★ミシュランタイヤテストatムジェロ フロントからの転倒者が続出
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シーズンも進んでくる中でミシュランタイヤの開発も順調に進んでいるかと思いきや、前回と同様の前後タイヤのグリップバランスが原因で転倒者続出となったミシュランタイヤテスト。リヤタイヤのグリップは非常に高いようですが、フロントがそれに対応するほどの強烈なグリップがないようです。転倒したライダー達のフィジカル、マシンに深刻な問題が無いことを願うばかりです。
ムジェロ決勝の翌日の月曜日、MotoGPライダー達はムジェロでミシュランタイヤのテストを行った。前回のミシュランタイヤテストはセパン。今回もオフィシャルでのラップタイムは無く、ライダーもメディアにタイヤについて語ることを禁じられている。
ミシュランは4種類のフロントタイヤを持ち込み、各ライダーはフィーリングが合うタイヤを午後一番までかけて選んだ。テストのプランはその後フルレースシミュレーションを行い、23周の周回でタイヤがどのような状態であるかを見るというものだった。しかし、このプランは早々にキャンセルとなった。午前、午後一に転倒者は無かったのだが、ロングランの一周目にロレンゾが転倒したのだ。
トラックが綺麗になった後はマルケスがシミュレーション2周目に転倒。そして、マルケス機の残骸が掃除された後にはヴァレンティーノ・ロッシが転倒。そして、この段階でオリジナルプランはキャンセルとなった。これら3名のライダーの転倒パターンはセパンの時と同様で、ハードにコーナーでプッシュした時にリヤタイヤのグリップがフロントのグリップを上回る事で、リヤタイヤがフロントタイヤを押し出してしまうというもの。
ライダー達はメディアに語ることを禁じられているものの、噂によるとリヤタイヤのグリップはブリジストン以上、対してフロントはブリジストン以下のグリップしか無いようだ。ミシュランが今回持ち込んだフロントタイヤは確かに性能としては向上していたものの、まだ一歩足りなかったようだ。ただ、マシンは完全に違うタイヤ（※ブリヂストンとの比較の為にマシンのセッティングはBSタイヤの状態のままのようです。これは前回のセパンテストでも同様でした。）に合わせてセットアップされていた。ちなみにタイヤの外周はほぼ同じながら、ミシュランのタイヤは17インチでブリヂストンは16.5インチタイヤだ。
2015年のMotoGPバイクは全て数年に渡るブリヂストンのデータを元に作られている。当然サスペンションやシャーシのジオメトリーや硬さも同様にミシュランタイヤに合わせて設計されたものではない。2016年に向けて多くの作業が必要であることは明らかだろう。あるチームのメンバーから聞いた話によると、あるライダーは今回のタイヤには”塩がひとつまみ足りない”というようなコメントを残しており、セパンで試した時のフィーリングのほうが良かったようだ。
そのライダーはミシュランタイヤを履いてブリヂストンタイヤよりも良いタイムを出していたそうだが、今回のムジェロはそういった結果にはならなかったようだ。全体のパフォーマンスという面から考えると、ミシュランタイヤはブリヂストンに限りなく接近していると言えるだろう。インサイダーからの情報によると、彼らは特定のサーキットでラップタイムが落ち、その他の部分ではもっと遅くなるということを想定していたようだ。
今回のテストに関してもファクトリーライダーのテストであったとはいえ、全てのファクトリーが参加していたわけではない。例えばスズキは両ライダーが欠席している。アレイシ・エスパロガロは親指の怪我のため、そしてルーキーのビニャーレスはタイヤ開発に的確なフィードバックを与えるのは難しいだろうということで参加していない。また。アンドレア・イアンノーネは水曜に肩の具合の診察がある為にイタリアに戻っている。ただ、マルコ・メランドリがテストを欠席したのは謎が残る。
メランドリが今回いないという事を受けて、ムジェロがメランドリの最後のレースになったのではないか？という噂が流れている。GPOne.comによると、メランドリはアプリリアのスタッフと週末に今後の将来について話し合いを持つとされている。メランドリの代わりに誰が走るのか？というのは不明であるが、今までのシーズンにおけるメランドリの走行を見る限り、誰か他のライダーを走らせるというのは十分に納得出来る話だ。アレックス・ディ・アンジェリスもしくはテストライダーを走らせるのか？これはメランドリの将来が明らかになってからの話になるだろう。
