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★MotoGP2016スミス「タイヤの空気圧上昇が転倒の原因かもしれない。」

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ル・マンGPでは決勝レース中にライダー達が次々と転倒し、見ているこちらもヤキモキしながら見ていましたが、分析力に定評のあるスミス選手によるとフロントタイヤの空気圧、ル・マンの路面の補修跡に問題があるのでは?とのことです。

★MotoGP2016スミス「タイヤの空気圧上昇が転倒の原因かもしれない。」

ブラッドリー・スミスはル・マンGPおいてフロントから転倒した8人のライダーのうちの1人だ。2016年の新しいタイヤサプライヤーであるミシュランでフロントからの転倒が多い理由について、テック3のスミスは知的で洞察力のある回答をいつもどおりしてくれた。

ブラッドリー・スミス

「もし原因がわかれば、バイクライダーではなくてタイヤディレクターとしてもう少し高給を貰っていたでしょうね(笑)自分が思うには自分達がライディングしている時というのはレースウィークでも最も暑い時だと思うんですよ。そういう時に良くフロントタイヤに問題が出るわけです。レースを走る中での要求、そして燃料満載という事もありフロントタイヤの温度を(※そして空気圧も)急激に上げてしまうんだと思うんです。タイヤの空気圧センサーが装着されれば調整が可能になると思います。」


ロリス・バズのセパンでの事故を受けて、タイヤプレッシャーセンサーの装着が次回のムジェロラウンドより義務化される。これによってタイヤのグリップを下げる空気圧の上昇が起きているのか否かを判断することが可能となる。もしこれがその通りであればとスミスは続ける。

ブラッドリー・スミス

「恐らく少し低い空気圧でスタートとしたとすると、空気圧が上がっていっても適切なレンジで止まると思うんです。多分現在は適切な空気圧を超えてしまっているという可能性があります。レース中の緊張で皆ブレーキングはどのコーナーでもハードになりますし、いつもどおりのスムースさでは走れません。タイヤの柔軟性が無くなってタイヤがより固くなっていく。これは問題の確信だと思います。ただ全てのデータが手元にあるわけではありませんから、あくまでも仮説に過ぎません。」


スミスの説であれば、多くの転倒がオープニングラップではなくオープニングラップの後に発生したことも説明がつく。以前のブリヂストンのタイヤではタイヤが冷たい事によっての転倒が発生していた。

ブラッドリー・スミス

「これは徐々に変わっていくものだと思います。その中でミシュランタイヤが適切に働く空気圧を超えてしまう事もあって、これは適宜調整出来るようなものでもありません。これは全てのチーム、ライダーなど全体で取り組みべきものです。そしてレースの状況によって適宜レギュレーションを変えていくものでしょう。ムジェロでは(※空気圧センサーの装着が必須となる。)少しこの理由について解明が出来るでしょうね。ただこれはミシュランもしっかりと注視が必要な問題です。というのもレースの後半、ラップタイムが落ちてきた時にこの問題が起きているようですからね。ですからグリップがどんどん高まってきてからグリップが徐々に落ちていく感じですね。そしてリアのグリップが落ちて行く時、フロントをプッシュしないようになるんです。そしてフロントがいつもより固い感触だと(※空気圧の上昇によって)そこでフロントを失うんです。これが自分のセオリーですね。ただこれはあくまで仮設です。確実なデータを見るまでは何とも言えません。」

このフロントタイヤが固くなっていくという表現は、今年転倒しているライダー達のコメントとも重なる。

ユージン・ラバティ

「今日転倒したライダー達は何かおかしな事をしていたようには見えませんでした。膝を路面に擦っている状態でフロントを失っているんじゃなくて、トレイルブレーキング(※コーナリング中のブレーキング)でフロントを失っていたようです。このトラックはコーナーの中にいくつかバンプがあります。昨年はこういったバンプにそれほど影響はされませんでした。今回はまるでトラックがよりパンビーになったような感じでしたね。ただそうではないのは分かっています。ミシュランタイヤの場合はバンプをより感じるとは思いますね。ターン1に向かうバイクが激しく揺れているのがわかるでしょう。ですから全く異なるキャラクターのタイヤだという事で、バンプのせいで全く異なる動き方をしているということです。ただラップタイムは良いんです。そしてポールポジションのタイムは今までよりも速いんです。」


ラバティは11でレースを終えたが、スミスはラップ19に7位走行中のリタイアとなっている。

ブラッドリー・スミス

「本当に残念としか言葉がありません。自分自身にガッカリしました。ただそれよりもチームに対して申し訳ないですね。今シーズンで初めてポジティブな週末だったんです。良い結果が得られると思っていたんです。レースに備えて100%のセッティングではありませんでした。出来る限りのベストを尽くして適応しようとしていたんです。レースの終わりに向かって良い感じになってきたんです。ですからポルに近づけるか、アレイシを抜けるかとプッシュすることにしたんです。そして皆と同じようにターン5でフロントを失いました。前のラップよりも少しだけイン側を走行していたんです。出来るだけコーナリングスピードを高めようとしていたんですが、タイヤのサイドから滑ってしまいました。どうやら他の場所に比べて少しスリッピーな路面になっていたようです。このサーキットに施されている路面の補修跡は少しグリップが低いようですね。良い形で進んでいた週末をこんな形で終えるのはフラストレーションが溜まります。色々と考えると7位で走行していてファクトリースズキに接近しており、毎週トップ5付近を走行しているチームメイトからも遠くなかったんですからね。これを教訓にしてムジェロはもう少し良いバイクを仕上げます。」


By Peter McLaren

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