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★コンセッション・ポイントシステムの導入が早まる可能性あり

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ファクトリークラスルールとオープンクラスルール、そしてDucatiやスズキ、アプリリアに与えられた戦闘力を高めるための猶予期間とアドバンテージとしてのコンセッションでしたが、Ducatiがあまりにも強くなりすぎた事が問題になってきているようです。同時に、Ducatiやスズキ、アプリリアはファクトリークラスながらオープンクラスと同じタイヤを使用出来ないために、アルゼンチンなどのエクストラハードが投入されるようなサーキットにおいてタイヤが最後まで保たないなんていう問題も起きていますね。f:id:teletele916:20150509135846p:plain

Ducatiに与えられているレギュレーション上の優遇処置(コンセッション)が1年早く取り除かれるかもしれない。MSMA(モーターサイクルスポーツ製造者協会)は2016年に適用される予定のコンセッション・ポイントシステムを、一年前倒しして、今年から採用することを提案している。

これはつまり、Ducatiが2016年からホンダやヤマハと完全に同一のルールで戦うことを意味し、エンジン開発の凍結、年間9基ではなく7基のエンジン、オフィシャルテストの制限などが課される。

 

デスモセディチGP15の成功は(ファクトリークラスとDucatiの)レギュレーションのギャップを浮き彫りにした。コンセッションは近年優勝がないメーカーに与えられるもので、Ducatiがホンダやヤマハとのギャップを縮めることを可能とし、同じくスズキもこの恩恵に預かっている。そして、2016年にレギュレーションが変更されるのに合わせてコンセッションも合わせて変更となる。

 

今年採用されている内容は、過去3年間ドライコンディションでの勝利がないファクトリーは、より多くの燃料、ソフトタイヤ、12基のエンジン、エンジン開発の自由、ファクトリーライダーでのテストが許可されているというもの。2016年からは全てのチームは22Lの燃料を使用し、同じタイヤを使用し、Ducatiなどに許可されるコンセッションも他のファクトリーとの差が少なくなる。これは通常のファクトリーが使用出来る年間のエンジン数が7台から9台になり、エンジンの開発はファクトリーライダーでのテストが出来るというものだ。

(※下記参照)

motomoto.hatenablog.com

 

また、どのようにファクトリーがこのコンセッションを失っていくかの内容も変更となる。2016年から優勝に3ポイント、2位に2ポイント、3位に1ポイントが割り振られ、コンセッションを与えられているファクトリーが合計6ポイントを獲得すると、即座にコンセッションを失うものとする。無制限のテストは即座に出来なくなり、その後のシーズンは7基のエンジンで戦うことになり、エンジン開発も凍結される。しかしながら、現状のままではGP15がこれまでの成功を収めながら、2016年もこのコンセッションの恩恵を受ける形となっている。

 

もしDucatiが今年ドライコンディションで優勝しない場合、彼らは合計6ポイントを獲得するまでは、2016年シーズンを他のファクトリーチームよりも多いエンジン数、自由なテスト、エンジンの開発が出来る条件で戦う。しかし、今年アンドレア・ドヴィヅィオーソが序盤3戦で3回の2位表彰台を獲得しており、イアンノーネのカタールでの3位も入れると、Ducatiは既に7ポイントを獲得している計算になる。


MSMA(モーターサイクルスポーツ製造者協会)はヘレスでミーティングを行い、2016年シーズンに影響するコンセッション・ポイントシステムのカウントを2015年シーズンから適用することを協議した。Ducatiは既に6ポイント以上を獲得しているので、Ducatiは2016年のコンセッションを失うことを意味する。レプソルホンダのリヴィオ・スッポがこの問題について話してくれた。

リヴィオ・スッポ

「非常に難解ですよね。2つの違うルールが重なりあっているんですから。MSMA(モーターサイクルスポーツ製造者協会)として明らかなことは、これらのコンセッションを去年から始めたということです。これはKTMやアプリリア、スズキの興味を引く取り決めだったと思いますし、戦力の低いルーキーとなるメーカーへ、アドバンテージを与えるためという事で合意したわけです。2つの(コンセッションに関する)ルールが重なりあっていることが問題を引き起こしていることは明らかで、2016年に6ポイントのコンセッション・ポイントを獲得した場合、2017年にはコンセッションを失います。2016年のことは考えてもみませんでしたよ。」

 

「2016年から2017年にかけてこれらのルールが有効であるならば、2015年から2016年にかけてもこのルールは有効だと我々は考えています。このルールのそもそもの思想は戦闘力の低いメーカーを助けるというものですので、これは至って普通の思考だと思います。しかし問題は、Ducatiが”タイヤのコンセッションを失う条件としては、Ducatiはドライコンディションで今年3勝する必要がある。”と言っていることです。しかしこれは全く別の問題ですよ。彼らが言うには”FIMのプレスリリースが、Ducatiが表彰台の順位について話をはじめる前にDucatiの1勝について話をしているので、我々はレースで優勝する必要があるんだ”と言うんです。そうしたらIRTAのマイク・トリンビーが、唐突にコンセッション・ポイントシステムを提案したんです。」

 

「確かにこちらのほうが明確ですから良いかもしれません。ですから我々はこの仕組みを使用し、来年から適用されるという事で合意しました。でも正直言って今年からでも良いと思いますね。このルールの精神が戦闘力の低いメーカーを助けるというものであればということでジジに言ったんです。”ジジ、君の成し遂げた仕事は実に見事だ。でも来年に向けて助けが必要だとか、戦闘力が低いなんてフリをするのはやめてくれ”とね。だって理論的に考えて彼らは十分チャンピオンシップで勝てるだけの戦力を持っているでしょう。」

 

「これもあくまで私の意見ですが、これは他のメーカーからするとフェアではありませんし、我々のバイクを使用する為に多額の費用を支払っているサテライトチームや、ヤマハのサテライトチームにとって、自分たちよりも前にDucatiがいるというのは納得がいかないでしょう。ファクトリーチームは良いとしても、(サテライトの)LCRやMarc VDSはファクトリーマシンで戦っているのに、何故アドバンテージを持っているファクトリーバイクと戦わなければならないのか?彼らにとっては(選手権で)生き残るのが難しいですよ。(戦力の低い)スズキでさえ、今年コンセッション・ポイントを6ポイントを獲得したら、来年はコンセッションを失うということで話しているんですよ。」

 

現段階ではこのルール(コンセッション・ポイントシステムを今年から導入すること)は論議が行われている最中だ。もしこのルールが正式に採用される場合、まずMSMAにこのルールが提出される。そして、その後グランプリコミッションの投票が行われるという流れになる。勿論MSMAの全てのメンバー、つまり反対を表明しているDucatiの賛成も必要となってくるわけだが。

www.asphaltandrubber.com