが実用性のないものだった事を認めないとならないだろう。しかし、このバイクは今まで紹介してきた中でも最も”骨だけの”と言えるバイクだ。ボディーワークは存在せず、非常に小さいタンク、シートの名残と言えるようなシートしか車体についていない。路上運転に適しているかどうかはこの際どうでも良い。このバイクはベルリンをベースとするワークショップであるBerhamによって組まれた。このスケルトンのバイクは、数日前に開催されたGlemseck 101に出場し、スプリントインターナショナルトロフィーを獲得した。

f:id:teletele916:20160909100304p:plain Glemseck 101のPoets Of Sprintレースに招待されたのは僅か16のビルダー達だ。Berhamの代表であるMartien Delfgaauwは、トロフィーがかかったレースの招待を受け取った時、どこからバイク製作を始めるか理解していた。彼はパートナーのFelix Pilzが所有していた1984年製のハリスフレームを使用することにしたのだ。20年前Felixはハリスフレームを以前のハリスのディーラーから購入した。

Martien Delfgaauw

「あの頃は誰もアフターマーケットのスペシャルフレームになんて興味を持って無かったんだ。というのもメーカー自体がパワフルなエンジンに耐えられるフレームを作りだしていたからね。」

f:id:teletele916:20160909100321p:plain レッドパウダーコートを取り払った後、マンガンブロンズの溶接痕が現れた。デザインコンセプトは「ハリスフレームを輝かせる」というもので、このマシン名前も「Shiny Harry」となっている。残念ながらこのMagnum 2フレームはカワサキのZ1000のエンジンを載せるためにデザインされたものだ。しかしBerhamの選んだエンジンは、スズキのGSX1000のもので、1981年製の素晴らしいコンディションのエンジンだった。そのため最初のチャレンジは、エンジンをフィットさせるためにマウントを作成することだった。その後ショート加工されたGSX-R750のフォークが取り付けられ、KRTフレームワークのMarvin Diehlが延長されたスイングアームを作成。ホイールベースとスタンスはドラッグレースに向いたものとなった。ホイールはCB900Fのもので、スタイルとその軽量さによって選ばれたもの。

f:id:teletele916:20160909100348p:plain レースは非常に緊迫したものだった。トライアンフはスーパーチャージャー付きのスラクストンRでエントリーし、ライディングしたのはWSBKレーサーだったカール・フォガティだ。スズキオランダはハンス・ムートのFat Mileバンディットで参戦。BMWファクトリーはテストライダーのネイト・カーンとモトクロスレーサーのCaro Fitusだった。

Martien Delfgaauw

「段々とファクトリーチームの餌食になるような気がしてきていたんです。でもそれが自分達をさらに熱狂させたんです。自分達は金ではなく作業時間を増やし、軽量化に走りました。」

f:id:teletele916:20160909100415p:plain スターターモーターは禁止されているため、シートの後ろのスターターバー(※押しがけ用のバー)が追加された。羽のように軽いリチウムイオンバッテリーが使われ、リアショックはステンレスのパイプへと置き換えられた。Berhamはまた僅か1.5Lの容量しかないタンクを製作。またファスナー類も僅かな重量削減のために取り払われた。結果として車重は僅か168kgに収まった。エンジンにスパイスを加えるため、FelixはGSX750のインテークカムシャフトを投入。ミクニのフラットサイドキャブ、エキゾーストはSchüleによって組まれたもの。

Martien Delfgaauw

「ダイノに乗せる時間が無かったんです。ですからこのバイクは一体何馬力出ているのか、トルクはどれくらいなのかわからない状態でした。」

f:id:teletele916:20160909100440p:plain しかしテスト走行の後、Martienと彼のクルーはこのバイクがとても速いということに気付いた。


「まさかハリスのスローガンである「我々はレースに勝利する」を実現するとは思っていませんでした。」

f:id:teletele916:20160909100502p:plain 最終的にShiny Harryはバンディット1250ベースのFat Mileと対決し勝利をおさめる。これは恐らくこのフレームなりの32年ぶりに救ってもらったことへの感謝なのだろう。 f:id:teletele916:20160909100520p:plain

Shiny Harry主要諸元

  • エンジン:1981年製スズキGSX1100/GSX750インテークカムシャフト
  • キャブレター:ミクニTMR 36-D9
  • イグニッション:スズキGSX/3 Ω ダイノコイル
  • エキゾーストシステム:Schüle4-2-1
  • フレーム:1984年製ハリスMagnum 2
  • スイングアーム:KRT Frameworkワンオフ
  • フロントフォーク:1984年製スズキGSX-R750
  • リム:Honda Bol d’Or SC 09
  • タイヤ:コンチネンタル Road Attack 2 CR 100/90 18フロント、130/80 18リア
  • ハンドルバー:マグラ
  • クラッチコントロール:スズキSV650
  • フロントブレーキマスター:スズキDR125
  • リアブレーキマスター:ヤマハYZF600
  • フロントブレーキキャリパー:スズキGSX 750F
  • リアブブレーキキャリパー:スズキRG 80
  • フロントブレーキディスク:Brembo
  • リアブレーキディスク:ホンダBol d’Or
  • キルスイッチ:ピンゲル
  • ステップ:アプリリアRS250GPレーサー
  • ワンオフ製作:ステップホルダー、タンク、フロントブレーキディスクフランジ、リアブレーキバックプレート、バッテリーケース、シート
  • ビルダー:Felix Pilz、Martien Delfgaauw、Marvin Diehl、Christoph Schreinert、Uli Ullrichse f:id:teletele916:20160909100627p:plainf:id:teletele916:20160909100632p:plain

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