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★MotoGP2016 ダヴィデ・ブリビオ 2017年のチーム編成について語る

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ホンダ、ヤマハ、Ducatiというファクトリーチームと異なり、ライダーラインナップを一新する事になったスズキとアプリリア。スズキのダヴィデ・ブリビオ氏が2017年のチーム編成を語った記事があったのでご紹介します。本当は3台か4台のバイクを用意して、皆をスズキに乗せたかったと語るブリビオですが、来年はどのようなスタートとなるでしょうか。

★MotoGP2016 ダヴィデ・ブリビオ 2017年のチーム編成について語る

スズキにとって2017年のMotoGPは大きな変化となり、ライダーラインナップが現行のマーヴェリック・ビニャーレスとアレイシ・エスパロガロから、アンドレア・イアンノーネとアレックス・リンスへと変わる。 このライダー変更はビニャーレスがファクトリーヤマハのオファーを受けた事に起因し、彼は3度の世界チャンピオンであるホルヘ・ロレンゾに変わる形となる。

ダヴィデ・ブリビオ

「疑いようもなくマーヴェリックは素晴らしい才能で、常に非常に速い選手です。125cc、Moto3、Moto2で毎年彼はレースに勝利しています。彼がルーキーであろうがなかろうが関係ありません。彼が才能ある選手であると同時に、ここザクセンリンクで見たように勇敢でもあるということです。(ビニャーレスは金曜に大きな転倒の後に最速タイムを記録した。)我々のバイクも悪くないですし、彼は良い形でライディング出来ているんです。全てを合わせて昨年から非常に大きな進化を遂げたと思います。トップにも毎回接近していますし。」


スズキの進化はビニャーレスがGSX-RRを表彰台に導いたル・マンで頂点に達する。ただこれはビニャーレスにとってはヤマハ移籍を決めて理由でもあった。

「マーヴェリックには残留させるというオプションを我々は持っていたんですが、彼が我々にチームを変えたいと話してきた時に、ライダーに無理強いさせてチームに残留させるのは良くないと思ったんです。同時にマーヴェリックにとっても極めて困難な選択だったと思いますので、とても誇りに思っているんです。意思決定には長い時間がかかりましたが、これは我々が良い形で進めてこれたことだと思います。スズキに残るか、昨年基本的にはチャンピオンシップを独占したバイクを選ぶかを選ぶのに長いことかかったという事は、我々にとってはとても誇るべきことなんです。」


「いずれにせよ、マーヴェリックはスズキを去ることを決め、我々としても既に他に気持ちが行っているライダーをキープしたいとは引き止めたいとは思いません。このプロジェクトを特徴ずけていたアレイシとマーヴェリックという組み合わせはアンドレアとアレックスという組み合わせとなります。この2人は大きなコミットを持って強い動機を持ったライダー達です。これが非常に重要だと思うんです。マーヴェリックとはとても良い関係にあります。彼の事は大好きなんです。ただ彼の理由がなんであれ、彼のキャリアとしてチーム替える事が良い事だと思うのであれば、我々はそれを受け止め彼を旅立たせるべきなんです。これが我々の考えです。」


マーヴェリックがヤマハに加入することを正式に発表した日に、スズキはファクトリーDucatiのシートをその週の前半に失ったアンドレア・イアンノーネの加入を明らかにした。イアンノーネがスズキに加入するということは、残されたエスパロガロのシートが無くなる事を意味した。というのも、スズキは経験あるライダーに勢いのあるルーキーを組み合わせるのが好きと知られていたからだ。スズキの新たなスターはリンスだ。もちろん彼とMoto2タイトルを争っているヨハン・ザルコとスズキはオプション契約を持っていた。スズキの決定に腹を立てたエスパロガロはアプリリアへ、ザルコはテック3ヤマハへと契約した。


「このプロジェクトはマーヴェリックとアレイシとで始め、マーヴェリックの残留を試みました。マーヴェリックがチームを去ることを決めた時、我々はこれから先数年について、何というか”再編成”する形で考えなければいけないと思ったんです。我々はマーヴェリックをMoto2からルーキーとして迎えました。これは挑戦でもあり賭けでした。これは実に上手くいき、彼とともに我々の将来を作りあげたかったんです。これが不可能となったので、新たな未来を作りあげる必要があったんです。イアンノーネを獲得する機会があり、彼はDucatiに残留するかしないかを決めかねている状況でした。しかし彼は我々のプロジェクトに興味を持ちました。アンドレアをチームに抱えるというのは良い資産になると思ったんですよ。」

「もちろん彼は異なるバイクに乗っています。ただ彼は表彰台を獲得する力もトップライダー達と戦う実力をも持っています。我々は彼のスピリットが好きなんです。ですから我々はアンドレアを獲得しました。それからアレイシについて決断をする必要があり、ザルコとのオプション契約もあり、アレックス・リンスを獲得するというチャンスもありました。これは我々にとっても難しい選択でした。マネジメントチームと話し合うために日本に飛び、最終的にリンスは将来素晴らしいライダーになるだろうという決断に達しました。ですから我々は彼に投資をして、彼の成長を助けるという選択をしました。彼は1年か2年でトップを獲得出来る力があると思います。」


リンスはビニャーレスが成し遂げたような成功を収める事が出来るだろうか?スズキはライバルと再び接近戦を演じる事が出来るだろうか?リンスとの契約の合意は何年程度なのだろうか?

★MotoGP2016 ダヴィデ・ブリビオ 2017年のチーム編成について語る

「これは良く出来た契約なんです。初めは2年契約です。しかし可能性があれば更新するというものです。」


エスパロガロは昨年はスズキGSX-RRのトップライダーであったが、今シーズンの終わりにスズキを去る。スズキのバイクで初めてポールポジションを獲得したライダーでもあり、2015年のスズキのMotoGP復帰におけるバイクの開発にあたって重要な役割を持ったライダーだ。


「本当に辛い決断でした。3台か4台バイクを用意して、皆を乗せたかったんです。アレイシと一緒にプロジェクトを初めましたからね。彼はスピードがあって開発に貢献してくれましたから、この決断をするときは悲しい気持ちだったんです。しかし、2台しかバイクがありませんので決断をする必要があり、我々はさらに将来を見越した選択をしたということです。もしマーヴェリックがチームに残るという選択をしていれば、今のラインナップで続けた可能性が高いでしょう。マーヴェリックが残留を決めていれば、アレイシが最高のチームメイトになったでしょうね。」


ブリビオが語るように、スズキは現時点で2台のバイクしか持っていない。どちらもファクトリーチームだ。そして台数が増えるという事は2017年には起きないが、2018年はどうなのだろうか?ドルナは最終的に全てのチームが1つのファクトリーチームと1つのサテライトチームをサポートすることを望んでいる。LCRやPramacがスズキへの興味を表明したとされるが、スズキはMotoGPでのチームを広げる事になるのだろうか。


「我々はこの状況を学んでいるところです。スズキはサテライトチームを持った事がありませんからね。いかに組織化し、どの程度のリソースがいるのか?スペアパーツは?エンジンは?など色々学んでいるんです。サテライトチームは持ちたいと思いますが、十分なリソースがある事を確認しなければいけません。MotoGPに2015年戻ってから、いくつかのサテライトチームが我々の元を訪れ、情報を聞いてきました。これは極めて普通のことだと思います。彼らは我々が他にもサポート出来る準備があるのか知りたいんです。これは我々にとっても良いことでポジティブな内容です。いくつかのチームと話をし、情報を交換しました。しかし実際のところ本当の意味での交渉というのはどこともしていません。サテライトバイクを本当に供給出来るとなった時にさらにチームと深い話が出来るようになるでしょう。」


ビニャーレスとエスパロガロは、チャンピオンシップ5位と11位というスタンディングで後半戦をスタートする。イアンノーネは表彰台を2回獲得して8位、リンスはMoto2においてザルコに次いで2位という状態だ。


By Peter McLaren

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