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★MotoGP2015マレーシアGP 決勝プレスカンファレンス全文翻訳

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非常に多くの禍根を残したマレーシア戦となりました。プレスカンファレンスでの話の焦点は当然レースの結果よりも、今回のマルケス選手とロッシ選手の接触に関するものでした。共通した見解としては、ロッシ選手がマルケス選手へ行ったアクションは故意だっただろうという事と、レースディレクションの決定はグレーで選手の人気によって対応を変えているのでは?というもの。後半に質問内容として提示された、「レースディレクションはロッシ選手にブラックフラッグか、ライドスルー・ペナルティを課すべきだったのでは?」という意見は一理あると思います。レースが終わった今としては後の祭りですが。。

ニック・ハリス

「先にお伝えしておくと、ヴァレンティーノ・ロッシは既にサーキットを後にしています。まずはレースの事を伺いましょう。素晴らしいペースでのレースでしたね。」

★MotoGP2015マレーシアGP 決勝プレスカンファレンス全文翻訳

マレーシアGP優勝 ダニ・ペドロサ

「まず妙な形でのプレスカンファレンスですね。。まぁレースの事を話すと、とにかく嬉しい結果となりました。週を通してどのセッションでも良いペースでした。バイクのフィーリングも良くスタート後もフロントでレースを進めることが出来ました。後ろで起きていた問題とは離れてレースが展開出来たことを嬉しく思いますし、この勝利はチームにとっても良い結果となったと思います。今年は非常に厳しい年でしたので、こういった結果を出せていることを嬉しく思います。辛い時に支えてくれた人達のためにも、ウェットコンディションとドライコンディションで1勝を上げることが出来たことを嬉しく思います。」

ニック・ハリス

「後ろで起きていたことですから、コメントのしようもないとは思いますが。。」

ダニ・ペドロサ

「先程ビデオを見たんですが、あれは良くないですね。。チャンピオンシップにとっても良くないですし、誰にとっても良いことはありません。ヴァレンティーノにもマルクにも、ホルヘにも、そして直接関係のない自分にとっても良いことではありません。チャンピオンシップのこの時期にこういう事が起きるのは本当に良くないと思います。自分が思うにあのバトルは序盤からありましたし、プレスカンファレンスから、練習走行からそういった空気はありました。そしてレースで2人が一緒になってバトルが始まりました。バトル自体は問題無かったと思うんです。ヴァレンティーノはホルヘに追いつきたかっただろうし、マルクは表彰台が獲得したかっただろうし。マルケスはけして諦めませんからね。それに彼はオーバーテイクにおけるバイクのコントロールが抜群ですから。」

「最後のあの瞬間に関しては、インサイドにいるライダーに主導権があるんです。イン側のライダーは好きなだけワイドなラインを取って良いですし、アウト側のライダーはそれに従うものなんです。ただ、あの場合はスピードが問題です。非常にスピードが落ちていましたから、マルクはあそこでヴァレンティーノがターンを終了するまで待っていました。ただあのビデオを見る限りでは、その瞬間にヴァレンティーノの足が動いてマルケスが転倒しているんです。もう少し時間をかけて見てみたいと思いますが、なぜあの瞬間なのかはわかりません。今回の事は良いことではありませんし、ガッカリしました。」

 

ニック・ハリス

「ダニ、ありがとうございました。それではホルヘ、まずは素晴らしい2位獲得おめでとうございます。困難なゲームの中でポイントを回復しましたね。ヴァレンシアではまた難しいゲームになりますね。ヴァレンティーノはグリッド最後尾スタートになるようですし。」

★MotoGP2015マレーシアGP 決勝プレスカンファレンス全文翻訳

マレーシアGP2位 ホルへ・ロレンゾ

「レース自体には満足しています。このコンディションの中では最後まで完走する事自体が難しいですから。ダニが特に加速で強い事は分かっていたんですが、信じられないほどに速かったですね。リヤタイヤのスピンが始まってからは非常に彼を追うのが難しくなりました。後半に彼を追えなくなってしまったのはこういった事が原因でしょうね。また他のレースに比べても非常に暑い中での極限状態のレースでしたのでタフなレースでした。完走が難しかたったですし、2位表彰台は嬉しくは無いですね。」

 

ニック・ハリス

「チャンピオンシップについてはいかがでしょうか?まだ7ポイントの差があるとは言え、ヴァレンティーノがグリッド最後尾でスタートとなると、大きなアドバンテージとなりますが。」

ホルヘ・ロレンゾ

「そうですね。その決定を聞いたところなんですが、良い決定だとは思いませんね。ヴァレンティーノはマルケスを押し出したわけで、マルケスは0ポイント。それでヴァレンティーノは16ポイントを獲得するなんてのはね。彼の名声のおかげなんじゃないですか。罰則として0ポイントが妥当だと思いますよ。

 

ニック・ハリス

「ビデオを見ましたか?」

ホルヘ・ロレンゾ

「ええ。1度だけ。」

ニック・ハリス

「ダニの意見に対してセカンドオピニオンとしてはいかがでしょう?」

ホルヘ・ロレンゾ

「にわかには信じがたい出来事です。自分が見たものを信じられません。こんな事は見たことがありませんよ。こういったコーナーのコーナリングの最中にバイクを立ててぶつかるっていうのはね。。ただレースディレクションの決定を尊重するしかないでしょう。ただ、正直言ってそれに関して同意するわけではありません。」

ニック・ハリス

「ホルヘありがとうございました。それでは色々な質問が出る予感がしますが。。フロアからの質問をどうぞ。」

 

Q
「ホルヘ、フェアな罰則というのは何だと思いますか?」
ホルヘ・ロレンゾ
ヴァレンティーノ(※の獲得ポイント)はマルクと同じポイントにすべきでしょう。この接触がなければマルクは3位か4位で完走していたでしょうからね。マルクがリタイヤして0ポイントなのであれば、ヴァレンティーノのポイントも0ポイントであるべきでしょう。ここまで危険ではないアクションをしたライダーがもっと厳しいペナルティを受けている事例があるわけですからね。先程も言ったように、チャンピオンシップにおいて彼の名前が大事なんでしょう。それで彼はチャンピオンシップのポイントにおいては何も罰則を受けないということなんでしょう。彼はヴァレンシアでは最後尾スタートになるようですが、不公平ですよ。レースディレクションの決定は尊重すべきだと思いますし、自分はこの問題には直接関係ありませんが、今回の内容で決定になるとしたら自分はそれに関しては支持はしません。」

 

Q
「ホルヘ、レースディレクションの決定の場を経て、この場にやってきたんでしょうか?」
ホルヘ・ロレンゾ
「いや、ずっとこの場のバックオフィスにいました。」

 

Q
「それと、チームとしてライダーを守るというような事は。。」
ホルへ・ロレンゾ
「わかりません。チームが何をすることが公平だと考えているのか。チームがすべきは公平な罰則を要求することだと思います。ただ、彼らがどう考えているのかはわかりません。」

 

Q
マルケスはヴァレンティーノからフィリップアイランドの出来事で非難を受けており、あなたとヴァレンティーノの邪魔をせずにレースをするつもりだったと語っています。しかし今日はマルケスはヴァレンティーノにアグレッシブなバトルを仕掛けており、ヴァレンティーノがした事は、あまり見たくないような事でした。これらの問題についてどのように見ていますか?」
ダニ・ペドロサ
「思うに、まずヴァレンティーノはあなたのそういった質問に答えるためにもこの場にいるべきでした。ただそれを別にしてもレースはレースです。過去にもこういった事はありましたし、マルクに「もっと落ち着いてレースをしないと駄目だ。」と言ってきました。「MotoGPバイクは大きいバイクなんだからもっと落ち着いてレースをしないと。」って。ただ、ヴァレンティーノも同様の事をずっと言われてきましたよね。ただ、その度に「彼はレースはレースだ。レースではバトルをするものだ。」と語っていました。でも彼は段々と自分がずっと言ってきたような事を言うようになってきたんです。チャンピオンシップの緊張感もあるのかもしれませんが、彼は今まで自分が語ってきたことと逆の立場を取っているんですよ。ですから、これは(※今後への)学びの機会だと思うんです。自分はMotoGPでチャンピオンを獲得したことはありませんし、ヴァレンティーノ、マルク、ホルヘを尊敬していますけどね。」

ホルヘ・ロレンゾ

「質問はなんだっけ?」
Q
「マルクとヴァレンティーノが。。」
ホルヘ・ロレンゾ
「自分は見てないからね。自分は単純に接触の瞬間を見ただけで、他のオーバーテイクは見てないんだよね。」
Q
「15回のオーバーテイクでした。」
ホルヘ・ロレンゾ
「15回のオーバーテイク?ああそう。まぁ後で見ますよ。チームから聞いているのは、「何度もオーバーテイクがあったがクリーンだった。」という事だけです。ただこういったアクションというのは、ヴァレンティーノ・ロッシのような素晴らしいチャンピオンがするのは見たくなかったですね。接触があって、その後完全にバイクを起こして接触して、後ろを振り返り、他のライダーを転倒させる為に足を突き出すなんていうのは。このスポーツではあってはならないことです。」

 

Q
「ヴァレンティーノがグリッド後方からのスタートであればチャンピオンシップにおける優勝の可能性についてはどのように考えていますか?」
ホルヘ・ロレンゾ
「わかりません。レースディレクションの決定は聞きましたが、それに関して自分がこれ以上何か出来るものでもありません。例えば雨であったとしたら、彼はそれほど長いこと後ろには留まっていないでしょう。逆にドライであれば彼にとって難しいレースになるでしょうね。ただ彼にはチャンピオンシップ優勝の可能性は残されています。これは不公平だと思いますよ。チャンピオンシップのこの時期にね。もし自分であれば今年勝ったとしてもチャンピオンシップ優勝という結果を受け取らないでしょうね。ヴァレンティーノはこの先チャンピオンシップで優勝出来ると思いますが、今回はそうあるべきではないと思います。」

 

Q
「今回の問題を受けて、ヴァレンティーノへの尊敬は失われましたか?」
ホルヘ・ロレンゾ
「自分だけではなく、多くの人がスポーツマンとしての彼に対しての尊敬を失ったと思いますよ。彼は素晴らしいライダーだし、歴史的に考えても最高のライダーかもしれません。ただ多くの人が彼に対しての意見を変えることになると思います。彼は過去にもこうした問題を起こしてきましたが、今回のは一番まずいですね。」
ダニ・ペドロサ
「ヴァレンティーノはおそらく、今まで、そしてこの瞬間で考えても恐らく最高のライダーだと思います。彼は素晴らしいキャリアを持っていますし世界中にファンがいます。多くの若いライダーが彼を参考にしているんです。多くの人が彼を尊敬しているんです。ですからもし間違いを犯したのだとしたら、正しい行いをする必要があるんです。そういう意味でも彼はこの場にいるべきでした。彼の行動を多くの人が見ているわけですし。自分たちはこの場でその対応と正しい行いをする必要があります。」

 

Q
「ヴァレンティーノは自分の立場を明らかにすべきだと?ホルヘあなたにもお伺いしたいと思います。(※そんな意味かと。。)
ダニ・ペドロサ
「ヴァレンティーノに対して質問があるんだよね?」
ホルヘ・ロレンゾ
「関係ないですよ。君らはヴァレンシアで彼と話す機会があるんだから、そこで聞きなよ。そこで彼が説明するでしょう。大事なのはトラック上で何が起きたのかだけですよ。」

 

Q
「レースの話に戻りますが、2台のDucatiと戦って、ヴァレンティーノともバトルがありましたが、ターン1でバズのクラッシュでイエローフラッグが振られていましたが、オーバーテイクイエローフラッグの中で行われていたのでは?という話があるんですが。」
ホルヘ・ロレンゾ
「誰かがターン1で転倒したってこと?」
Q
「ええ。バズだったと思います。その中であなたがオーバーテイクしたように思えたんですが。」
ホルヘ・ロレンゾ
「わかりません。見返して見ないことにはわかりません。ヴァレの問題のほうが重要でしょう。これは君にとってそんなに重要なことなの?」
Q
「ええと。。(※何かしらモゴモゴと喋る)
ホルヘ・ロレンゾ
「君にとってそんなに重要なのであれば、おめでとう。でも今集中すべきは違う問題でしょう。」
Q
「メインの話題ではありませんが、レースに関する話題です。」
ホルヘ・ロレンゾ
「内容を見てディレクションが決定するでしょう。個人的にはこれは今話し合う内容ではないね。」

(※管理人注 これはその後特に何も話題として上がって来ませんね。)

 

Q
「ホルヘ、なぜセレモニーの最中に離席したんでしょうか?」
ホルヘ・ロレンゾ
「疲れていたからね。パルクフェルメでこういった出来事もあったし、順位も悪かったし目も霞んでいたので、水を飲んで休みたかったんだよ。」

Q
「ヴァレンティーノとマルケスに関係があるとか?」
ホルヘ・ロレンゾ
「いや。この極限の状態がね。ダニに食らいつこうとしていたし、体調が悪かったんだよ。」

 

Q
「マルクを抜いた時はどのような感じだったのでしょうか?」
ホルヘ・ロレンゾ
「彼はブレーキングでミスをしたので、ラインが空いたんです。そこで抜いたんです。」

 

Q
「マルクとの関係についてはどう考えていますか?」
ホルヘ・ロレンゾ
「その質問の意図は何? まぁ、よくわからないけど、尊敬してますよ。彼はMotoGPでも最高の選手だと思いますよ。それだけです。」

 

Q
「今回の出来事は今後ヴァレンティーノへの接し方を変えさせるきっかけになりますか?」
ホルヘ・ロレンゾ
「いや。彼は自分には何もしていませんからね。ただレースディレクションの考えは支持しないというだけです。自分は2005年に同じような事をして自分も転倒しそうになりました。それで0ポイントという罰則を食らっているんでね。ディレクションは自分に1レース分の罰則を与えたんです。ですからディレクションの決定はその時々によって異なるということなんでしょう。

 

Q
「ホルヘ、素晴らしいレース。そして2位獲得おめでとうございました。私が思うにレースディレクションはミスをしたと思うんです。残り3周の段階で、我々はレースディレクションの決定にすべて集中していました。ディレクションが取るべきだったのは、1つはブラックフラッグ。(※該当のライダーは次の周にピットイン、レースは失格)2つ目はライドスルー・ペナルティだったと思います。こういった処置が取られていれば、誰も3ポイントのペナルティだとかそういった事は話さなかたっと思います。あなた達はライダーですから、私の意見が間違っていると思うかもしれませんが。」
ホルヘ・ロレンゾ
「その意見には賛成だね。」
ダニ・ペドロサ
「少し話してもいいかな?今回の事に関しては、個人的には過去にもあった出来事だと思うんです。自分もディレクションと話す機会が何度もありました。もちろんMotoGPだけではなく、Moto3やMoto2の事例もね。それはルールはブックはグレーだということです。ルールブックの中には多くのグレーな部分があるんです。ですから、こういった出来事が起きた時に、どうやって判断すべきかわからないんです。過去にそういったアクションがあった時は、誰が正しくて誰が間違っているかが明確だったんです。悪いことと良いことがあっても、ルールが明確であればそれに従えば良いんです。ただ自分たちのルールブックは非常にグレーなんです。特にMoto3やMoto2では非常に馬鹿馬鹿しい事をしていますよね。レースが終わっているのにぶつけあったりとか。彼らが若いウチは罰則が適用されずにいますし。もちろん彼らが大きなクラスにステップアップしてくれば、こういった問題はどんどんと修復が難しくなります。ですから、個人的にはルールブックの中で何が正しくて何が間違っているのかを、もっと明確にすべきだと思うんです。」

Q
「ありがとうダニ。ただライドスルーというのは良くある話だと思うんです。こういった形であれば非常にクリアだと思うんです。ブラックフラッグもしくはライドスルーであれば非常にクリアだと思うんです。ルールブックを作らずに決定を下すだけですよ。」
ダニ・ペドロサ
「ルールブックの中では、こういったアクションをした場合はこういったペナルティという記載はないと思うんですよ。ルールブックはそういう言い方はしていないんですよ。もちろんそういう風になっていれば明確だと思いますよ。」
ホルヘ・ロレンゾ
「Moto3の選手が3mくらい離れた地点で足で何かやろうものなら、今日のヴァレンティーノよりも重い罰則が課されるでしょう。」

Q
「確かにその通りですね。」
ホルヘ・ロレンゾ
自分はあなたの意見に賛成ですね。ライドスルーかブラックフラッグか何かしらが必要でした。自分はリスクを冒して今日のレースをしていて、ボードでヴァレンティーノが後ろにいることもわかっていましたし、攻めすぎて転倒していたかもしれないんですから。チャンピオンシップのチャンスを今日失っていた可能性もあるんです。」

 

Q
国際競技連盟が存在していると思いますか?というのもルールブックを作るには競技連盟が必要なんですが。」
ホルヘ・ロレンゾ
「ええと競技連盟だっけ?この競技を公正なものにするためにも、連盟はこういった事に関して明確にすべきだと思いますよ。」
ダニ・ペドロサ
「政治的なかけひきは良くわからないから何とも言えませんが、多くの点でルールブックを良くしていく必要があるってことでしょう。」

 

ニック・ハリス
「最後の質問です。」
Q
「ルールブックのこのグレーな部分は故意にそのまま放置されているのだと思いますか?」
ホルヘ・ロレンゾ
「いや。そうではないでしょう。ヴァレンティーノ以外のライダーが、今日ヴァレンティーノがやったような事をしたら、もっと厳しい罰則を受けたでしょう。ライドスルーやブラックフラッグよりも厳しい処罰をね。今回の内容に関しては失望しました。本当に失望しました。

ニック・ハリス
「ダニ、ホルヘ、今日はありがとうございました。」