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★MotoGP2016 KTM 2017年体制発表プレスカンファレンス翻訳

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オーストリア戦の時点で予告しておりました、KTMのMotoGP参戦、そしてRC16発表のプレスカンファレンスの翻訳をお届けします。全体で40分を超すプレスカンファレンスでしたので、プレゼンターの語り部分はだいぶ端折っています。(※2016/09/03追記 KTMのCEOの名前の読みを、より一般的なステファン・ピエラに変更しました。)

KTMのMotoGP参戦は、ドルナがMoto2エンジンの供給を頼んだことが発端だった。とか、Moto2にエンジンを供給することに興味は無いなど興味深い話がポンポン飛び出し、チューブラーフレームの利点は?逆回転クランクなのか?Vバンク角は?など、ジャーナリストからも面白い質問が沢山飛び出たプレスカンファレンスとなりました。 f:id:teletele916:20160829144300p:plain

プレゼンター

「今日お迎えするのはCEOのステファン・ピエラ、モータースポーツディレクターのピット・ビーラー、ドルナのCEOであるカルメロ・エスペレーターです。ピエラ氏にお伺いしますが、あなたはここから遠くない場所で生まれ、KTMをMotoGPという世界最高峰の舞台に、その生まれ故郷で連れ戻すという機会を迎えているわけですが、これは本当に嬉しいことでしょうね。」

CEO ステファン・ピエラ

「皆さん今日はお集まりいただきありがとうございます。この嬉しさを伝える事がうまくできませんが、まずはレットブルとドルナ、MotoGPサーカスにオーストリアに戻ってきてくれたことに感謝したいと思います。MotoGPはオーストリアでも最大のモータースポーツの1つです。KTMにとってもMotoGPに参戦するということは、最も素晴らしく最も野心的なプロジェクトです。約2年半前にヨーロッパでナンバー1のメーカーになるという目標を掲げ、現在ではオフロードでナンバーワンのブランドとなっています。15年前にオンロード部門に進出すると決め、今までに20万台以上の車両を販売してきました。そして今二輪のF1とも言えるMotoGPに参戦する準備が整いました。今が適切なタイミングで、皆さんは我々に期待していただいて結構です。KTMはReady to Raceを意味します。レースは我々の哲学なんです。これが我々の原動力でモチベーションです。一度そのセグメントに参戦すれば、我々は学習し、表彰台を獲得するでしょう。そしてMotoGPクラスでチャンピオンを獲得するのが我々の夢です。」


プレゼンター

「非常に野心的なプロジェクトですね。KTMはレッドブル・ルーキーズカップなどとの深い関係などでも知られていますが、現在モータースポーツをメーカーとして行なうのは難しいタイミングだとは思いますが、MotoGPはこの10年間非常に上手い形で運営をしてきたと思います。さらに来年はKTMという新しいメーカーが加わるわけですが、来年こうして新しいメーカーがチャンピオンシップに加わるというのは、嬉しいことですね。」

ドルナCEO カルメロ・エスペレーター

「皆さん今日はありがとうございます。ピエラとMotoGPに関して話を始めたのは2014年のカタールで、そこにはピット・ビーラーもいました。その時はMoto2にエンジンを供給してくれないかという話でしたが、ピエラはKTMのゴールは全てのモータースポーツで成功を収めることだと話してくれ、その場所とはMotoGPであるという話になりました。KTMにとってレースは精神そのものですからね。このプロジェクトは我々にとっても非常に重要なものです。これで日本メーカーとヨーロッパメーカーとのバランスが取れる運びとなり、KTMは今まで色々なクラスでその力を証明してきました。彼らはきっと成功するでしょうし、我々全てのMotoGPに関わる人間はKTMの成功を祈っていますし、我々にとっても大きなステップとなります。」


プレゼンター

「さて真ん中に座っているビーラー氏は、今現在非常に多忙だと思います。ピエラ氏の考えを実現するために尽くしていらっしゃるところと思いますが、あなたは元々はオフロード部門の担当としてKTMにやってきたんですよね。オンロードを担当し、こうしてMotoGPプロジェクトを率いるというのは本当に最高の瞬間でしょう。」

ピット・ビーラー

「本当に昨年からクレイジーな冒険をさせてもらっています。2012年のMotoGP参戦も大きなチャレンジで、その後のMoto3で参戦初年度にチャンピオンシップ優勝を遂げ、本当にクレイジーな形で物事が動いています。そして我々の最後の夢はMotoGPに参戦してチャンピオンシップ優勝を遂げることです。数年前にもMotoGPに参戦しましたが、今回はしっかりと準備が出来ている状態での参戦となります。勿論過去数ヶ月は皆が限界まで働き、新しい工場や施設を作るなど大変でしたが、この場にこうしていられるということは本当に素晴らしい事です。」


プレゼンター

「私は幸運にもこの”ベイビー”に乗ることが出来ましたが、このバイクが昨年の10月から開発されたとものであるという事は重要な事実です。この場でテストを行い、ライバルがその姿を見たというのは素晴らしい事ですが、先ほど今が最高のタイミングであるということでしたが、レースだけでなく、マーケティンツールという意味も含めてどのようなお考えでしょうか?」

CEO ステファン・ピエラ

「モータースポーツのプレーヤーの1つのメーカーになるという事は、最高峰クラスのMotoGPに参戦しなければならないという事でもあります。これはマーケティングだけでなく、技術的に市場に遅かれ早かれ還元出来るものです。また我々は競争の場が好きですし、それが原動力です。競争こそがメーカーが生き残る道ですし、美しいものだとも思います。」


プレゼンター

「MotoGPに参戦するメーカーはKTMが初めではありませんが、KTMが参戦を決意した2年前から現在という時間で成し遂げた事に関しては感銘を受けますでしょうか?」

ドルナCEO カルメロ・エスペレーター

「彼らがMoto3で参戦を初めた時、ホンダや他のメーカーと比較しても戦闘力が高かったですしルーキーズカップを始め、コラボレーションするという事が非常に素晴らしいところだと感じています。彼らの物事の進め方、組み合わせ方、準備の仕方、参戦の仕方など、全てが良い形で組み合わされていると私は思います。レースを進める上では幸運であることなども同時に必要になってきますが、彼らの今のところの進め方は本当に素晴らしい形だと思います。」


プレゼンター

「ヴァレンシアではミカ・カリオがワイルドカード参戦をするわけですが、前回のテストでは他の選手達と一緒に走ったことで、大いにモチベーションが上がっていることと思います。過去9ヶ月も十分に忙しかったと思いますが、ゼッケン36のバイクをヴァレンシアで見る間に、何が起きるのか教えて下さい。」

ピット・ビーラー

「ここにいるプロ達がテストの環境を整えてくれたわけですが、現時点でレースが出来る状態にあります。来年レースチームを作るわけではなくて、現時点で既にレースチームは存在しているんです。テストも常に2人のライダーで行える環境があります。エンジンは非常に強力で、今まで壊れた事がありません。異なるレーストラックでの走り込みもしていますし、背の低いライダー、背の高いライダーも揃えています。ただ時間は刻一刻となくなっていて、カタールはもうすぐですし、ヴァレンシアまではあと4回のテストを残すのみです。ここでもテストを行いましたが、ライバルと比べて驚くほど離されているわけでもありません。ただ差があることは明らかです。ライバルは強力ですが、ヴァレンシアまでは良いスケジュール感で進める事が出来ると思います。焦って作業をするようなペースでもありません。ただ目標はカタールでスタートの準備が出来ているという事が目標ですのでね。現状はオンスケジュールで動いています。」


プレゼンター

「ありがとうございます。それでは現場で仕事をしている彼らをステージに呼びましょう。オンロード部門副社長マイク・レイトナー、オフィシャルテストライダーのミカ・カリオ、テクニカル・ディレクターのセバスチャン・リッセです。それでは皆さんカメラの準備は宜しいでしょうか?それではこれがKTMのRC16です。皆さんよい写真のために集まってください。(※KTMチームとエスペレーターに向かって)これがこのマシンを公式に撮影出来る初めての機会となると思います。」(※紹介された3名がマシンにかかっているカバーを外す。) f:id:teletele916:20160829144551p:plain

プレゼンター

「それではマイク・レイトナーに聞きましょう。本当に死ぬほど忙しいと思いますが、今日を迎える事が出来て本当に嬉しいでしょうね。」

マイク・レイトナー

「本当に体が震えますね。自分はMotoGPの世界に長年いましたら。KTMがいかにグループとして動いているか、そのアプローチの仕方など、ピット、ビットの2人に加えて皆がしっかりと支えてくれ、将来に何が出来るかに集中しています。素晴らしい仕事ができています。」


プレゼンター

「外から見ていると、テクニカルな部分だけでなく、チームを1つにまとめていくというのも非常に大変なんだろうと思います。エンジニアなら誰でも良いわけではなく、MotoGPに近い人間を選ばないといけないわけで、そうした人選、チームを作るという事は非常に大変だったのではないでしょうか?」

マイク・レイトナー

「私がKTMに加入した時には既に素晴らしいエンジニアがいましたから、それに関して本当に驚きました。チームに関しては本当に良いメンバーを揃える事が出来たと思います。厳しい戦いをするわけですから、そこに集まっているメンバーは本当に優秀な人間である必要があります。トラックで戦うライダーもハードに走る必要がありますが、同時にトラックにいるチーム、ファクトリーで働くチームも非常に強力なメンバーである必要があります。そうでなければ本当に素晴らしい結果を得ることは出来ません。」


プレゼンター

「これからのテストスケジュールについて簡単に教えてもらえますでしょうか?」

マイク・レイトナー

「これからミサノでDucatiと共にテストを行います。その後はアラゴンで同じく3日間。その後はファクトリーに戻って作業をします。その後にブルノ、それからヴァレンシアテストです。その後はミカとワイルドカード参戦ですね。」


プレゼンター

「彼も待ち遠しいと思いますが、技術的な部分についてセバスチャン・リッセに聞いてみましょう。あなたにとってKTMではMoto3バイクが最初の”子供”だったわけですが、このバイクはシリンダーを追加して終わりというようなものではありませんが、技術的な観点でどの程度嬉しいと言えますか?」

セバスチャン・リッセ

「これは自分達にとっても今までと異なるプロジェクトで、新しい人々からの助けもあって作られたものです。どんどん変わっているところで、時には1日で大きく変わる事もあるんですが、徐々に道筋が整ってきました。つまりヴァレンシア、カタールでは同じバイクを見ることは無いというのは確かです。現状で良い状態に仕上がっていますが、エンジニアとしてライダーからの良いフィードバックを得られるというのが本当に最高な事で、クルーは本当に素晴らしい仕事を成し遂げたと思います。我々はひたすらに改善を続けるわけで、この仕事に終わりはありません。」


プレゼンター

「確かにチャンピオンシップ優勝を飛べるまでは終わることはないですよね。さて、ここに集まっている皆さんは、MotoGPバイクのフレームやサスペンションなどについても知っているわけですが、あなたにとってKTMが独自の道を行くというのはどの程度嬉しいことでしょうか?」

セバスチャン・リッセ

「私はKTMで仕事を始めましたから、私が知っているのはスチールフレームとWPのサスペンションです。ですからそれに関して恐ろしいと感じた事はありません。ただ良い点と悪い点があります。」


プレゼンター

「それでは次にライダーの言葉を聞いてみましょう。最終的にはライダーがどのように感じるかですが、私は10月に乗せてもらった事があるんですが、その時点でOKと言う感じでした。正直なところの進捗具合、フィードバックなどに関してはいかがでしょうか?」

ミカ・カリオ

「自分も同じ印象を持ちました。初めて乗った時から良いラップタイムで走行出来ました。勿論現状多くの内容を向上させていく必要がありますが、テストを繰り返す中で徐々に良い方向に向かっていきます。そして数週間前に自分達が既に良いレベルにいることを証明出来たと思います。皆の懸命な作業がここに実ったのは本当に良かったと思いますし、バイクの感触は非常に良いです。自分は長年Moto2で走ってきてMotoGPバイクを走らせているわけですから、本当に嬉しいですね。」


プレゼンター

「いつもは孤独にテストをしていると思うのですが、前回のように相手がいる状態でのテストというのは良いモチベーションになったと思いますが、ヴァレンシアを迎えるにあたり、このバイクに足りない事というのはどのような部分でしょうか?」

ミカ・カリオ

「全ての部分で向上が必要です。これといった弱点は存在しませんが、色々と改善していく必要があります。とは言え既にライバルとは非常に近いレベルにいると思います。ですから自分達が今いるレベルについては満足出来ています。ただ皆が語ったように勝つことは至上命題ですから、全てのパラメーターを向上させる必要があります。どこか1つの部分について語るというのはステップ・バイ・ステップで向上していくわけですから難しいですが、エンジンは非常に良いですね。現時点でかなり良いですし、ヴァレンシアまでにまでテストが3回4回とありますから、ヴァレンシアでどのレベルに到達出来るかというところです。いずれにしてもヴァレンシアに向かうにあたり、プレッシャーはありません。」


プレゼンター

来年はMoto2チームを持つという事もあり、MotoGPクラスまで完璧に道筋が繋がるわけですね。」

ピット・ビーラー

「我々はKTMチーム、KTMファミリーというものを持ちたいと思っているんです。今後はルーキーズカップも10年目を迎え、Redbullと共に素晴らしいライダーをパドックに送り込んで来ました。Moto3だけではそうした選手たちの行く場が無かったのが事実ですが、Moto2プロジェクトでも2人のライダーを走らせる計画ですし、これはここにいるAki(Ajo Motorsports)のおかげも大きいですね。彼はルーキーズカップの後にライダーをMoto3に迎えてくれ、今後はMoto2でバイクを走らせるわけです。そしていつの日かルーキーズカップから育ったライダーがMotoGPバイクを操縦するわけです。こうして育ったライダーを全てKTMで囲うのは難しいですが、その中でも最高の才能を持ったライダーはKTMで囲って行きたいと考えています。これが我々の夢で、実現するまで努力を続けたいと思っています。」


プレゼンター

「私も生まれ変わってレースの世界で新たなチャンスを掴みたいと思いますが(笑)レースの世界では一度挑戦した後に撤退してしまうブランドもいるわけですが、KTMはそんな事は無いと思います。KTMにとって今現在MotoGPに参戦するというのはどういう事でしょうか?」

CEO ステファン・ピエラ

我々は簡単に諦めないブランドとして有名です。勇敢ですしMotoGPは我々にとって技術やマーケティングの場所というだけではありません。世界で3本の指に入るメーカーになるという場で、実にシンプルです。現在は販売台数が20万台を突破しましたの、次は30万台を目指していきます。現在は販売台数の50%がヨーロッパ以外の国となっています。ヨーロッパではナンバーワンのブランドであり、どこでも存在感を発揮しています。それが原動力なんです。小国からスタートした会社が何が出来るかという事を示したいんです。」


プレゼンター

「ありがとうございました。それではカルメロ、今日は貴重な時間をありがとうございました。今日はKTMから全ての情報が書かれたオフィシャルのパンフレットを差し上げます。今日は皆さんお越しいただきましてありがとうございました。それではこれから好きに質問をしていただきます。(※カルメロ・エスペレーター退席)それでは質問はありませんか?おや、エメット氏もいますね(笑)それでは一番最初に質問してもらいましょうか? いや、別の方にしますか?」(※moto mattersのデビッド・エメットさんのこと)


Q

「私はエメット氏ではありませんが、ベストを尽くします(笑)技術的な質問です。クランクシャフトの回転方向はどちらでしょうか?

セバスチャン・リッセ

「これは今話題のトピックですよね。現時点ではこの情報は明らかにしたくありません。今の仕様を決定するために調査にかなりの時間をかけましたからね。」


Q

「逆回転クランクシャフトはテストしたんでしょうか?」

セバスチャン・リッセ

「そうした種のシミュレーションは行っています。(※会場(笑))」


Q(エメットさん)

「以前のKTMのプロジェクトから学んだ事というのは?」

セバスチャン・リッセ

「これは完全に新設計のバイクで、他のプロジェクトから流用しているパーツは一切ありません。ただエンジンが非常にパワフルですからバルブトレインに関しては大きな挑戦と言えるんです。昔作ったバイクでもこの部分は上手く行っていましたので、そうした情報は使っています。その他にはスーパーバイクプロジェクトやMoto3の経験がありますから、スーパーバイクからはシャーシについて、Moto3からはエンジンについての情報を利用しています。」


Q

「チームなどについてはどのようにして決めたのか?またテストについてもお聞きしたいのですが?」

マイク・レイトナー

「今後もテストを続けていくつもりですが、ミカがテストには今後も参加します。(※若干質問と答えが咬み合っていません。。)」


Q

「またしても技術的な質問です。フレームについては良い点と悪い点があるという話でしたが、それぞれについて教えて下さい。

セバスチャン・リッセ

「自分が言いたかったのは、まずは自分達はチューブラーフレームに関して多くの経験があるということなんです。ですからチューブラーフレームを使用するという事がアドバンテージとなるんです。大きな側面としては製造の問題があります。そしてフレームを制作する準備のためのデザイン、アルミニウムとスチールというのはどちらも異なるチャレンジングなわけですが、このフレームに関してはそうではありません。過去に学んだポジティブな点としては、チューブラーフレームはモディファイが簡単で、アップデート、開発のループを続けていくサイクルがアルミニウムよりも早く出来るでしょう。」


Q(エメットさん)

「今回のプロジェクトはホンダのMoto2エンジン供給が2018年で終わる事に端を発しているわけですが、将来的にKTMはMoto2向けにエンジンを作成する事に興味はあるんでしょうか?

CEO ステファン・ピエラ

正直に言うと興味はありません。ドルナがMoto2という枠組みを決めた時は、それに対して落ち着かない気持ちでしたが、現在は将来のGPライダーのために綿密にコストを計算していますし、ある程度の費用はかかってくるわけです。現在Moto2に参戦するのはMoto3参戦よりも安いですし、メーカーとしてエンジンを供給することに興味はありません。その立場は崩すべきでは無いと思っています。我々はどんな競合相手が入ってこようとも問題を感じませんし、中華製のエンジンだってあるわけですしね。その中でもシャーシ、セッティングなどで違いは出せますし、将来の若きMotoGPライダーにとって良いクラスだと思います。ですからエンジン供給に関しては興味がありません。未だに我々は小さい企業ですしね。また大企業であるライバルに比べて、小さい企業として成功していると思っています。我々は自分達のタスクに集中すべきで、これが我々のタスクです。(※RC16を指差す)」


Q

「KTMは、スーパークロス、ダカールなどの他にも色々なレースに参加していますが、将来的にMotoGP以外にも参戦の幅を広げる気はあるのでしょうか?」

CEO ステファン・ピエラ

「これは15年前に我々の顧客の懸念でもあったわけです。KTMがオフロードを離れると言う懸念があったんです。KTMはシリーズ全体を戦うが、参戦するのは1つという形を選択してきました。特定のクラスに関しては参戦するのに一定の時間がかかります。ダカールにしてもほぼ20年前に参戦を開始したわけで、15年ほど独占的なレースをしてきているわけです。信じられないかもしれませんが、アメリカでスーパークロスのチャンピオンシップで優勝するのには10年もかかったんです。我々はけして諦めませんでした。ですからMotoGPでも10年かかるかもしれません。ただ、我々は諦めません。


Q

「以前のバイクはあまり成功したとは言えませんが、その頃のエンジンから受け継いだものはあるんでしょうか?」

CEO ステファン・ピエラ

「あの頃のエンジンは最もパワフルなエンジンと言えるものでしたが、いくつかの部品が足りなかったんです。あれは傑作エンジンになり得るものでした。ベンチマークになり得たんです。ですからエンジンに関しては多くの経験がありますし、自分達が何をいているかもわかっています。ある程度の技術のキャリーオーバーはありますが、エンジンとしては全くの別物です。」


Q

「チームにこのバイクのどの部分が素晴らしいと語ったのかと、どの部分がまだ作業が必要だと語ったのでしょうか?」

ミカ・カリオ

「全てがコントロール下にあって、最初から全て良いレベルでした。これといった弱点はないんですが、同時にテストライダーとしても言い難い事で、本当に多くのテストを重ねてきてここに来たわけです。強みとしてはやはりパワフルなエンジンでしょうね。とても力強くてパワーデリバリーも素晴らしいです。ただライディングのフィーリングというか、コーナリングに関しては改善が必要です。あとはコーナーの出口に関しても、足りない部分があると思います。プロジェクトはまだ非常に新しいですから、これは当たり前のことだと思います。ステップ・バイ・ステップで全てがあるべきところに収まっていくと思います。まだ時間がありますし、ヴァレンシアで参戦するというのが大きなターゲットですから、そこに辿り着けるレベルであると良いと思います。」


Q(エメットさん)

「KTMが参戦していないレースとしてスーパーバイクがあります。RC8以降は後継機がありませんが、何かしら適切なバイクを作り上げていくという計画はあるんでしょうか?

CEO ステファン・ピエラ

いえ、その計画はありません。こうした270馬力もあるようなバイクは、クローズドコースで走るべきですから。顧客向けにこうしたバイクのレプリカで本当のレーシングフィーリングを楽しんでもらうという計画はありますが、こうしたバイクは公道を走るべきではありません。公道を走る上では安全性と言う面が、最もバイクに関しては脅威となりますし、メーカーはそのリスクを真剣に捉える必要があると思っています。」 f:id:teletele916:20160829145047p:plain


Q

「Vアングルは前のエンジンとは違うということですが、Vアングルを教えて下さい。

セバスチャン・リッセ

「ポイントとしてはバランサーシャフトを使用せずに、不要な振動を制御するという事ですので、バランサーシャフトを使用せずにエンジンが動く範囲の中の角度となります。(※KTMの面々ニヤニヤ。)」

プレゼンター

「それでは皆さんありがとうございました。」