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★MotoGP2016 ケイシー・ストーナー「DucatiデスモセディチGPはさらに伸びる余地がある」

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カタールでは本来レース前にテストを行なうはずだったストーナー選手ですが、Ducatiがレギュレーションの日程計算(※イベントが開催されるサーキットでの14日以内のプライベートテストは行えない。本来はレースウィークの木曜から逆算するところ、Ducatiは日曜から逆算していた。)を間違えていたために、決勝後にプライペートテストを行ったストーナー選手。「ファクトリーライダーよりも速い可能性が高いテストライダーが開発して、それを実戦に投入、アドバイスを与える。」というサイクルが本当に上手く回れば、ヨーロッパラウンドあたりから急激に戦闘力が高まるかもしれません。

★MotoGP2016 ケイシー・ストーナー「DucatiデスモセディチGPはさらに伸びる余地がある」

引退した元MotoGPチャンピオンとしてだけではなく、ケイシーストーナーはカタールの開幕戦における鋭い観察者でもある。彼はその後月曜と火曜にカタールでテストを行ってもいる。Ducatiのブランドアンバサダーでテストライダーでもあるストーナーは新しいミシュランタイヤと統合ECUにおける新しい時代のMotoGPについて彼の意見を語った。

レースではヤマハのホルヘ・ロレンゾがDucatiのアンドレア・ドヴィヅィオーソに2.019秒の差を付けて優勝。ドヴィヅィオーソは最終コーナーでマルケスのアタックを退けており、ヴァレンティーノ・ロッシはトップ集団について走行し、ロレンゾから2.387秒遅れでゴールした。

ケイシー・ストーナー

「結果は予想されたように、誰かが抜きん出たわけでも独走で勝利するというわけでもなく終わりましたね。それでもロレンゾはレース終盤に邪魔がなくなると素晴らしい走りをしましたね。誰もミシュランタイヤの使い方を完璧に理解しているとは言えないでしょうね。ラップタイムを見ると上下は激しくて、1周は平均的なラップで走行しても、次の周には0.6秒速くなったりしていますからね。これはユニークですね。多くの選手がミスをしてワイドなラインで走ったりもしていました。ただミシュランはいかに彼らのタイヤが今後高いパフォーマンスを発揮するかを示したと言えると思います。それに自分の2008年の最高のラップタイムも破られてしまいました。互いに抜きつ抜かれつの展開だった割には速いレースでした。これは凄いですよね。自分が思うに、皆がブリヂストンのタイヤと同じようなパフォーマンスでは走れないという事実に気づき、それを期待することを止める必要があります。」


「数人は”ブリヂストンのようにコーナーに進入出来ない”とか文句を言っているライダーもいました。でもその他の利点もあるんだからそれを使わないと。そのうち彼らはブリヂストンのタイヤがどんなだったかを忘れてミシュランのタイヤに慣れるでしょう。ただ観客として見ているとレースは本当にファンタスティックでしたね。最後には良いバトルもありましたし。ただ、イアンノーネが転倒してしまったのは本当に残念ですね。彼は週末を通じて素晴らしいペースで走行していましたし、彼はレースの最後にかけて優勝を争える可能性がありました。」


イアンノーネはドヴィヅィオーソにリードを奪われ2位を走行中に転倒。しかしロレンゾが9周目にリードを奪って以降はトップグループは接近していたにも関わらず目立ったオーバーテイクは無かった。また、ストーナーはいくつかのライダーはオーバーテイクの際にナーバスになっているという話を受けてこう語った。


ミシュランでは違った形でオーバーテイクする必要があります。コーナー出口でしっかりと体制を整えておいて、次のコーナーの入り口で抜くような感じでしょう。ブレーキで勝負をして抜くような感じではないでしょうね。それだけではなく、このタイヤで転倒しているライダーもいます。彼らは勝ちたいんですよね。そしてここでリードを稼いでおこうと思うんですが、そこで皆ワイドにはらんだりしているわけですよ。彼らは限界がどこかをそうして発見するわけです。レースのペースも速かったと思います。これもしっかりと観察する必要があることで、昨年のヴァレンシアもそうでしたよね。皆レースについては言いたいことを言います。ただ今回のレースは非常にハイペースで、さらにこのトラックは抜くのが非常に難しいトラックでもありますから。誰もラインを外してリスクを冒したいと思うトラックではないんです。」


Ducatiはケイシー・ストーナーが2010年にフィリップアイランドで勝利して以降勝利がない。ストーナーは自身のテストや開発の作業でこの記録を破れるように作業を続けている。


「もう少し状況が異なっていれば、デスモセディチはカタールで勝てるポテンシャルがあると思います。それにまだ改善の余地はありますから。どのメーカーも同じ事を言いますけど、このバイクを知って、共に過ごす時間が長くなってくると、このバイクは間違いなく成長すると言えますよ。これは凄くポジティブなことです。今既に競争力が高くて、さらに伸びる余地が大きいんですからね。とても良いことです。2人のファクトリーライダーが使える何かを見つけること、それをこうしたテストで引き出そうとしているんです。彼らがレースウィークにそのテストに時間を割かなくても済むようにね。彼らはその変更点をバイクに施すだけで、あとはバランス取りくらいで済むようにという事を目指しています。レースでは良いパフォーマンスだったと思います。そのポテンシャルも十分に示したと思います。Ducatiは昨年もここで良い形でスタートしました。ただ今年のバイクのパッケージは昨年よりも良いですから、これは良い事ですよね。」


ストーナーはセパンで2月にGP15をテストした後、カタールで2016年型デスモセディチの走行を初めて行った。30歳の次回の走行の機会は未定だ。なお怪我をしたペトルーチの代役として、テストライダーのミケール・ピッロが第2戦より参戦する。


by Peter McLaren

www.crash.net