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★MVアグスタ(MV Agusta) Stradale 800試乗レビュー

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このバイクはDucatiのハイパーモタードが開発上のライバルというか参考モデルのようですね。ハイパーモタードのほうは(見た目は)モタード車寄りの作りですが、このバイクの場合は見た目からしてロードバイクとして作られているようですね。

しかし、一昔前から考えると「ロードバイクにオフロード車寄りの長い足をもたせた旅バイク」というのは増えましたね。

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Stradale 800はMVアグスタが昨年11月のEICMAで発表した、ある意味驚くべきモデルだ。既にTurismo Veloceは2013年のEICMAで目にしてはいたものの、このStradale 800は予想もしていなかった新型だ。

 そしてそれはまた、このバイクの性格についても言える。MVアグスタというスポーツバイクの象徴とも言えるブランドのバイクでありながら、快適でマイルドな性格を持ったバイクなのだ。私はCRC(カスティリオーニ・リサーチセンター)のディレクターのパオロ・ビアンキにコンセプトを尋ねてみた。彼によるとコンセプトはDucatiのハイパーモタードに小型のシートバックを付けたものだそうで、その小回りが効き、鋭いハンドリングも参考となったようだ。

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このバイクには快適なシート、小型バックが装備されている。実際に開発の段階では、アグレッシブすぎるハンドリングだということで、シャーシの開発がやり直されている。
結果的にジオメトリーが改められ、サスペンションは短く、トレールが延長された。その他にもスイングアームは30mm延長、ジオメトリー変更に伴いリンクも変更、リヤホイールも太いリムのものに変更された。燃料タンクは短くなり、ライダーの乗車位置がフロントになることで車体の前後バランスも前よりに変更されている。

 

Stradale 800はホイールベース1460.5mmと比較的大柄なバイクで、乾燥重量は180kg、シート高は86.95cmだ。キャスター角は25.5度、高速でのハンドリングは非常に安定している。フロントサスペンションはマルゾッキの43mmフォーク、リヤショックはザックス、スイングアームはキャストアルミニウム製だ。前後サスペンションはコンプレッション、リバウンド、プリロードの全てが調整可能で、前後ともにホイールのトラベル量は14.9cmだ。

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17インチのキャストアルミニウム製ホイールは、前輪に120/30-17サイズ、後輪に180/55-17サイズのPirelli ディアブロロッソを履く。ブレーキはブレンボ製で、320mmダブルディスクに対向4ポットキャリパー、リヤは220mmディスク、2ポットキャリパーを装備し、ABSは標準装備となる。エンジンは798ccの3気筒で、2000回転程度からスムーズなパワーデリバリーを実現している。ピークパワーは11,000回転程で115馬力を発生。

 

ボアは79mmで、ストロークは54.3mmだ。圧縮比は13.3:1で、31.8mmの吸気バルブ、26.7mmの排気バルブという構成。スロットルボディは47mmのミクニ製で、インジェクターは気筒あたり1つ。 Eldor NemoのEM30 ECUを使用している。エンジンマッピングはレイン、ノーマル、スポーツ、カスタムがあり、3種類のスロットルレスポンスマップ、2種類のトルクカーブ、2種類レブリミットの選択、2種類のエンジンブレーキ、8段階のトラクションコントロールの設定が可能。さらにシフトアップ、ダウン両方で使用出来るクイックシフターなどを装備する。

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Stradale 800はこぶりなカウルを装備しており小柄なバックを組み合わせている。このバッグはオプションではなく、最初から装備されるものとなる。ライトとウインカーはLED製。Stradale 800はスラっとしているバイクだが2人乗りの快適性も確保しており、さらに通勤に使用しても不満は感じないだろう。試乗自体はイタリアにあるPirelliのテストトラックまでワインディングを抜けていく道を通ったが、この選択は正しかった。なぜならテストトラックを走るだけでは、このバイクの良さは完全に理解出来なかっただろうからだ。

 

シート高は確かに高いが、座る部分がえぐってあるので164cm程度の身長があれば足は付くだろう。他のアグスタに比べると、そのライディングポジションは完全に異なっている。着座位置は前よりで、足はかなりリラックス出来る。幅広で低めにセットされたハンドルバーによって、ライダーはフロントに荷重をかけやすい。シャーシは高速域では安定性が高く、低速〜中速域では俊敏に動く。ライディングポジションの影響もあって、かなり親しみやすいバイクと言えるだろう。

 

ウインドスクリーンは小ぶりながらも、胸に当たる走行風をかなり和らげてくれる。2月の寒い気候の中でもベンテッドレザースーツの下にTシャツという服装でも快適だった。
エンジンはスムースで低回転からトルクに溢れている。 65km/h程度で6速で流すことも特に苦にならない。かと思えば、出そうと思えば215km/h程度なら簡単に出せるが、この種のバイクの適正速度は160km/h程度だろう。


【STRADALE 800 諸元】
価格:$14,598
エンジン:水冷3気筒
ボアxストローク:79.0x54.3
排気量:798cc
圧縮比:13.3:1
最大出力:115馬力
最大トルク:8.0kg.m
エキゾースト:3-1-3
ミッション:6速
フロントサスペンション:43mmマルゾッキ製
リヤサスペンション:ザックス製
フロントブレーキ:320mmデュアルディスク/ラジアルマウントブレンボ製キャリパー
リヤブレーキ:220mmシングルディスク/ブレンボ製キャリパー
ホイール:キャストアルミニウム製
フロントホイールサイズ:3.50 x 17インチ
リヤホイールサイズ:5.50 x 17インチ
フロントタイヤ:120/70-17インチ
リヤタイヤ:180/55-17インチ
乾燥重量:180kg
燃料タンク容量:19L


2015 MV Agusta Stradale 800 First Ride Motorcycle Review- Photos- Specs