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★MotoGP2016 KTMセバスチャン・リッセへのインタビュー

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moto mattersのエメットさんが、KTMのMotoGPプロジェクトの後ろにいる人物であるセバスチャン・リッセにインタビューした内容をご紹介します。着実に前進している感じがしますね。 f:id:teletele916:20160818144932p:plain セバスチャン・リッセは土曜日にレッドブル・リンクにおいて公開されたKTM RC16 MotoGPバイクの背後にいる人物だ。自動車工学を学んだリッセはKTMと2008年から共に歩んでいる。彼は今はなきRC8スーパーバイクプロジェクトのクルーチーフとシャーシアナリストを務めた。しかしKTMがグランプリレーシングに戻った2012年、リッセはMoto3プロジェクトを担当しており、これはこのクラスのベンチマークであり続けた。

リッセは現在KTMのロードレーシング活動の責任者で、RC16MotoGPバイクの監督、開発をリードしてきた。このマシンはMotoGPのグリッドに並ぶバイクとは興味深い平行線という側面、大きく異なるバイクであるという一面を持っている。このバイクは1,000ccの90°V4エンジンをチューブラースチールフレームに搭載する。フェアリングはMoto3バイクを拡大したようであり、ホンダのRC213VとKalex Moto2のデザインの中間のような形をしている。


このバイクはまた子会社であるWPのサスペンションを使用している。これは基本的にはKTMだけに専念したファクトリーサスペンションとなるだろう。RC16のプレゼンテーションが終わって、我々はセバスチャン・リッセとこのバイクの違いやデザインの選択などについて話をした。

デビッド・エメット

「アルミニウムビームをフレームに使用することは考えたのでしょうか?」

セバスチャン・リッセ

「過去のMoto3のプロジェクトなどでは当然考えました。これに関しては125ccや250ccの経験もありました。ですから今回の決断は本当に良く考えた上でのことでした。アルミニウムフレームでも走らせてみたんですよ。でも最後には意識的な決断だったと思います。自分達はスチールフレームのことのほうがわかっていますし、ディスアドバンテージは見つかりませんでした。それに自分達の強い部分もわかっていますし、それを使用する事が出来るのもわかっていました。それにアルミニウムと同じレベルに到達するのに必要な作業もわかっていました。」

デビッド・エメット

「理論的にディスアドバンテージや重量上で不利な面はないのですか?」

セバスチャン・リッセ

「例えば素材の減衰についてはアルミニウムとスチールでは異なりますし、これらとカーボンファイバー、非常に異なる素材の間でこれは異なり、これを手懐けなくてはいけません。一般的に言って重量の面ではアドバンテージとディスアドバンテージがありますが、これはバイク全体のパッケージが関係するので一概には言えません。例えばスチールフレームであれば、バイクのある部分からの放熱が容易です。アルミニウムでは全てが近くにまとまっていますからね。ですからそういう意味ではある程度のヒートシールドを節約出来るでしょう。一緒に組み合わせる事が出来る二次的な内容があるんですよ。」

デビッド・エメット

「フレームではなくてバイク全体のパッケージだという事でしょうか?」

セバスチャン・リッセ

まさにその通りです。全てが共に機能する必要があります。例えばMoto3では、我々のバイクは剛性に関して非常に重量の効率が良いんです。そしてこれは明らかにスチールフレームのディスアドバンテージではありません。」

デビッド・エメット

「ファイアリングオーダーはビッグバン、それともスクリーマー?」

セバスチャン・リッセ

「これに関しては未だに調査を進めているところです。エレクトロニクスがある時代ですから、メカニカルなファイアリングオーダーだけではないんです。それ以上にやることがあって色々と調製出来るんです。最後の最後にどのような決定をするかですね。」

デビッド・エメット

「狙いとしてはバランスシャフトなしに走ることだと思いますが、これは同時にエンジン構造やファイアリングオーダーなどについても暗に示す事になると思います。あるいは何らかの調製が必要になりますか?」

セバスチャン・リッセ

「それはその通りです。」

デビッド・エメット

「グリッドで最もパワフルなバイクになるという事が狙いですか?」

セバスチャン・リッセ

「いいえ。もちろんエンジン屋であればこれは常に夢見るものです。これは明らかですよね。でも同時にどのようなトータルパッケージが達成されるべきかという事に関する理解を持つ事も必要です。もちろん最初のシーズンなどはそういったレベルには毎回立てないでしょうが。輝かしい瞬間、厳しい瞬間があるでしょう。そして強力なエンジンを持つ事はけして悪い事ではありません。ただトータルバランスは理解しています。そして今までしばらくの間、最強のバイクがチャンピオンシップで勝利しているわけでもありませんから、これは考えさせられますよね。基本的にはいくつかのトラックではスロットルボディをフルオープンにして走行するのが全体の5%ということもあり、そこから一体どれだけメリットを引き出せると言えましょう?他のライダーをパスは出来ますけど、エンジンパワーでラップタイムは出ませんよ。」

デビッド・エメット

「バイクのどの部分が最も作業が必要なんでしょうか?」

セバスチャン・リッセ

「基本的には今振り返りをしていて、本当にわからないことがあったんだというのが明らかになって来ました。例えば最初はライダーに心地良さを感じさせないといけないという事で、ライダーが剛性やセッティングの話がさらに出来る前にエルゴノミクスの作業を行いました。その後はそのセッティングの良いところ全て、持っていることの全てを引き出さないといけません。そこからバイクの向き替え、ハンドリングなどの開発プロセスが進むんです。また、他のチームがどのレベルにいるのかを見ることが出来たのも大きな助けとなりました。自分達だけでテストをしているとこれがさらにぼやけていきますし、普通ではないことを夢見る事になります。でも今は何がノーマルなのかがよくわかっています。ライバルが何をしているのか、基本的には皆いくつかの面で似たような限界があって、我々が他のチームに対して劣っている部分を向上させていきます。一方で、我々のほうが強い部分、何をすれば良かわかっている部分に関してはこれをさらに伸ばして行きます。他のメーカーよりも劣る部分がないバイクを作る必要はなくて、自分達の強みは利用出来ると思っています。」

デビッド・エメット

「ウイングレットの禁止は計画に影響しますか?」

セバスチャン・リッセ

「一般的にダウンフォースについて調べるということは、自分が思うに10年から15年前から皆やってきたことです。既に1950年台、1960年台からありました。そしてウイングレットがバイクについてなかろうがウインドトンネルなどシミュレーションをするわけです。来年のルールはウイング無しというもので、これの本当の意味や皆がどのように対処するのかという事はこれからでしょう。ただ基本的にルールはルールですから、ルールの中でパッケージから最大限のものを引き出そうとします。ですから従来型のやり方でダウンフォースを(発生させることを)考えています。」

www.asphaltandrubber.com