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★Mellow Motorcycles スズキGS1000 Babo45

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カスタムバイクのニュースが続きますが、スズキのGS1000のカスタムバイクをご紹介します。クラシックなレースバイクというコンセプトで実に渋くまとまっている車両ですが、美しい仕上がりのチタンマニフォールドは実に見事です。これは切実に実車の音を聞いてみたいですが、Babo45という車両の命名の由来も泣けてきます。

★Mellow Motorcycles スズキGS1000 Babo45

最近ドイツのMellow Motorcyclesが作り上げた我々にとって初めてのカスタムバイクを記事にしたが、そのGS550を調べる中で彼らの別の素晴らしいカスタムバイクを見つけた。それは70年台のレースを象徴する車両のカスタムで、ウェス・クーリーが79年製のGS1000で2年連続してAMA スーパーバイク選手権で優勝したことでスズキを一躍有名にしている。

私はワークショップのフロ・ハーバートにバイクの事を尋ねた。このバイクは前述のバイクのすぐ後に製作されたが、ショーモデルというよりは走るために作られたバイクだ。

★Mellow Motorcycles スズキGS1000 Babo45

フロ・ハーバート

「これはMellow Motorcyclesがどんなバイクを作ることが出来るのか?という事を示すためのモデルなんです。このバイクは 'Tintin' GS550と並行して製作を行いました。しかしチューンドエンジンを使用し、クラシックなレースバイクを作るという方向で製作しています。」


このGS1000はBabo45と名付られ、フロのビジネスプランパートナーであるアミールがコンセプトを描いた。


「彼はクラシックレーシングの世界の人間で、自分はよりデザインよりですね。彼は週末にレースに行き、自分は世界の都市や文化を楽しむという感じです。自分はこれをマインドクレンジング・ウィークエンドと呼んでいます。アミールは落ち着くためにタイヤをすり減らすのが必要なんでしょう(笑)」


GS1000の製作には500時間かかったということで、私は何が最も大変だったのかを聞いてみた。その答えは曲がりくねった4-1のエキゾーストシステムとのことで、彼らの労力を結集したと言う。

★Mellow Motorcycles スズキGS1000 Babo45

「チタンのマニフォールドとマフラーの製作はチャレンジングでしたね。ただ、製作の前に綿密な計算が必要で、そこでも時間がかなりかかっています。最高の排気の流れとパワーを実現するために、4本の排気管は全て同じ長さで有る必要がありました。これらは全てグレード1のチタニウムから作られています。マフラーだけはヨシムラのステンレス製のGP Ⅲユニットを使用しています。」


エンジン自体もアミールの厳しいレース用規格に沿って作られている。内部には新しいレーシングピストンが使用され、ピストンとヘッドには手が加えられている。また、内部のベアリング、ガスケット類は当然全てリフレッシュされている。

★Mellow Motorcycles スズキGS1000 Babo45

点火システムにはDyna2000が使用されており、キャブレターはミクニの4連レーシングキャブレターとなっている。クラシックメカニカルチューニングを施したというフロの説明によると、Babo45は後軸出力で17馬力パワーアップしており、当然トルクもパワーアップしている。


ホイールを選ぶ際、エミールは35年以上前のスズキのホイールは当然選ばず、Excelのスーパーモトスポークホイールを選択した。タイヤはピレリのPhantomで、パフォーマンスを犠牲にする事なくクラシックなルックスを実現している。

★Mellow Motorcycles スズキGS1000 Babo45

冷却性能の向上のため、前後のブレーキディスクはドリルドタイプで、キャリパーはカワサキのZZR600用を装備している。フロントサスペンションはノーマルながら、リアショックはYSSでKrüger & Jungingerのスイングアームをマウントしている。


もちろんパフォーマンスだけではなく、モダンなパーツを使用する事で機能的ながらも新しいカフェレーサースタイルを作り上げている。モトガジェットのパーツが、スピードメーターからハンドルバー、インジケーター、スイッチブロックに至るまで多用されている。

★Mellow Motorcycles スズキGS1000 Babo45

純正タンクはフレームに合わせて位置を調整されており、サブフレームを含むリアセクションは新造だ。テールランプ、ウインカーはLEDとなる。フロントにはファイバーグラス製のハーフフェアリングが取り付けられ、その中にLEDのヘッドライトが収まる。


ライディングポジションはTarozziのセパレートハンドル、BMW S1000RRのステップなどによってアグレッシブになっている。鉄製の燃料タンクキャップと、燃料タンクに取り付けられた燃料レベル、シートを支えるのはレーザーカットされたチタン製のパーツで、野菜の汁で染め上げられたチベットヤク(牛の一種)の皮で出来たシートカバーは強調したいポイントだ。


フロによると、一番気に入っているのはバイクの見た目、そして次にその音だそうだ。

★Mellow Motorcycles スズキGS1000 Babo45

「レーシングキャブと共にエンジン全体とエキゾーストから奏でられるサウンドは、友人が所有していた79年製のポルシェRSRを思い出させます。皆がこのバイクを振り返るんですよ。レーシングエキゾースを装備したフェラーリだからという事ではなく、このバイクが奏でる生のメカニカルサウンドが人を惹きつけるんでしょう。これがこのGS1000をオールドスクールのレースバイクたらしめているもので、さらに厳しいドイツのテュフ規格にも合格しているんです。ですから公道でも走られる事が出来るんです。」


残念ながらこのバイクを製作している最中に、アミールの父が他界した。彼の父はボスニア出身で、ボスニアではBaboが父を表し、アミールの父は1945年生まれだったことから、このバイクはBabo45と名付られた。これは彼の父への捧げるバイクでもあり、間違いなく彼の父が誇りに思ったであろうバイクだ。

www.returnofthecaferacers.com

http://mellow-motorcycles.jimdo.com/