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★MotoGP2016 ザルコのテック3移籍は今週末に正式発表

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遂にザルコ選手のテック3ヤマハ入りが決定したようです。スズキとのオプションがあったとは言え2017年に走るチームがない現状ではやはり難しいということでしょう。ただダヴィデ・ブリビオは将来的には可能性はあるという発言をしていますので、2018年にはサテライトスズキから参戦という可能性も高そうです。

★MotoGP2016 ザルコのテック3移籍は今週末に正式発表

ヨハン・ザルコは来年モンスターヤマハテック3に移籍する。正式発表は今週のザクセンリンクで発表されると予想されている。Moto2クラスのチャンピオンであるザルコはジョナス・フォルガーと共に加わると、テック3のラインナップはオールルーキーとなる。現在のライダーであるブラッドリー・スミスとポル・エスパロガロはファクトリーKTMに来年加わる事となる。

ザルコはテック3との1年契約に合意し、2018年まで走るというオプションを持っている。25歳のザルコはスミス側のガレージを使用することになり、クルーチーフのGuy Coulonと働く事になると思われる。これは6月にポンチャラルがフォルガーのチームメイトととしてザルコについて言及していた事を考えると不思議ではない。またポンチャラルはアレックス・リンスの獲得も目指していると語っていた。アッセンでリンスのスズキ移籍が発表され、ザルコに残された現実的な選択はテック3だけになった。しかしザルコのスズキとのオプション契約によって、状況がどうなるかについては疑問がつきまとっていた。しかしザルコが最高峰クラスにステップアップする初戦にテック3で走るかどうかは疑問が残る。というのもザルコとスズキの間でカタールに関する合意がされているのだ。


スズキのダヴィデ・ブリビオは「彼にMotoGPバイクを乗らせてみて、どうなるか見てみようと思っています。」とカタールで語っている。その1ヶ月後、フランスでザルコはスズキのGSX-RRをテストするだけでなく、7月に開催される鈴鹿8時間耐久に参戦することを発表。「来年彼をスズキで使えるというオプションがあるんです。」とブリビオはその後ムジェロで語った。「来年彼をライダーとして使う事が可能で、来月は日本でテストを行います。彼にMotoGPマシンを試してもらいますが、その先はまだ決まっていません。」


テストによってザルコの価値が認められたのか、それとも実現しなかった3台目のスズキの候補として考えられたのだろうか?現在ザルコとMoto2のタイトル争いを繰り広げる20歳のリンスは、アンドレア・イアンノーネのチームメイトとしてスズキに選ばれたが、これはアレイシ・エスパロガロにとっては受け入れがたいことであった。マーヴェリック・ビニャーレスはモヴィスターヤマハへと去ったわけだが、ブリビオが信じるチーム体制を維持する為にこうした形となったと言える。それは、開発の経験がありトップ6を獲得出来るライダー。(イアンノーネ)そして長い目で見て有能な若手ライダー。(リンス)という構造だ。


また、スズキは2017年に2人以上のライダーにマシンを提供することは出来ない。しかし2018年からはファクトリーはMotoGPでの参戦スケールを大きくするという話がある。「まだ準備が出来ていないんです。さらにバイクを増やす事はスズキも望んでいるんです。日本でもこうした事は話し合っています。しかし2017年からこれを実現するのは難しそうなんです。」とブリビオはムジェロで語った。ザルコにとってはスズキの門は閉じられ、フランスのチームであるテック3でヤマハを乗るという選択肢は悪く無い代替案だ。ポル・エスパロガロの今年の成績とスミスの昨年の成績を考えれば、トップ6のポテンシャルがある事は間違いない。


しかしテック3との契約はザルコにとってはスズキとの更なる契約を破棄する事に繋がる。ザルコはオランダで「8耐には参戦する計画だったんですが、これは中止になりました。最終的にスズキでMotoGPに参戦出来る事はなさそうですから、8耐で走らないほうがいいだろうという事になりました。」と語っている。ジャーナリストのThomas Baujardにブリビオがオランダでこう語った。「ヨハンは2017年のチーム体制のオプションでありましたが、いずれにしても契約があるわけではありません。これは最初から彼にも明らかだった事です。」


「このオプションはチーム体制として彼を迎えられないということから実現しませんでした。しかしテストをするという合意は存在しましたので、ヨハンを日本に招き、スズキの竜洋で2時間、茂木で2日のテストを行いました。ヨハンは素晴らしいラップタイムを記録しました。出走の度に結果を出していましたし、正確なフィードバックをチームにもたらしてくれました。数日を通して彼をさらに良く知ることも出来ましたが、その中で彼はとても素晴らしい人間だと言えると思います。将来的に機会があれば彼はスズキで走る事になるでしょう。」


同じ新しいライダーを採用するにも、ポンチャラルとテック3にとっては2人共に最高峰クラス未経験のライダーを採用するのはリスクがある。エスパロガロがチームを離脱することにポンチャラルは失望の念を示しながら、彼はいかに新しいライダーがファクトリーチームで入る事に価値を感じているかについて語った。「嬉しいということはないですね。ファクトリーに非常に近いマシンがあるんです。若くてスピードがある選手であれば、ファクトリーで走る以外は目に入っていないという印象を受けます。」


ザルコはMoto2のライバルに比べると若干年齢が上で、最高峰クラスのエリート達と比べると小排気量クラスで過ごした時間が長い。しかし彼の慣例にとらわれないキャリアは、素晴らしいスキルセットの獲得に至った。(例えば彼は2008年はレースをしておらず、レッドブルルーキーズカップで勝利しただけだった。)出しゃばらないながらも、ザルコはグリップが低い時、燃料警告灯が点灯している時なども、恐ろしいほどのコンスタントさを発揮してきた。


ムジェロとモントメロの勝利もそんな彼の特性を表している。Crash.netがアッセンにおいて「テック3と契約するとなると、5年間走ったMoto2から離れる形となるが?」という質問に、ザルコは恥ずかしがりながら「マネージャー(Laurent Fellon)が働きかけてくれたんです。彼を信じていますし、落ち着いた気持ちでいます。」と語った。


ザルコはこうして最高峰クラスへとステップアップを遂げ、同時に同郷のテック3ライダーであったオリビエ・ジャック、シルヴァン・ギュントーリの後を次ぐことになる。Moto2のライダーであるリンス、フォルガー、サム・ロウズが同様にMotoGPクラスへと昇格し、ザルコにとってはMoto2チャンピオンシップの結果がこの先に待ち受けるチャレンジを表す指標となるだろう。


By Neil Morrison

www.crash.net