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★カルメロ・エスペレーター「私は交渉で合意するほうが好き」

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ドルナのCEO、エスペレーターさんのインタビューをご紹介します。何かとルール変更でゴタゴタした話も聞きますが、F1に比べると民主的に感じるのは、エスペレーターさんの性格にもあるのかも知れませんね。

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ドルナCEOのカルメロ・エスペレーターはバイクの世界におけるバーニー・エクセルストーン(F1のCEO)だと言える。彼はスペインのサーキットのファウンダー/ディレクターとしてキャリアをスタートさせた。バーニーと親交が深かったことが、FIMがMotoGPのTV放送権を売りに出す際、彼にとって全てのキーとなった。

 

エスペレーターは1991年にドルナに入社。彼の働きによってドルナはTVとCMの放送権を1992年に得る。現在は300名近い規模となるドルナの社員は、当時僅か7人だった。ヘレス・サーキットのパドックの真ん中に構えられたドルナの事務所テントで、彼は全てがどのようにして始まったのか語ってくれた。

 

カルメロ・エスペレーター

「レースは私のDNAです。これまでの人生はずっとモータースポーツに関わってきました。私が初めてF1を見たのが1951年、当時5歳の時でした。私はアマチュアライダーとしてレースを初め、 1974年にバルセロナから150km南に位置するCalafatサーキットを創設したことから私のプロとしてのキャリアがスタートしました。それからマドリッドにあるJaramaサーキットの経営も初め、1998年にはバルセロナにMontmeloサーキットを作った委員会のゼネラルマネージャーとなりました。」

 

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「一番最初に乗ったバイクは?」

カルメロ・エスペレーター

「モンテサ250です。最初のレースカーはR8 TSですね。その後フォーミュラカーも運転しました。フォーミュラ1430と呼ばれていた車です。それから耐久レースをしたり、バハ・ラリーにおいてカルロス・サインツのコ・ドライバーを勤めたりしました。最後のレースは昨年参加したアイスレースです。」

 

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「1991年にドルナに入社した時、ドルナがTV放送権をマネジメントするにあたり、バーニーはどのように助けてくれたのでしょうか?」

カルメロ・エスペレーター

「彼は大いに助けてくれました。IRTA(国際ロードレーシングチーム協会)との以前の契約、チームなどに付いて多くを相談しました。そして最終的な合意にいたり、1992年放送権を得たのです。バーニーからは実に多くを学びました。彼はこの種のビジネスを発明した人間ですね。私は車とバイクで異なる部分を発見しようと努力し、そこに彼のエッセンスを入れたのです。」

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Cycle World

「あなたもバーニーも多くの力を持った人間だと思いますが、2人の共通点、相違点などあれば教えて下さい。」

カルメロ・エスペレーター

「2人ともモータースポーツが大好きです。もちろんパーソナリティーは異なります。パワーマネジメントにおいて私は交渉していくのが好きです。相手を打ち負かし多くの人を落胆させるよりは、交渉で合意点を見つけていくほうを私は好みます。」

 

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「過去にはメーカーが多くの力を握っていました。現在はメーカー間の力がバランスしているように感じます。メーカーはレースの現場で技術を磨き、ドルナは最高のショーを安く提供すべく努力している。この成功はどのようにしてもたらされたのでしょうか?」

カルメロ・エスペレーター

「メーカーはMSMA(モーターサイクルスポーツ製造者協会))を発足させてことで多くの力を得るようになりました。これはパワーの話ではなくて、立法の上での話です。技術的なルールが異なっていた場合、それを是正するオプションを用意します。我々は各メーカーの代表と話し合いを重ね、皆がこのスポーツの一部である事が出来、皆がハッピーであるような形で合意に至りました。成功の秘訣はFIM、メーカー、ドルナ、IRTAが関わる全てのパーツについて合意を得たということです。」

 

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「ドルナとFIMの関わりによって引き起こされた結果とは何でしょう?」

カルメロ・エスペレーター

「このスポーツを守るということです。ロードレースは技術開発のために重要なものという側面は変わらないでしょうが、そこにかかるメーカーのコストは重要ではありません。メーカーだけでこのスポーツは成り立っているわけではなく、我々はサテライトチームも支える必要があります。今やMotoGPは4000人が関わる大所帯となり、このスポーツを守るということは、そこに関わる多くの人びとの職を守るということでもあるのです。」

 

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「オープンクラスのルールはDucatiがこのスポーツへの復帰、そして力を取り戻す大きなきっかけとなりました。GP15がここまでの短期間で成功を手にすると思っていましたか?」

カルメロ・エスペレーター

「まずはDucatiのこの成績と、この仕組みが機能していることを喜ばしく思います。しかし来年からは全車が同様のエレクトロニクスを使用し、ルールも統合化されます。ドルナは全ての参加チームにECUを無償で提供します。これによって参戦コストの引き下げと、ショーとしての面白さをアップさせることが出来ると考えています。ソフトウェアは各参加メーカーの協力によって開発の支援を受けることになります。」

 

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「メーカにとっては安定性に関しての開発が必要なのでしょうか?」

カルメロ・エスペレーター

「新たなテクニカルルールとコマーシャルルールについては合意したところです。2016年のルールは既に決まっていて、2017年から2021年にかけてテクニカルルールは決定されますが、安全面その他の理由で必要があれば改正もあります。」

 

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「KTMが2017年から参戦し、6つのメーカー、24人のライダーとなります。(12台のファクトリーと12台のサテライト)、そしてそこにプライベートチームが加わります。」

カルメロ・エスペレーター

「オースティンとアルゼンチンにおいて、メーカーは最高価格で自分達のバイクを貸し出し、そのコストはドルナからチームに支払うという方向で合意に至りました。既存チームにおいて各メーカーは2台のファクトリーバイクを参戦させ、それ以外のバイクを参戦させることは禁止となります。参戦ライダーが22人を切らない限り、新たなプライベートチームの追加はありません。プライベートチームはどのマシンをリースするかを選択出来ますが、各メーカーはファクトリー用に2台とサテライト用に4台のバイクしか用意出来ないこととなります。」

 

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「これはドルナが各サテライトにリース代を支払うことになりますね。これは1人のライダーあたり180万から200万ユーロでしょうか?」

カルメロ・エスペレーター

「これはドルナサイドにとっては大きなコミットになります。2016年から2017年はドルナのこうした寄与に関するコストは30%近く上昇するでしょう。」

 

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「ドルナはMotoGP、WSBK,FIMジュニアカップ、アジアタレントカップなど、ライダーの成長のキャリアパスを用意しています。各国で強力なライダーを抱えるというのは、どの程度重要なのでしょうか?」

カルメロ・エスペレーター

「各国からの優秀なライダーがいるというのはとても重要です。特にGP開催国からのライダーですね。アメリカも非常に重要なマーケットです。アジアやヨーロッパで開催されるレースが、タイムスケジュールとしてアメリカのファンにとって適切な時間では無いという問題もあります。アメリカはドルナやメーカーにとっても重要なマーケットですが、MotoAmericaは実に良くやってくれていると思いますしドルナも精一杯サポートしたいと思います。」

 

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「MotoGPの人気はヴァレンティーノ・ロッシのおかげもあるかと思いますが、彼が良い成績を残すことはどの程度重要なのでしょうか?」

カルメロ・エスペレーター

「彼はとても重要です。人間性だけではなくてね。誰もがそう思うでしょうが、まず第一に彼は素晴らしいライダーです。このスポーツの発展に大きく貢献してくれました。2003年の加藤大治郎の悲劇的な事故を受けて発足したセーフティコミッションにおけるミーティングを涸れが欠席したことは一度としてありませんし、発足以来参加し続けている唯一のライダーです。」

 

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「ヴァレンティーノはあと2年は走りたいと話していますが。」

カルメロ・エスペレーター

「たった2年?私は68になりますが現役ですよ。彼にはもっと長く続けてもらいたいですね。」

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