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★MotoGP2015 なぜペドロサの代役は青山になったのか?

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ペドロサ選手は3度目の手術を行うようで、青山選手が代役として次戦オースティン、アルゼンチンに出場する事になりました。そもそも論として、なぜ青山選手に白羽の矢が立ったのか?を解説する記事がありましたのでご紹介。
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ダニ・ペドロサはカタール戦の後、腕上がりの治療のためにレースからしばらく距離を置く事を明らかにした。(※3度目となる手術を行うようですね。)そして、このニュースと同時に誰がペドロサの代わりにファクトリーマシンを操縦するのか?という憶測が駆け巡った。

 ファンは、ケイシー・ストーナー、カル・クラッチロー、マイケル・ヴァン・デル・マルク、ジャック・ミラー、ニッキー・ヘイデンなどの名前を挙げた。このニュースが丁度エイプリルフールと重なったため、何故かミック・ドゥーハン、アレックス・マルケス、ファビオ・クアンターロなどの名前も候補として挙がったほどだ。

 
結果的には青山博一がオースティン、アルゼンチンでペドロサの代役を務めることとなったが、青山が代役を務める背景には幾つかの理由がある。簡単に理由を述べると、青山以外の選手はスポンサーの問題、レーススケジュール上の問題、単純に乗り気ではなかったなどの理由がある。

青山博一

青山がMotoGPクラスに登場したのは2010年。彼は250ccクラスがMoto2クラスに移行する前の最後のチャンピオンだ。
彼は2ストロークの車両に慣れすぎたと言え、4ストロークでのマシンに適応するのに苦労していたようだった。ワールドスーパーバイクの活動を止めた後、彼はMotoGPにホンダのRCV1000Rで参戦した。2014年シーズンに参戦を停止した後、彼はHRCのテストライダーとなった。
 
青山はMotoGPでの経験もあり、RC213Vのテストライダーとしてセパンの一回目のテストで新型バイクにも乗っている。ちなみにその際の順位は14位だった。2015年シーズンのブリヂストンタイヤの経験もあり、オースティンやアルゼンチンでのレース経験もある。この2つの新しいトラックの経験は大きいだろう。何しろオースティンは2013年から、アルゼンチンは2014年からカレンダーに加わった新しいサーキットだ。
ペドロサの代役を努めるライダーはRC213Vの経験が無いと難しいであろうし、以前ほど難しくないとはいえブリヂストンタイヤにも慣れる必要がある。そして2つの新しいサーキットに関する知識。これが何よりも重要だ。
 

カル・クラッチロー

経験とスピードを必要とするなら、カル・クラッチローが最有力候補だろう。彼はMotoGPでは既にベテランライダーであり、RC213Vでテストを行い、今シーズもこのマシンで参戦している。カタールではサテライトライダーとしては最高位を獲得している。しかし、クラッチローの場合は絶対にペドロサの代役として出走出来ない明確な理由がある。何よりも問題となるのはスポンサーだ。クラッチローはモンスターエナジーと深い関わりがあり、レプソルホンダはレッドブルのサポートを受けているのは広く知られているところだ。契約上の問題でクラッチローとレプソルホンダが結びつくということは非常に困難だと言える。
 
そしてサテライトチームにとっても、そのライダーの活躍というのはマーケティング効果という意味で非常に重要な意味を持っており、ライダーはチームのビジネス・パートナーやスポンサーとも顔を合わせることが多い。一方、ファクトリーチームの場合はそのバックにいるのはメーカーだ。数年前、ファクトリーライダーが怪我で欠場を余儀なくされた時、私はサテライトチームのマネージャーと話をした事があるが、彼らが心配していたのは、ファクトリーがサテライトチームにとってのスターであるライダーを奪っていってしまうということだった。
 

ジャック・ミラー

ジャック・ミラーの場合はどうか?ミラーはLCRホンダのライダーながら、レッドブルとのスポンサー契約があるので、スポンサーという面での問題は無い。
ミラーはHRCと3年契約を結んでいるし、ペドロサの契約が2016年で切れた後はペドロサの代わりにファクトリーライダーになる可能性が高い。しかし、これだけ条件がそろっていながら、レプソルホンダはミラーをペドロサの代役に据える事は無い。
 
彼はMoto3から飛び級でMotoGPにやってきたライダーで、ホンダの狙いとして、今年は彼に多くを学んで育って欲しいという事がある。彼には最高峰のクルーチーフとしてクリスチャン・カバリーニがついている事からも、それは明らかだろう。
 
若いミラーにとって、ペドロサの代役で出走する事は多大なプレッシャーとなるだろうし、結果を出そうとする余り焦って転倒し、怪我をする恐れもある。
ミラーはLCRホンダのRC213V-RSで結果を出す必要があり、経験を積み、学んでいく必要がある。そのままストレートにファクトリーバイクに乗っては意味が無いのだ。
 

マイケル・ヴァン・デル・マルク、シルヴァン・ギュントーリ

前回2012年にレプソルホンダのライダー、ケイシー・ストーナーが負傷した時に出走したのはWSBKで参戦するジョナサン・レイだった。WSBKと一週おきにMotoGPを行ったり来たりするというスケジュールの中、レイはアラゴンで7位、ミサノで8位を獲得した。しかし、この時期にWSBKライダーを代役に持ってくる事は不可能だ。
なぜなら、オースティン戦と同じ週にWSBKのアラゴン戦が行われ、MotoGPがアルゼンチン戦に向かう時、WSBKはアッセンに向かうからだ。
 
シルヴァン・ギュントーリはWSBKのディフェンディングチャンピオンで、アッセン戦は彼らのチームにとってはホームレースにあたる。チームにとってエースの2人のうちどちらかをホームレースで欠くという選択肢はあり得ない。
 
ギュントーリの目標はタイトル防衛であるし、ヴァン・デル・マルクの目標はWSBKのバイクに順応することだ。彼らは自分達の2015年シーズンを考えると、一度も乗ったことが無いバイクに一度も試した事が無いタイヤを履いて、一度も走ったことが無いトラックを走りたいなどとは思わないだろう。
 

ケイシー・ストーナー

もし、ファンが「純粋にこのライダーに走らせたい。」思うライダーがいるとしたら、ストーナーをおいて他にいないだろう。ファンにとって過去最速を誇ったライダーと、現在このクラスで最速のライダーであるマルケスの戦いを見るチャンスなのだから。
 
ストーナーは速い。バイクの事もタイヤの事も分かっているし、今年のRC213Vのテストも行っている。彼は今年の鈴鹿8耐に出場するなど、レースに対する情熱も失っていない。
 
しかしストーナーの場合、何度も公の場でグランプリレースへの興味、そして、MotoGPへの興味は無いという事を明言している。彼は2つの世界タイトルを持っているし、引退して悠々自適に暮らすには充分すぎるほどに稼いでいる。
彼は家族との生活を何よりも楽しんでいるし、彼の娘の成長を見守る生活を楽しんでいる。ストーナーにとってMotoGPに復帰するメリットは何一つ無いだろう。

www.asphaltandrubber.com

 

(※管理人注 実はストーナー選手にオファー出していたようですね。2015/04/05追記 )

motomoto.hatenablog.com