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★MotoGP2015ブルノGP 決勝後プレスカンファレンス翻訳

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ロレンゾ選手の圧倒的な走りが目についたブルノGPでした。ロレンゾ選手は相変わらず皮肉の効いたジョークが冴えていますが、2年半ぶりのチャンピオンシップでのリードを獲得し、最高の日だと語っています。マルケス選手はコメントの端々に2016年シーズンを見越して今年の残りシーズンを使うようなコメントが見え隠れしますね。

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ニック・ハリス
「すべて思惑通りのレースといった展開でしたね。良いスタートで1コーナーでリードを築いてそのままリードを広げましたね。」
ホルヘ・ロレンゾ
「金曜から良いセッティングで非常に良いライディングが出来ました。練習走行から良い位置で走行出来、ステップバイステップでどんどん良くなっていきました。その先での予選結果でしたが、通常ポールを獲得した場合の決勝は良い結果になることが多いですね。良いスタートでしたね。今日は前後ともミディアムタイヤでしたので、練習走行ではペースを維持するのが難しい組み合わせでした。」

「フルタンクでの走行で、Moto2の後でトラックは少し滑りやすかったですよね。もう少し速く走れる予定でしたがタンクの容量が少なくなるに連れて、より深くまでブレーキングで突っ込めるようになり、コーナリングスピードも速くなりました。これがレースにおけるカギで、0.1秒ほど速く走ることが出来ました。マルケスはその頃はタイヤが滑り始めてペースが落ちていたと思います。ピットボードでマルケスとの差が1秒になった時は嬉しかったですね。その後もミスも少なく良いペースでリードを広げることが出来ました。」

 

ニック・ハリス
「チャンピオンシップではヴァレンティーノと並びましたね。」
ホルヘ・ロレンゾ
「勝利は重要ですよね。レース前からわかっていたのでプレッシャーはありました。マルケスが追いつくためにリスクを冒してくるだろうなと思っていたんですが、幸運にも彼は追ってこれませんでしたね。勿論今日の勝利も嬉しいですけど、今日のレースでマルケスが追ってこれなかったということ、彼のチャンピオンシップ優勝の可能性が少し減ったことが良かったですね。もちろん彼はこの後も優勝を狙ってくるでしょうから注意が必要です。ヴァレンティーノに関してはここから完全に2人のチャンピオンシップが始まったと言えますから、最後のレースまでどうなるかというところですね。」

 

ニック・ハリス
「同じポイントを背負ってこれからのラウンドに挑むわけですが、シルバーストーン(イギリスGP)は好きなトラックですか?」
ホルヘ・ロレンゾ
「今日は雨が降る可能性もありましたが晴れでラッキーでした。しかしイギリスは雨も多い国ですし、いくつかの練習走行、もしかしたら決勝レースもレインになる可能性があります。コンディションには注意が必要ですね。もしドライであればヤマハ、そして自分のライディングに合ったトラックです。ヴァレンティーノとこうしてチャンピオンシップをリードしているのは本当に嬉しいですね。およそ2年半ぶりですからね。今日は最高の日ですよ。」

 

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ニック・ハリス
「インディのような展開もあるかと思いましたが、残念でしたね。」
マルク・マルケス
「今日はホルヘが一歩先、ウォームアップでは二歩先でしたね。レースでは1周目でリスクを冒して攻めました。8周くらいまではホルヘを追うことが出来たんですが、リヤタイヤのグリップが落ちてからはコーナーエントリーで問題が出てしまいました。その後はヴァレンティーノとの距離をコントロールする方向に切り替えて走りました。最初はかなりリスクを冒して走りましたが、中盤になるにつれてリスクを冒しすぎだなと感じました。ブルノは自分たちが苦しんでいるサーキットであるので、2位フィニッシュは嬉しいですね。」

 

ニック・ハリス
「タイヤの選択が3人とも異なりましたが?」
マルク・マルケス
「リヤにはハードを履きましたが、ホンダにソフトタイヤは無理でしたね。10周は良いですけど、その後はグリップが落ちてしまって動きが大きすぎるんです。前後のコンパウンドは異なりましたけど、最終的には皆前後グリップは似たような感じになりました。」

 

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ニック・ハリス
「ヴァレンティーノ またしても表彰台獲得ですね。とはいえフロントロースタートからにしてはガッカリな結果でしたね。あのようなスタートをするつもりではなかったのでは?」
ヴァレンティーノ・ロッシ
「もう少し良いレースを想像していました。ホルヘに勝つのは難しいとは思っていましたが、ホルヘにくっついて、マルクとバトルが出来ると思っていました。スタートも良くなくタイムを失ってしまいました。ただ、スタートの失敗よりも良いリズムが無かったのが大きかったと思います。何故か昨日のようなペースで走行することが出来ませんでした。フロントロースタートだったのでもっと近い位置で戦えると思っていたんですよね。近い位置ならバトルも出来ますし、どうやったら速く走れるのかも理解出来ますからね。」

 

ニック・ハリス
「チャンピオンシップでは完全に同一ポイントでシルバーストーンを迎えます。」
ヴァレンティーノ・ロッシ
「11レースを消化した段階で同じポイントというのは面白いですよね。良い戦いをしていると思いますね。ホルヘは夏休み明けで実に素晴らしいレースをしています。勿論インディでもマルケスと素晴らしいバトルをしていましたが、最終戦ヴァレンシアまで彼と戦うためには常に強い走りをしないといけませんね。」
ニック・ハリス
「ヴァレンティーノありがとう。それではフロアからの質問をどうぞ」

 

Q
「2013年のカタール以来チャンピオンシップでのリードはない訳ですが、これはどのくらい重要なことですか?またヴァレンティーノがこのリードを失うということの意味はどのようなものでしょうか?」
ホルヘ・ロレンゾ
「以前にも言ったように今日のレースはとても大事な一戦だったんです。過去2戦において多くのポイントを獲得してきました。ただ今年のヴァレの凄いところは驚くべき安定性なんです。つまりこれからの戦いの中でも表彰台に立てなければ、彼と戦うのは厳しいということなんです。ですから最終戦ヴァレンシアまでの目標としては、勝てるところでは勝ち、勝てないところでは確実に表彰台に乗るということなんです。こうしなければチャンピオンシップを戦うのは難しいでしょう。」

 

Q
「昨日のようなペースが維持出来なかったと語っていましたが、昨日から何か変えたのでしょうか?それとも何か別の問題が?」
ヴァレンティーノ・ロッシ
「正直ほとんど変えていません。昨日の午後に良いセッティングが見つかって、タイヤもハードが良いフィーリングだったのでハードを使用しました。そこからほとんど変更していませんので、問題を理解すべくデータを確認する必要があります。というのもレースの前半では0.3秒から0.4秒ほど速いタイムで走行出来ると思っていたんです。」

 

Q
「最終ラップではカレル・エイブラハムを周回遅れにするところでしたが。。」
ホルヘ・ロレンゾ
「今日は彼の勝ちだよね。僕より前でフィニッシュしたわけだし(笑)まぁ今日は彼は最後にスローダウンしないで欲しいと願っていましたよ。彼を抜こうとしてミスをしたり転倒したりというのは嫌でしたから、「頼むからカレル、スローダウンしないでくれ」と願っていました。幸いにも彼はペースも落とさずラインも変えずに走ってくれたので良かったですね。」

 

Q
「マルク、スタートを改善するには何をしたら良いと思いますか?」
マルク・マルケス
「わかりません。もし方法がわかっていればやっていますからね。ただここに来る前から後半戦で一番きついのはここだとわかっていました。FP1ではホルヘから平均して0.8秒〜1秒近く遅かったですから。そこからタイムを詰めていくことは出来ましたが、レースでは彼には敵いませんでした。ただ今後も自分もチームも優勝出来るよう頑張り続けます。」

 

Q

「あ、そういうことではなくて、ローンチ。レースのスタートのことです。というのもホンダのほうがパワーがあるのに、いつもホルヘが1コーナーに最初に飛び込んでいきますので。」
マルク・マルケス
「スタートではいつも加速でタイムを失っていると思います。1速でのスタートは良いのですが、その後シフトアップをするとウイリーが多いんです。これはかなり大きな問題なんです。ウイリーが多いと体力的にも疲れますし、これは来シーズンに向けての課題ですね。今年はこのままでしょうね。」

 

Q
「金曜から土曜にかけて1秒も速くなっていますが、何が大きな違いでしょうか?」
ヴァレンティーノ・ロッシ
「金曜は方向性を理解すべく色々と変更を加えていたんです。で土曜の朝にそれを全てまとめたんです。あと土曜の違いは予選だということですね。ソフトタイヤを使用して、10位以内に入るという気持ちで走っていますから。金曜はむしろリズムを確認するということで大きく異なります。これがラップタイムの大きな差でしょうね。」

 

Q
「残り7戦でチャンピオンシップのポイントは並んでいる状態ですが、互いに相手に勝つにあたってのライダーとしての強みとなるのは何でしょうか?」
ホルヘ・ロレンゾ
「自分たちのライディングは似ていますよね。スムーズだしコーナリングスピードも速い。コンスタントに走行出来るし、ミスも少ない。ライディングに関しては非常に似ています。彼のほうがブレーキングが強力で異なったセッティングになっていますね。より深くまでブレーキング突っ込めますから、バトルになった時に強いですよね。自分は調子が良い時であればより速いコーナリングスピードを発揮出来ますし、非常にコンスタントに走行することが出来ます。トラックによっても違ってくるんじゃないですか。」
ヴァレンティーノ・ロッシ
「残り7戦でまだ先は長いですが、違いはスピードですかね。つまり決勝のスピードですね。ホルヘはどのようなコンディションでも速いですから、自分はこの部分を改善しないとまずいでしょうね。」

 

Q
「ヴァレンティーノに対してポイントを稼ぎましたが、ホルヘには差を開けられてしまいました。この状況をどう見ますか?」
マルク・マルケス
「2人とも遠いですね。1人のライダーに対して52ポイントを詰めるというのは難しいですよ。それが2人ともなるとなおさらです。2人とも良いペースを持っていますしとても厳しいですね。ただレースごとに自分達の弱点を理解して来年に活かしたいです。ブルノは最初からホンダにとっても自分のスタイルにとっても厳しいとはわかっていました。ただ、この先に自分たちにとって良い状況になるレースが来ると考えています。」

 

Q
「これからの戦いの中で、あなたにとっての得意なサーキット、ホルヘが得意なサーキットというのはどこになるんでしょうか?」
ヴァレンティーノ・ロッシ
「難しいですね。毎年違いますから。データ上ではホルヘはどのトラックでも自分より速いんですよね。いくつかのトラックではほぼ同じくらいのところもありますけどね。ただこういう方向で考えるのではなく、一戦ごとにどうしたら速く走れるか、今からで言えばシルバーストーンでどのようにしたら速く走れるか?どのように調子を上げていけるか?ということが重要です。あらゆる可能性を考えて、あらゆるコンディションでね。暑い時、いや間違えた。寒い時、雨の時など、長いサーキットですから。その後の事はその後に考えるという具合ですね。」

 

Q
「似た質問ですが、この際の戦いの中で心配しているトラックはどこになりますか?」
ホルヘ・ロレンゾ
「自分の場合はミサノですかね。ヴァレはここでしょっちゅう走っていますから、トラック上の小さな石ころの位置さえ覚えてるんじゃないでしょうか(笑)」
ヴァレンティーノ・ロッシ
「う~んわからないけど、シルバーストーンかな。過去はいつも苦戦しているからね。自分も昨年は良かったけど、ホルヘは初めて走った時から速かったからね。

ニック・ハリス
「皆さんありがとうございました。シルバーストーンでお会いしましょう。」