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★MotoGPにおける椅子取りゲーム その2

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motomattersのエメットさんによる、2017年シーズンと2018年シーズンにどの選手がどのチームで走ることになるか?という予想記事の続きです。今回の記事はまるまるDucatiに関してということですが、Ducatiの問題はバイクをさらに進化させるために分析が得意で、なおかつ速いライダーがいないということのようです。ドヴィヅィオーソ選手が果たした役割は大きいとは言え、成績が出ていない以上は来季以降の契約更新は確かに難しいかもしれません。

★MotoGPにおける椅子取りゲーム その2

注目が集まるヤマハとホンダのガレージ事情については昨日記事を書いたが、その他のピットでもさらに面白いストーリーがある。ヤマハとホンダのラインナップにはほとんど変化が無いだろうが、その他のMotoGPチームに関しては大きな変化がある可能性がある。多くの注目を集めそうなガレージはDucatiだ。ジジ・ダッリーニャがDucatiコルセのヘッドに就任して、Ducatiデスモセディチはライダーのキャリアを潰すバイクから、チャンピオンシップで勝てるバイクへと進化を遂げた。もしくは昨年我々はそう考えていたように、アンドレア・ドヴィヅィオーソとアンドレア・イアンノーネは8回の表彰台を獲得し、初戦ではドヴィヅィオーソが、ロッシから僅かに0.174秒差という走りで優勝するかに思えた。


GP16もしくはデスモセディチGPと呼ばれるバイクはさらに競争力が高く、昨年からの改良からだけでなく、Magneti Marelliの統一エレクトロニクスからも利益を享受している。昨年GP15のローンチにおいて、ダッリーニャはDucatiの目標は1勝だと述べた。Ducatiはこれを達成出来なかったが、このバイクの総合的な戦闘力の高さはファクトリーライダー自体に問題があるのではないか?という問題を投げかけた。ドヴィヅィオーソもイアンノーネも優れたキャリアの血統の持ち主だ。どちらも何度もグランプリで優勝し、ドヴィヅィオーソはMotoGPでの優勝や125ccの世界選手権んでの優勝も経験もある。しかしどちらもコンスタントな成績を残せていない。どちらのライダーもカタールのように、もしくはイアンノーネのフィリップアイランドのように優勝に近い位置にいながら、それを達成出来ていない。彼らが2016年のチャンピオンシップを戦うにおいて最適なライダーなのだろうか?

エイリアン(異星人)を求めているDucati

「Ducatiの上層部のうち、誰が自問自答しているかは定かではない。しかしストーナーとテストライダー契約を結んだということは、彼らがいかにこのチャンレンジを真剣に考えているかの表れでもある。 フィリップ・モリスとAudiはDucatiレーシングプログラムに多額の資金を投入している。ダッリーニャはDucatiコルセをしっかりと運営が出来る組織に改革したが、今や結果を出す時期だ。 イアンノーネとドヴィヅィオーソに対して疑問符が付いている以上、Ducatiはケイシー・ストーナーがDucatiのバイクを表彰台に輝かせた2010年以降に、初めて同じ事を達成出来る真の意味でのMotoGPのエイリアン(異星人 ※特異な才能を持ったライダーということ)を探しているのだ。ではそれは誰か?昨日の記事でお伝えしたように、ホルヘ・ロレンゾが彼らのトップターゲットだ。ジジ・ダッリーニャはロレンゾとは非常に仲が良いし、彼がアプリリアでレーシング部門のトップだった時に、ロレンゾは250ccのチャンピオンシップで優勝している。


個人間の関係性は非常に重要だが、ロレンゾの心を変えるのにはそれでは十分ではない。多額の契約金は助けにはなるだろうが、それでもまだ十分とは言えないかもしれない。 昨日の記事のようにロレンゾを突き動かすのは野望だ。そしてヤマハに残って伝説のライダーになるという事のほうが、Ducatiでギャンブルをするよりも彼には魅力的に映るだろう。 またロレンゾがDucatiに移籍するとしても、彼は自分のチームを連れて行くことは出来ないかもしれない。ウィルコ・ズィーレンバーグはロレンゾの成功の重要なピースだが、クルーチーフであるラモン・フォルカーダもまたロレンゾにとって重要な人物だ。ズィーレンバーグはヤマハの従業員であるし、ヤマハを去ってDucatiに行くことはないだろう。フォルカーダにしてもロレンゾよりもヤマハとの関係のほうが深いし、ロレンゾとDucatiに移籍するよりは、アレックス・リンスのような若手と働く事を望むだろう。

適任者を探して

「ロレンゾでないとしたら、誰がDucatiのライダーになるのだろうか?Ducatiがマルク・マルケスにアプローチするのは間違いないだろう。しかしスペインのスターはホンダとの関係が非常に深い。 DucatiはHRCとの競り合いでは勝てる可能性がある。ただ、マルケスが断れないほどの額の違いを作れる可能性はそれほどない。 Ducatiにとって交渉の切り札はエミリオ・アルサモラにマルケスの契約金を交渉するということだろう。 マルケスの現在のチームメイトのダニ・ペドロサはDucatiにとってターゲットとなる可能性がある。もしこのベテランのスペイン人ライダーがレプソルホンダを離れてDucatiに加われば、Ducatiにとっては大きな糧となる。 ペドロサは実際、Ducatiが必要とするものを持っている。約束された才能、レースで勝つ能力、バイク開発の為の優れたフィードバック能力など。彼の不利な点は彼自身の体格だ。グリッドの中でも大柄なバイクは、彼にとっては大きすぎるだろう。ペドロサのサイズにバイクを合わせるというのは、Ducatiにとっても面倒なことだろう。

マーヴェリック・ビニャーレス、そしてアレックス・リンスのほうがDucatiにとってはあり得るターゲットだ。この2人は現在のライダー市場において、最もホットな2人だろう。 特にDucatiがビニャーレスに提示出来る金額を考えるとビニャーレスはスズキを去る可能性がある。もちろんビニャーレスはロレンゾやマルケスのように高い金額を要求しないかもしれない。 テストの中で素晴らしい結果を残しているビニャーレスだが、MotoGPでは表彰台は獲得していないものの、4人強力ライダー(※ロレンゾ、ロッシ、マルケス、ペドロサ)に混じって、自身もエイリアン(異星人)のカテゴリーにいるという事を証明している。

新たなシュワンツ?

「スズキで表彰台や優勝を獲得し始めるとすると、ビニャーレスの契約金は変わるかもしれないが、同時にこれはDucatiにとっても問題となる。つまりこれはすでにビニャーレスに注目しているHRCの関心をさらに引き、2つのメーカーの間で、ビニャーレスの競り合いになる可能性が高い。

しかしこれは同時にビニャーレスを、今いるチームにいようとする心理にさせる可能性も高く、スズキへの信頼を強めることになるかもしれない。Ducatiにとって2010年以降勝利したライダーになることが素晴らしい事であるとすれば、スズキで2007年以降初めて勝利したライダーになることがどれだけの栄誉かは想像に難くない。 もしビニャーレスが多くがそう考えているように表彰台を獲得するようになれば、ケヴィン・シュワンツとの比較が始まる事は避けようがない。ビニャーレスのスタイルがエディー・ローソンやウェイン・レイニーに近いとしてもだ。 もちろんビニャーレスが期待されるような期待を残せなければ、Ducatiは今と同じように、勝つためにはバイクかライダーか?と悩むことになる。その場合、彼らはさらに違う可能性を考える必要に迫られる。

Ducatiのジュニアチーム

もしくは、今いるスコット・レディングやダニロ・ペトルーチが、統一ソフトウェアのMagneti Marelliで素晴らしい性能を発揮してるGP15で今シーズンに優れて成績を残すかもしれない。プラマックチームはDucatiにとって若いライダーをファクトリーチームに送り込むジュニアチームとしての動きをしている。これは既にアンドレア・イアンノーネで実証されていることで、イアンノーネはMotoGp最初の2年間をプラマックで過ごし2015年にファクトリーチームに参加した。ペトルーチは10月に26歳になり、ファクトリーライダーの候補としても考えられる。これは年齢のせいもあるが、彼は2015年にはGP14.1で性能としては上のRC213Vを操縦するスコット・レディングよりも良い成績を残している。レディングもファクトリーシートを獲得する可能性は高く、彼はカタールのテストにおいては素晴らしい成績を残した。テストの結果から考えるとレディングはカタールでも表彰台獲得の可能性はある。


もしレディングがあと数日のうちに開催されるレースでも同じ走りを披露出来れば、彼はファクトリーシートの最有力候補となるだろう。彼は現在23歳で、26歳のイアンノーネと強力な関係を築くだろう。しかしDucatiにとってレディングをイアンノーネと共に採用することの危険性は、どちらもバイクの開発力に欠ける事だ。どちらも速いライダーだが才能と勇敢さに頼りがちで、知性と分析に頼るライダーではない。そしてこれこそがDucatiが強みを保つために必要としていることなのだ。ケイシー・ストーナーはレースの世界において、最も鋭敏で頭の切れるライダーだ。彼ならばテストライダーとしてこうした緩みを正せるだろう。しかしレースウィークの中で詳細なフィードバックを提供させるライダーがいることは、バイクの開発においては非常に価値があることだ。

美しさと同様の頭脳

ここにこそDucatiのジレンマが存在する。アンドレア・ドヴィヅィオーソはこれが出来るライダーだ。最も分析が得意なライダーの1人であり、バイクの状態を理解出来るライダーでもあり、Ducatiの現在の成功もドヴィヅィオーソのフィードバックがあってこそのものであったと言える。彼は今シーズンにファクトリーライダーとして多くの価値を持つライダーである。しかし、Ducatiは彼をファクトリーライダーとして据え置く以外の選択肢を取ることも出来る。 Ducatiはケイシー・ストーナーをフルタイムのレーシングライダーとして走るように説得出来るだろうか?しかし彼はメディアに繰り返しレースをする気はないと語っている。怪我、家での生活を考えると、彼にとってはレースの現場に戻る必要性はない。彼は既にトラックに出て自分が最速だと証明する欲望はないだろうし、少なくとも競争力を保つ為に必要なフィジカルトレーニングをするには足りないだろう。彼はDucatiでライダー達を教育し、デスモセディチの開発に貴重なデータを提供するという満足出来る役職を手にいれたわけだ。(※インプットとしているが、実際には聞く事が重要だ。これは彼がホンダでテストライダーをしていた時とは対象的だ。)

シートの予想

Ducatiファクトリー

  • アンドレア・イアンノーネ
  • ダニ・ペドロサもしくはスコット・レディング

プラマックDucati

  • ダニロ・ペトルーチ
  • スコット・レディングもしくはロリス・バズ

    スズキやアプリリア、KTMはどうか?サテライトシートはどのような展開になるのか?明日以降にお届けしようと思う。

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The Monster 2016 MotoGP Silly Season Primer, Part 2: Ducati in Search of an Alien | MotoMatters.com | Kropotkin Thinks

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