★MotoGP2016 ロレンゾがDucatiに移籍すべき10の理由

ロレンゾ選手のDucati移籍については来週のヘレスで大々的に発表されると予想されていますが、ロレンゾ選手が移籍をすべき理由をまとめた記事がありましたのでご紹介。ジジとケイシーという強烈な布陣、そしてナンバーワンライダーとして自分のバイクを作れるというのは大きいですね。

MotoGPパドックにおいて”公然の秘密”と言えるものは、現在の世界チャンピオンであるホルヘ・ロレンゾが2017年にDucatiに移籍するということであろう。いくつのメディアは既に両者は契約済みと伝えている。もちろん私自身もロレンゾからもボローニャにあるDucatiからも公式な発表が無いことを知ってこれを書いている。この移籍によってロレンゾが負うリスクは大きい。移籍と残留のどちらがより失敗と言える事態になるかは不明だが、個人的には移籍は良い判断だと考えている。以下にその10の理由を説明しよう。

新しいチャレンジ

ロレンゾがヤマハで成し遂げていない事に何があるだろうか？彼はM1で重要と思われる事をほぼ全て成し遂げている。ポールポジション、最速ラップ、レースでの優勝、そしてもっとも重要であるチャンピオンシップでの優勝。彼はDucatiのポテンシャルを理解しているだろうし、どちらのアンドレアであっても今シーズンに優勝することは無いと思っているだろう。また2010年のケイシー・ストーナー以降初めて、Ducatiを表彰台のトップに導いたライダーとなる栄誉を得たいと考えているだろう。現在最高のレーサーの1人である彼にとって、ほぼ7年間勝利がないメーカーに勝利をもたらすというのは、やりがいのある仕事でもあろう。

ナンバーワンライダー

今年彼はナンバー1のゼッケンプレートを使用出来たわけだが、ヴァレンティーノ・ロッシと同じチームにいる以上常にナンバー2という風に見られがちだ。Ducatiに移籍するということは、彼のチームメイトが誰であれ、間違いなくナンバー1として見られるという事を意味する。ロレンゾはこの状況を実現したいだろうし、その状態で46番を負かす事が出来れば、その勝利はさらに甘いものになるだろう。

莫大な契約金

「Wu-Tang ClanのC.R.E.A.Mは「金が俺の周りじゃ全てさ」という歌い出しで始まる。ロレンゾの場合、Ducatiとの契約金は1500万ユーロ以上と言われている。これだけの契約金であれば、十分を超えているだろう。ロレンゾは今までチャンピオンシップでの勝利よりも契約金を優先するような事は無い選手だが、少しばかりの余分な金が彼のポケットに入ることに関しては特に問題はなかろう。

伝説のライダーへ

メーカーはライダーがリタイアした後に、彼らをヒーローとして奉る。しかしロレンゾの場合、彼がヤマハで何を成し遂げたとしても、全てがロッシの影に覆われてしまう。しかし彼がDucatiで成功出来た場合、彼はケイシー・ストーナーと同様に赤い野獣を手なづけた名ライダーとして評価されることになる。それに何故か私は、彼の写真がDucatiのボローニャ工場に飾られているのを想像してしまう。

彼に赤は似合う

一度噂が広がると、フォトショップ名人が行動を移すのは時間の問題だ。この写真を見て言える事は、シルバーに縁取られた99番は非常に映えるということ。そしてDucatiの赤いジャケットは彼に非常に似合っている。イタリア人というのはファッションを非常に分かっている。Ducatiはロレンゾのファションセンスを改善する事が出来るかもしれない。

ケイシー・ストーナーと仕事が出来る

彼がDucatiに移籍するとしたら、今までに唯一デスモセディチを乗りこなした人物の頭を使わないというのはクレイジーだ。ケイシー・ストーナーをテストライダーとして確保しているという事は、仕事が恐ろしく簡単になることを意味する。2人の世界チャンピオンの頭を使って創りあげられたGP17は、さらに素晴らしいバイクになるだろう。そしてこのバイクはロレンゾがタイトルを獲得するには十分なパフォーマンスを持ったバイクになると考えられる。もしこれが可能 であれば、彼は異なるメーカで世界タイトルを獲得した史上6番目のライダーになる。そのほかに誰がいるかと言うと、ジェフ・デューク、ジャコモ・アゴスティーニ、エディー・ローソン、ヴァレンティーノ・ロッシ、そしてケイシー・ストーナーだ。

ストーナーの奥さんと過ごす時間が出来る

ストーナーのそばにいるということは、彼の妻アドリアーナと過ごすことが出来るということだ。ロレンゾに他人の妻に手を出すことは勧めないが、彼女はロレンゾに紹介出来る女友達の1人くらいはいるだろう。

トップスピード

さて、本題に戻ろう。Ducatiが恐ろしいほどのストレートスピードを持っていることは明らかだ。ヤマハは今までホンダ、Ducatiに比べてスピードが遅いバイクと見られてきた。トップスピードともなると、レーサーは本能的により速いバイクを求めるものだ。であるからして、ロレンゾはDucatiにストレートであっという間に抜かれた時、かなり癪に障ったことだろう。スピードというものは人を酔わせるものであり、これはロレンゾとて例外ではないだろう。

ジジ・ダッリーニャ

ジジ・ダッリーニャはアプリリアをWSBKで栄光に導いた立役者であり、彼がいる事によってDucatiは今やライダーにとって”キャリアキラー”とは見なされなくなった。（ニッキー・ヘイデン、マルコ・メランドリ、カル・クラッチロー、ヴァレンティーノ・ロッシに聞いてみると良い）ジジはDucatiがMotoGPの舞台で復活することに責任を持っており、彼の技術的なノウハウが素晴らしいという事は、間違いなくロレンゾの頭の中にもあるだろう。彼自身の知識とニーズを盛り込んで、ジジと共にバイクを創りあげるというのは、間違いなくロレンゾにとっても興味深いことだろう。

ロッシにも出来なかった事を成し遂げる

ロレンゾはDucatiに移籍した後に勝利出来ても、出来なくても、彼のキャリアを固める事になるという事を理解しているだろう。しかし彼は自身のスキルに強烈な自信を持っているライダーでもあり、レースでいかに勝利するか、そしてチャンピオンシップでいかに優勝するかを理解しているライダーだ。ロッシも成し遂げられなかった事を成し遂げるとすると、これは大きな偉業になる。もし彼がDucatiに移籍しなかったとすると、彼は生涯「もし移籍をしなければどうなっただろうか？」とずっと悩む事になるかもしれない。そしてこれは皮肉にもロッシの自伝に書いてある言葉だ。

By Troy Siahaan