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★ホルヘ・ロレンゾ「ヴァレンティーノは友人ではないが、尊敬しあっている存在」

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Cycle Worldにロレンゾ選手の単独インタビューがありましたのでご紹介します。今までのロッシ選手との関係性、マルケス選手登場による変化などなど興味深い内容が盛りだくさんです。

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ホルヘ・ロレンゾの野望は3度目のワールドチャンピオンになること。そしてMotoGPの歴史の中で最強と言われた3人のライダー(ヴァレンティーノ・ロッシ、ケイシー・ストーナー、マルク・マルケス)を負かした存在として名を残すことだ。2015年シーズンの中盤において、タイトル獲得を争っているのはロッシ、ロレンゾのヤマハ2人だ。

Cycle World(以下CW)

「自分を表す言葉というのは?」
ホルヘ・ロレンゾ
「好奇心、完璧主義者、継続性。自分はディーゼルみたいなもので、レースの最後で最高の力を発揮するんです。マラソンで言えば最後の1時間ですね。」(※管理人注 ロレンゾ選手がディーゼルと表現しているものがエンジン型式の事なのか、なんなのかイマイチ不明です。燃費が良いとか効率が良いとかを表現しているんでしょうか。)

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CW
「バイクについてはいかがでしょう?」
ホルヘ・ロレンゾ
「正確、スムーズ、素晴らしいシャーシ、スムーズなエンジン、競争力が高い。過去7年間を見ればわかりますね。」

 

CW
「今までで一番強い自分というものを感じますか?」
ホルヘ・ロレンゾ
「昨年の自分はドイツGPからヴァレンシアGPまで最も多くのポイントを稼いだライダーでした。今年の自分とヤマハの組み合わせは去年よりも遥かに良いですね。4戦連勝出来るくらい素晴らしいバイクですからね。自分自身のレースに対する準備は去年と同じですが、もっとテクニカルな準備をしていますかね。今年はヴァレンティーノと合わせて8戦中7勝という結果を残しています。シーズン序盤は自分の本来の実力を発揮出来ませんでした。カタールではヘルメット問題、テキサスでは風邪で、アルゼンチンではタイヤの選択を誤りました。ただ、それらを踏まえてテクニカルパッケージは向上しましたね。」

 

CW
「ヤマハのほうがホンダよりも良いバイクですか?」
ホルヘ・ロレンゾ
「自分は他のバイクを試したことは無いから何とも言えません。全体像で考える必要があります。カタールではマルケスが1コーナーで大きくはらみました。彼は本来ならレースに勝てていたかもしれないのに。彼はテキサスで勝利して、アルゼンチンでは最終周で転倒するまではトップを走っていました。ヘレスでは2位、ル・マンでは苦戦していましたが、ポールポジションを獲得しています。ムジェロでは彼は13位スタートだったにも関わらず、一気に2位まで上がってその後転倒しました。カタルーニャでは彼は自分の後ろで転倒しましたね。パドック内の噂のように彼のバイクが良くなかったとしたら、こうした結果は残せないでしょう。問題は彼が3回も転倒していて、そのことでタイトル争いから脱落したことです。」

 

CW
「ヤマハの強みとはなんでしょうか?」
ホルヘ・ロレンゾ
「昨年はブレーキングポイントで多くのタイムを失っていました。1周だけで考えるなら、加速力やコーナリングスピードでホンダに対して0.1秒〜0.2秒のリードを稼げるんです。ただブレーキングでホンダに0.2秒〜0.3秒負けていたんです。ですから、それを合計するとホンダより遅かった。コーナーエントリーの部分は改善しながらも、コーナリングスピードと加速力は良い状態のままバランスさせることが出来たんです。今ではコーナリングスピードで0.1秒〜0.2秒速く、ブレーキングで0.05秒失っているという状態です。ですので、まだブレーキングでは負けていると思いますね。70%くらいは改善出来たと思っていますが、ストレートスピードも5km/hくらい負けているんですよ。もしホンダと同条件で戦うとしたらこれは不利なポイントですね。」

 

CW
「ヴァレンティーノの強さとは何だと思いますか?」
ホルヘ・ロレンゾ
「彼はサンデーライダー(※決勝で強いということ)なんですよね。彼は1周だけの予選よりも決勝のほうが速いんですよ。素晴らしいファイターですし、経験も豊富です。またミスもほとんどしませんね。自分とはコンスタントであるという点では非常に良く似ていますね。自分のほうがおそらく決勝の序盤は速く、予選でも良いタイムが出せる傾向にはあります。」

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CW
「この何年間かでヴァレンティーノとの関係性は変化しましたか?」
ホルヘ・ロレンゾ
「自分たちはチャンピオン同士ですので、互いに強烈なパーソナリティがあります。共に勝ちたいと願っているし、互いに相手を負かしたいと思っています。自分が2008年にヤマハに移籍した時、ヴァレンティーノはキングでした。ガレージでもパドックでもね。彼はその地位や自分のテリトリーを守ろうとしましたが、当然それは周りに良い空気は生みませんでした。まぁ知ってのとおりね。3年後彼はDucatiに移籍し、自分が2度の世界タイトルを獲得しました。彼が2013年にヤマハに戻ってきた時には状況は変わっていました。彼とは友達だとは言えませんが、お互いに尊敬しあっています。パドックにおいてフレンドシップはありません。自分たちはタイトル獲得の為に戦っているわけだし、ヤマハは勝つためにここにいるんですからね。」

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CW
「マルク・マルケスがMotoGPに昇格してきてから、ヴァレンティーノとの関係性はさらに良くなりましたか?」
ホルヘ・ロレンゾ
「ある意味ではそうでしょうね。2013年は自分達はマルケスを負かす為に、共にM1の戦闘力を上げようと努力していました。自分とヴァレンティーノは似たライディングスタイルを持つ、非常に正確な走りをするライダーです。ですから、同じ問題にも突き当たるわけです。これがバイクの戦闘力を上げるのに役立ちましたね。今年に関しては2人共にタイトル獲得のチャンスがあるだけに状況はまた少し違いますね。でもマルケスが再び強敵になって戻ってくることを忘れてはいけません。」

 

CW
「あなたはヴァレンティーノと同じバイクに乗って彼に勝った唯一のライダーですよね。」
ホルヘ・ロレンゾ
「トラックの外では2人共に全く違うパーソナリティを持っています。ヴァレンティーノは多くのファンがいてパドックの中ではキングです。でも自分は彼がいるからこそパドックの外でも自分のパーソナリティは変えないんです。トラックの中では自分のほうが若さというアドバンテージがあるんですよ。彼よりも8歳若いですからね!自分がヤマハに移籍した時はまだ20歳でした。自分がヴァレンティーノのレベルに到達するには8年あるんだということもわかっています。」

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「彼にはプレッシャーだったと思いますよ。デビュー戦でポールポジションを獲得して、3戦目で優勝しましたからね。結果は周りの期待よりも早めに訪れました。これは自分に多くの自信をもたらしてくれました。もしかすると自信過剰になっていたかもしれません。特にデビューした年はミシュランタイヤの気難しさもあって転倒が多かったですね。自分の若さもありましたけどヴァレンティーノを負かすことが出来ていたら今のようになっていたでしょうし、彼を負かせなかったとしたら何も起きなかったでしょうね。思い返すと、彼と比較して自分には時間があったということですよね。それを除いても、常にスロットルを開けて前に前にと思っていました。」

 

CW
「1人の男性としてどのように変化しましたか?」
ホルヘ・ロレンゾ
「人生における経験は常に人間を変化させます。人間としてより素晴らしい存在になっていくというかね。自分はより物静かになりました。若い頃はすぐに爆発していましたけど、今はこうしているほうが好きなんですよ。」

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