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★MotoGPライダー評価2015「1位ロレンゾ/2位ロッシ」

MotoGP2015 ヤマハ

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moto mattersにエメットさんが振り返る今年のライダーの評価という記事があり、まず第一弾としてホルヘ・ロレンゾ選手、ヴァレンティーノ・ロッシ選手についての振り返りがありましたのでご紹介。ライダーのランキングごとに紹介となるようですが、何位の選手まで解説となるのか、超長文なので管理人の気力が持つかどうか。。 

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今年の風も収まり今シーズン、そしてライダー達の評価を振り返るには丁度良い時期になった。今年はMotoGPにとって素晴らしいシーズンだった。ファンはこれまでにないような接戦を見る事が出来た。最終シケインで勝利が決まったアッセン、雨で多くの出来事があったミサノ、素晴らしいバトルが展開されたフィリップアイランドなどいくつかのレースはクラシカルなレースだった。

チャンピオンシップは最終戦にもつれ込み、最終戦に5ポイントの差で決まった。フィリップアイランドでロッシがマルケスとロレンゾの共謀を責め、それに続くセパンでのロッシとマルケスの転倒には多くの論争とスキャンダルがあった。また、セパンで課されたペナルティに対するスポーツ仲裁裁判所への提訴もあった。

 
新しいバイク、新しいファクトリー、復活したDucatiもファンにスリルを提供した。ジジ・ダッリーニャのレーシング部門をスマートに働かせる能力は、Ducatiが今までに作り上げたバイクの中でもGP6もしくはGP7以来に戦闘力の高いデスモセディチGP15とともに報われた。スズキは潜在能力の高いGSX-RRを持ち込んだが、このバイクにはシームレスギヤボックスが装着されておらず、貧弱な馬力でもあった。M1はヤマハがMotoGPに持ち込んだバイクの中でも最高のバイクであり、ホンダのRC213Vは2007年以来となる最悪の出来だった。アプリリアは2015年はチャレンジというよりもデータ取得の年と捉えていたものの、真剣に参戦に取り組み、チューンナップを行った。
 
我々は来たるべきシーズンまで今年シーズンについて長い間語るだろう。
 
さて、今年はどのライダーがどのような結果であったのだろうか?各ライダーのパフォーマンスを10点満点で評価をつけ次のとおりに振り返った。例年のように各ライダーの順番はチャンピオンシップの順番とする。
 

ホルヘ・ロレンゾ/モヴィスターヤマハ

1位:330ポイント/スコア9.5
 
長年多くのエンジニア、ジャーナリスト、専門家、他のライダー(ヴァレンティーノ・ロッシは別として)は「ホルヘが最速だが、ヴァレンティーノのほうが安定している」と何度も同じ事を述べていた。スタティクスがこれを明らかにしており、ホルヘ・ロレンゾは今年の448周のうち274周を1位で走行しており、これは実に61%になる。
 
彼は同様に5回のポールポジション、6回の最速ラップを記録。2位となるのはマルケスだけで、ホルヘ・ロレンゾは純粋に2015年に速かったのだ。ただ、これは驚くべきことではない。辛い2014年の後、ホルヘ・ロレンゾは今年に関しては、恐ろしくシリアスに捉えて挑んでいた。昨シーズンはロレンゾに「シーズン開幕に完璧な状態で無いという事は敗北を意味する」という事を教えた。そしてロレンゾはそれを2度と味わう事はなかった。
 
2014年とは対照的にロレンゾは初回のセパンのテストを素晴しい状態で迎え、今までになくスリムになり、今までになく良いコンディションであった。ヤマハは彼の仕上がり具合を注意深く見守っており、彼のトレーニングプログラムに密着、またチームのボスであるウィルコ・ズィーレンベルグをロレンゾと一緒にスキーに行かせ、彼のコンディションを確認させるためにアンドラに送り込んだりもした。2015年がスタートした時、ロレンゾは準備が出来ていたのだ。
 
ただ残念ながら彼の装備はそうでは無かった。開幕戦カタールで発生したヘルメットのインナーの機能不全によって彼は視界の一部が塞がれた状態でのレースを余儀なくされた。彼はレースの大半をリードしながら4位で完走。これはこの次に来るべき事の前兆だった。
 
オースティンでは気管支炎が彼を襲い、アルゼンチンでは彼はタイヤの選択を間違えた。これにより彼の決勝順位は悪化し、序盤の3戦の後はロレンゾはチームメイトのヴァレンティーノ・ロッシを29ポイント差で追う展開となった。
 
次のラウンドからロレンゾの運は変わり4連勝を成し遂げた。始まりはヘレスで、連勝はバルセロナまで続いた。アッセンの時点でロレンゾは僅か1ポイント差までポイント差を削っていた。しかしアッセンからまた運に見放される。ロッシもロレンゾもそれぞれの幸運を荒れた海の上でやりとりを続けた。運、もう少し正確にはイベントがロレンゾについてまわった。
 
シルバーストーンではさらなるヘルメットの問題がロレンゾを襲った。この時ロレンゾはブレスデフレクターをヘルメット内に装備していなかったことにより、雨のコンデイションの中で彼のヘルメットのバイザーが曇ってしまったのだ。ドライ・ウェット・ドライとなったミサノでのロレンゾは転倒は、スコット・レディングに抜かれた後ピットアウトからスリックタイヤが温まり切る前にプッシュしたことによる事が原因だった。
 
しかしシーズンが終わりへと向かう中で、ロレンゾは自分のレースを取り戻しはじめる。素晴らしいアラゴンでの勝利の後、フィリップアイランドとセパンで素晴らしい2位完走のレースを展開。なおこの2位は想像出来るかぎり最高の走りを披露した2台のDucatiをパスした事も含まれる。そしてロレンゾはロッシに対して7ポイント差、そして3度目のワールドタイトルを目前にする。
 
ロッシのグリッド最後列からスタートはロレンゾのタスクを容易なものとしたが、ロレンゾは自分の仕事をやり遂げた。追いすがるホンダに多くのプレッシャーを与え、パスする事を難しくさせた。ロレンゾは2015年にふさわしいチャンピオンだったと言えるだろう。
 
これは完璧な理由からは程遠い。ロレンゾは2015年に恐ろしいほど多くの事を正しくこなしたが、必要のないミスもあった。過去に多くの問題があったにも関わらずHJCに固執したのは軽率であった。もしヘルメットのライニングが彼に優勝を逃すというコストを支払わせず、もしくはある程度の良い順位で彼が完走出来ていたら2015年のチャンピオンシップの筋書きは全く違うものになっていただろう。ミサノでは彼は自分のレースをする代わりにヴァレンティーノ・ロッシばかりを心配していた。ロレンゾはタイヤのエッジ部分に処理を施されたスタンダードのブリヂストンタイヤでは無敵ながら、気温が低いコンディションでのハイスピードトラックの場合、エッジ処理がされていないタイヤを機能させる事ができず非常に苦しんだ。
 
2016年からの新しいエレクトロニクス、新しいタイヤによって、ロレンゾはMotoGPタイトル防衛の為に多くのチャレンジに直面する。今のところロレンゾはチャンピオンシップにおいて連勝を成し遂げたことは無い。3度のMotoGPチャンピオンの獲得によって彼は特別なクラブに入会することが出来たが、2連続でチャンピオンを獲得することは、GPの神殿における彼の位置を確固たるものとする。
 

ヴァレンティーノ・ロッシ/モヴィスターヤマハ

2位:325ポイント/スコア9.5
 
イギリスのMotoGPコメンテーターのジュリアン・ライダーはヴァレンティーノ・ロッシについて「ヴァレンティーノ・ロッシを見限る事はけしてない」としていたが、これはおそらくクリシェなのだろう。しかしヴァレンティーノ・ロッシは2015年になぜクリシェが存在するのかを示した。
 
36歳にして彼はフィジカルの最盛期を超えており、フロントを走るライダーについて行くことが出来ず、20シーズンに及ぶトップレベルでのレース活動は彼の競争への情熱を鈍らせた。Ducatiでの2年間、そしてヤマハ復帰後の結果は、彼が既に全盛期を過ぎていることを明らかにした。また、彼の残りの人生で必要とする以上の金、そしてモデルのガールフレンド(※なお彼女はバイクに乗る)という環境は彼のモチベーションに火をつけることは無い。VR46レーシングチームはロッシが次なるチャンピオンシップではなくリタイアを見越していることの証明だと言える。
 
世界中の専門家やファンによって語られるこれらのステートメントの中で正しいものがいくつかはあるだろう。ただ彼らは1つの非常に重要な出来事を見逃している。そしてそれはヴァレンティーノ・ロッシをけして見限り事が出来ないものだ。
 
確かに彼は36歳だ。しかし彼は今までにも増してハードにトレーニングをしている。タブリアにある彼の家の裏手に作られた施設のダートトラックであるランチで過ごす時間を増やし、ヤマハのR1をミサノで良くライディングしている。彼はVR46チームの結果に注意を払っているが、彼は自分のシーズンに集中しており、彼自身は直接関わってはいない。金とモデルのガールフレンドは確かに最高だろう。しかし彼の胸のうちで未だに燃え続けている野望の渇きを癒すことは出来ない。ヴァレンティーノ・ロッシは未だにコアなレーサーなのだ。彼の最大の楽しみはバイクに乗って最速の男である事なのだ。2015年のシーズンは彼が未だにこうした事が完璧にできるという事を示した。
 
問題は彼のチームメイトが僅かに彼よりも速かったという事だ。物事がロレンゾの方向に流れ始めるとロッシが彼を止める事は出来ない。彼ができる事と言えば、出来るだけロレンゾに近い位置で完走をするということなのだ。そしてロレンゾの方向に物事が流れない時にその状況を利用することなのだ。これらの戦略によって彼の姿は最後までチャンピオンシップをリードする姿を見ることが出来た。ただ、ロレンゾとロッシのポイントが並んだブルノ以降はそのポイント差は僅かであった。
 
ロッシがどのようにシーズンをこなしたかを見ると彼への批判が間違いであった事がわかる。彼は未だに競争力を保っているし、レースで勝つことも出来、チャンピオンシップで優勝する事も出来る。ヴァレンティーノ・ロッシは史上最高のバイクレーサーであるという評価をまさに固めつつあった。
 
あの瞬間までロッシの走りは素晴らしかった。
 
茂木での走りは素晴らしかったし、ロレンゾへのリードを拡大し、非常に厳しい状況の中にいたペドロサに次いで2位につけた。しかしこの結果を得るのは非常に厳しかったように見えた。ロッシはバイクを降りる時、私が今まで見た全てのレースの中でも一番疲れて見えた。ロレンゾからのコンスタントなプレッシャーは徐々に重荷になっていた。これはロレンゾが今までの彼よりも速いという事を意味し、メディアやグリッドによってこれが繰り返されロッシの神経に触ったのだ。ロレンゾだけに抜かれるのでは無く、マルク・マルケスにも、アンドレア・イアンノーネにも抜かれるという事が最後の一撃となった。
 
セパンにおいてロッシは爆発した。まず彼はプレスカンファレンスでマルク・マルケスに彼がロレンゾを助けて優勝させようとしていると攻撃をしかけた。これはマルケスに態度を改めて、フェアにレースをさせるための彼の賭けだったが、これは驚くほどに馬鹿馬鹿しい賭けだった。
 
マルケスとロッシと働いたことがある人物がこう語ってくれた。「これは避けようがなかった。パドック内の2つの巨大なエゴはいつも激突寸前だったんだ。」ロッシの指摘が神経に触ったのか、ロッシの指摘した事に関してマルケスが完全に無実だったのか、マルケスの反応はロッシが期待したものとは全く正反対であった。
 
2人はセパンのレースで絡み合い、ロッシが冷静さを失うその瞬間まで、ロッシがマルケスをパスし、マルケスもロッシをパスした。ロッシはターン13でスローダウンしマシンを起こしてマルケスを押し出した。ロッシはレースを止め、マルケスにレッスンを施そうとした。2人は衝突しマルケスが転倒、ロッシはペナルティを課され、ヴァレンシアで最後尾スタートとなった。
 
ロレンゾとの差が7ポイントの状況で、ロッシはチャンピオンになる為の助けを必要とする状況となった。彼は2台のレプソルホンダがロレンゾがタイトル獲得のポイントを獲得するのを止めるという助けを必要としていた。
 
マルケスはロレンゾを明らかに限界で追っていたが、チャンスがある時にロレンゾを抜かなかった。彼はインディアナポリスの時のように残り数周の段階まで待ったのだと語る。合理的な戦略として、トラックでマルケスがロレンゾよりも速かったのは一箇所のみで、ロレンゾのほうが最終コーナーで速い事から、マルケスの唯一のチャンスは最終ラップだったと言える。しかし、ダニ・ペドロサが追いつき、マルケスのペースを鈍らせ、彼のアタックを止めた。
 
しかし、ロッシがそこに見たのは共謀以外の何物でもなかった。"biscotto"というのはイタリア語でアイスクリームサンドイッチの事だが、2つのチームが共謀して3位の選手に立ち向かうというスラングでもある。ロッシは再びマルケスを攻撃し、そのプロセスとしてロレンゾのタイトルを誹謗した。「これはMotoGPとスポーツにおいて恥ずべきことだ。」と彼は述べた。もちろんかなりキツイ言葉でだ。
 
2015年シーズンの最初の16戦は、ヴァレンティーノ・ロッシは成功したチャンピオンそのものの振る舞いをした。彼は可能な時にはライオンのように戦い、そうしなければならない時は彼が20年のグランプリパドックで培った策略を用い狐のように振舞った。彼は当然のチャンピオンである以上の存在だと示してみせたのだ。
 
2015年の最後の2戦。ロッシはボロボロになった。彼の他のライダーへの批判に真実が含まれていたかそうでないか。(*1 )オッカムの剃刀は我々は陰謀のセオリーに屈服するのではなく、事実をそのままの価値で受け止めなければならないとしている。
(*1 )「ある事柄を説明するためには、必要以上に多くを仮定するべきでない」とする指針。※wikiより
 
彼が自分の疑惑に基づいて行動した事が彼に2015年のタイトルを失わせた。もし彼がマルケスをセパンのプレスカンファレンスで攻撃していなかったら、セパンでの転倒は起きなかったであろう。
 
もし彼がセパンでマルケスに抜かれた際に猛烈に反応しなければ(マルケスは2周でロッシを9回抜いているが、ロッシも同じ回数抜き返している)彼は冷静さを失う事無くマルケスを転倒させる事もなかっただろう。ロッシはフロントに近い位置でヴァレンシアのレースをスタートする事が出来ただろうし、タイトルをかけてロレンゾと争うことも出来ただろう。セパンとヴァレンシアはロッシの2015年シーズンの汚点だ。しかし、だからといって彼の今年の素晴らしい功績に影を投げかけるものではない。
 
チャンピオンを5ポイント差で逃すというのは痛烈に失望する出来事だろう。しかし彼の年齢でこのポジションにいて、何年もトップに君臨し続けるという事は、いかにロッシが素晴らしいライダーであるかという事の証明でもある。彼はまた2016年に帰ってくる。そしてあなたはけしてロッシを見限ることはないだろう。
by David Emmett