気になるバイクニュース。

世界のバイクニュース、MotoGP最新情報、各メーカーの新車情報などを紹介しているブログメディアです。

★カスタムビルドをする際に、ベースとなるバイクをいかに探すのか?

Sponsored Link

ガレージを持ってバイクを整備するというのはバイク乗り共通の夢ですが、そこから更に進んでカスタムバイクを自分で作るというのも浪漫があります。車やバイクに限らず個人売買が盛んなアメリカならではの話だと思いますが、旧車系のカスタムビルダー達はかなりの割合でバイクの仕入れ先にクレイグスリスト(※地元情報の総合掲示板 求人情報から地域の情報、不要品の売買なども盛ん。一応日本にもあります。)を使っているというのは意外でした。

また、こうした中古車を購入する時の注意点として各ビルダーが語る言葉は参考になります。とくに売り手をしっかりと観察するという部分は確かにそうだなと思わされます。

冒頭で紹介されているカスタムバイクの本である「The Build:How the Masters Design Custom Motorcycles」なんですが、日本から取り寄せると送料含んで73ドルほど。。だいぶ欲しいが悩む値段です。

★カスタムビルドをする際に、ベースとなるバイクをいかに探すのか?

ロバート・ホークマン・ジュニアによる新書、The Build:How the Masters Design Custom Motorcyclesはアメリカ国内の中でも屈指のカスタムビルダーのインタビューが掲載されている。

カスタムビルドはドナーバイクから始まると言えるわけだが、ドナーバイクというのは良い響きだ。これはビルダーがベースにするバイクの事で、ショップの中でも数週間から数ヶ月眠っているバイクが対象となる。しかしその名前に関わらず、ドナーバイクというのはタダではない。そのコンディション、スタイル、形はバイクを形にした時多大な影響を持っている。そのため現実にはこのドナーバイクを探すところから始まるだ。

どこから探すか?

マックス・ハザンはクレイグスリストを使うことが多いと語る。

マックス・ハザン

「地元の人が使っているからね。イーベイと比較して車体を直接確認出来るからいいね。だいたい直径300マイル(482km)でバイクを探して運転して取りに行くんだ。見つけにくいバイクや、締め切りがキツイ時なんかはバイクを送ってもらうんです。バイクを見ずに買うのは嫌なんだけど、他に方法が無い時もありますね。」
ジャレッド・ジョンソンはさらに激しいクレイグスリストユーザーだ。

ジャレッド・ジョンソン

「もしロードトリップに出ているとしたら、その街のクレイグスリストに何があるかを調べるんだ。ポートランドにサンディエゴ、サンフランシスコ、北カリフォルニアで仕入れたバイクを積んで帰ってきたこともあるよ。」


ジャロード・デル・プラドは彼らのドナーバイクを地元のアリゾナで見つける事が多いと語るが、ネバダ、カリフォルニアからドナーバイクを仕入れたこともあると言う。Revival Cyclesのアラン・ストゥルベルグはその対極にあり、「ほとんどの場合、クライアントが世界中からバイクを持って来るんですよ。積極的にドナーバイクを探すことはあまりないですね。」と語る。

何を買うべきか?

★カスタムビルドをする際に、ベースとなるバイクをいかに探すのか?

どこまでやるか?どこまでビルダー自身が自分で出来るかにもよるが、ただバイクを磨き上げるだけになるかも知れないし、何らかのアイディアがあるかも知れない。いずれにせよ一番最初のステップが一番難しい。ただ、Classified Motoはホンダのナイトホーク750やXR650Lなど様々な新しいパーツが出ている車両を多く手がけており、これらの車両の改造はこの限りではない。

Classified Moto ライランド

「昔は出来るだけ安いバイクを探していたんだ。最低な見た目だろうが全然気にしてなかった。個人的には最低な見た目のバイクを面白いバイクに仕上げる事が好きだからね。シャフトドライブだろうが、かき集めたパーツで出来ていようが、クルーザーだろうが気にしなかったんだ。ただ、一番最初に始めるんであれば単気筒かツインが良いだろうね。それにキャブの数も少なければそれに越したことは無い。ただ、個人的には大きな4気筒エンジンが小さいフレームに収まっているのが好きなんだ。Vツインエンジンは良く大きなパワーを発揮するエンジンだと捉えられるけど、前から見るとかなり貧相なんだよね。」

値段とコンディション

★カスタムビルドをする際に、ベースとなるバイクをいかに探すのか?

さて、カスタムビルドは安いバイクでも問題は無いようだ。ただ値段とコンディションは比例するもので、ある一定の古さになってくるとそれがコンディションに影響を及ぼし始める。ライランドはこう続ける。「自分達のところは全てのエンジンを組み直しています。エンジンから煙を吐くバイク、圧縮が落ちているバイクもあるんですよ。ただ、ガレージビルダーの最初のプロジェクトとしては、エンジンに何らかの作業が必要では無いバイクで始めるのを強くおすすめします。


ではどこまで安いバイクがOKなのか?それを見た時にわかるだろうか?ビルダー達はそれぞれの意見を持っている。

ジャロード・デル・プラド

「バイクがどのように扱われていたか、そして走行距離を見ます。良い買い物になるバイクを見つけるのは難しいし、大事にされてきて走行距離を走っていないバイク見つけるのはさらに難しいですね。」

ライランド

「バッテリーに蓄電する機構がおかしくないか、エンジンのサウンドを確認して、全てのギアでスムーズにシフトチェンジが出来るかを確認します。」

ジャレッド・ジョンソン

「何年も色々なバイクを買ってきて中で、どんなバイクが自分の思い描いているデザインにしっくりくるかわかるようになりました。自分は400cc以上のバイクを購入します。単気筒もしくは2気筒のバイクですね。4気筒バイクには興味がありません。エンジンは別に綺麗でなく、稼働していなくても構いません。エンジンをリビルドすることで全体を見ますからね。通常エンジンがかかればそれでOKですよ。もし値段が高いようであれば、圧縮のチェックをしてスパークが飛ぶことを見て、ホイールを揺すってホイールベアリングの状態を見ます。もしこれらにチェックがつかなければ安く値段を提示します。ただ基本的に1000ドル以上にバイクは買いません。ですから自分が治せる状態のバイクしか買わないんですよ。自分はXS650だとかCB450を良く買います。エンジンの見た目が好きなんですよ。ホンダとヤマハはトライアンフと同じように、こうした美しいエンジンを作ろうと切磋琢磨していましたからね。」

バイクの査定をする

★カスタムビルドをする際に、ベースとなるバイクをいかに探すのか?

ネットで調べるだけでもバイクを手で触って目で見て、そして耳で調べるという方法がある。まずはバイクのクランクケースを素手で触る。もし暖かければ辞めたほうが良い。電装系の問題、様々な問題はバイクの始動数分の中に隠れている。あなたの到着前にエンジンをかけて温めているような売り手は信頼出来ない。

彼は何を語るだろう?燃料を入れるためにちょっとそこまで走ってきた?何て良い奴なんだろう!いや、今すぐに立ち去るべきだ。


もしエンジンが冷えていれば、ここから色々と探っていこう。スプロケット、チェーン、フォーク、可動部分の摩耗やダメージを確認する。もしドナーのパーツ交換が必要であれば、全て自分で行なうにしてもコストが更に掛かることになる。これは消耗したタイヤにも言える。燃料タンクの錆、ホイールのダメージ、こうした物事もそうだ。クランクケースに傷はあるか?ハンドルバーエンドは?フットペグは?ミラーはどうか?こうした傷があるバイクは転倒歴があるという事だ。そしてこうした転倒歴があるバイクは外からは見えない問題を抱えている事が多い。


こうした問題がなければキーを借りよう。

売り手を観察する

こうした特徴とは別に、この元オーナーについても気にする必要がある。

ジャレッド・ジョンソン

最も気にかけるのはオーナーですね。彼が家をどのように手入れしているが、彼の店、彼自身についても確認します。90%の確立でバイクがどのように扱われていたかがわかりますよ。その場でエンジンを開ける事が出来ない場合で、もし売り手の家やショップが悲惨な状態だったり、彼自身が酷い身なりであれば、その売り手からは買いません。本当にいろんなバイクを購入してきました。でもこれは本当に明らかなことなんです。今まで失敗も沢山しましたからね。」

ジャロード・デル・プラド

「もし広告に良い感じの写真が載っていても、売り手の家までバイクを引き上げにいって彼の家自体が酷い状態であったり、オーナー自身が全く身の回りの物を気にかけていないようであれば、そのまま車から降りません。今までの経験の中で、身の回りをきちんとしている人のバイクはきちんとしているというのは間違いないですね。誠実な売り手とペテン師というのはわかるもんですよ。もし彼らの語る言葉に疑いがなくて買おうと思えるなら買うべきだし、それに見合う金額を払えば良いと思います。広告の中で売り手がク◯っ垂れに思えた場合、そいつからバイクは買わないほうが良いでしょう。広告の中に「俺の時間を無駄にしないように」なんてフレーズが入っているような奴は、間違いなくク◯っ垂れですね。」


なお、ロバート・ホークマン・ジュニアはIron & Air magazineのビルダー、編集者、そしてコラムニストでもある。彼は2015年と2016年の年のBike EXIFのカレンダーにキャプションも書いている人物だ。

www.bikeexif.com

octanepress.com