気になるバイクニュース。

世界のバイクニュース、MotoGP最新情報、各メーカーの新車情報などを紹介しているブログメディアです。

★ブレーキングスタビリティについて その1

Sponsored Link

ブレーキングスタビリティについての面白い記事がありました。近年の4ストロークバイクには市販車でもスリッパークラッチがついているのが当たり前になってきましたし、オートブリッパーが付いている車両も出てきました。この記事では4サイクルエンジンとエンジンブレーキについて色々な角度で考察しています。

★ブレーキングスタビリティについて その1

40年前、ライダーがスリックタイヤのトラクションとディスクブレーキの強烈な減速トルクに慣れていく中で、ブレーキングスタビリティとはリヤタイヤにかかる荷重が減る状態で、いかにフロントホイールの後ろに車体を留めるか?ということだった。ブレーキングの最中にバイクをフロントホイールの線上に留めておく事に失敗したライダーは、例外なくリヤが暴れまわるという強烈なオツリを食らうことになる。

 

25年かそれ以上前にワールドスーパーバイクという初めての軽量4ストロークバイクによって新しい問題が登場した。エンジンブレーキである。エンジンブレーキは本質的には2ストロークには存在しないものだ。ブレーキングの最中に荷重はフロントホイールに伝達され、リヤタイヤのグリップは弱まる。

 大排気量の4ストロークエンジンというのは、メカニカルフリクションとポンピングロスの塊であると言える。結果として荷重が抜けたリヤタイヤはスライドしたり飛び跳ねたりし、コーナーエントリーを難しいものとする。

 

アメリカの初期の1025スーパーバイクの時代にはライダーはアイドリング回転数を2,000回転以上にしたり、Tom Kipp Jrなどの一部のライダーは、減速中にクラッチを切りコーナーに進入し、加速時に再びクラッチを繋ぐという芸当をやっていた。

★ブレーキングスタビリティについて その1

ホンダが楕円ピストンを搭載した4ストロークのNR500で出した回答は、バックトルクリミッタークラッチを搭載することであった。これは加速中には100%のトルクを伝達しながらも、ブレーキングの最中はリヤタイヤからエンジン(ドライブシャフト)へのトルク伝達を軽減するというものだった。バックトルクはシムによってコントロールされるが、似たようなスリッパークラッチのシステムはプロダクションレーサーの1000cc FWS(※HONDA RS1000RW)にも搭載されていた。1990年台初頭にはスリッパークラッチ750ccスーパーバイクに参戦するメーカーに伝播していった。

 

スリッパークラッチはリヤタイヤの引きずりやホッピングのコントロールを助けるが、新しい解決策というのは常に新しい問題を引き起こすものでもある。バックトルクリミッター、スリッパークラッチの問題とは、スリップ機構による発熱だ。いくつかのケースではクラッチを湿式に戻しエンジンオイルの冷却機能でクラッチを冷却するという手法が取られた。

★ブレーキングスタビリティについて その1

クラッチのスリップ機構は進化していったが、2003年にアプリリアが3気筒のMotoGPレーサーCubeで発見したのは、クラッチのトルクセッティングは、あるコーナーでは最適であっても、あるコーナーではそうではないということだった。例えば3速で進入するコーナーでは最適であっても、2速で進入するコーナーではそうではないというような事だ。これはつまりギヤチェンジの度にリヤホイールとカンターシャフトとのギヤ比が異なってしまうことが原因であり、個別の解決策が重なる事によって、新たに厄介な問題が発生してしまうことでもあった。(続く。。)
By Kevin Cameron

motomoto.hatenablog.com

www.cycleworld.com