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★なぜエレクトリック・バイクメーカーは間違いを犯し続けるのか?

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他のサイトとは違った切り口の情報が充実しているvisor downに掲載されていたエレクトリック・バイク(電気自動二輪車)に関する記事をご紹介します。車の場合は、電気自動車、ハイブリッド車ともにプリウスのように未だにデザインに関して賛否両論ある車もあれば、テスラに代表されるようなセンスの良いクルマもあります。
一方、エレクトリック・バイクでカッコいい車両って思いつきませんね。。しかしここまでボロクソに叩いて真実を語る記事っていうのは、ほぼ提灯記事しか書かない日本メディアでは絶対に見れないですね。

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良くも悪くも、私の仕事の中で避けられない出来事としては、自動二輪業界の中で何がホットなトピックかという情報に常に近いということだ。どこのメーカーが何を開発しているか?なぜ開発したのか?目的としてはどんなものがあるのか?などに対して常にアンテナを張っておく必要がある。自分で言うのもなんだが、これに関しては非常に優秀だと思う。ただ一点「エレクトリック・バイク」の分野を除いては。。

 正直なところ、名前を聞いたこともないようなスタートアップ(ベンチャー)企業がバッテリーを動力とする全く新しいエレクトリック・バイクをリリースするたびに身震いをするのだが、どうもバッテリーとモーターを動力とするということに対して穿った見方になってしまうのだ。この新しい動力源は、主流にはなっていないものの、確実に新しい時代の潮流として、好むと好まざるに関わらず我々の生活に近づいてきつつある。

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車の世界に目を向けると、イーロン・マスクが創業したテスラ・モーターズが確実に大きな流れとなりつつある。いずれ自動二輪車の世界にもこうした事象が起こることは間違いないが、それが一体どこから起こるのかということに関しては全く予想が付かない。というのも、様々なメーカーがこうしたエレクトリック・バイクの開発を手がけてはいるが、これはメーカーにとっては全くの新規開発をするということになるわけで非常に難易度が高いことであるからだ。

 

こうしたエレクトリック・バイクを見るたびに、パワーユニットついて考える前に「現代のバイクと全く同じパワーユニットを搭載していたとして成功するモデルだろうか?」と考えてしまう。そして9割がた、この答えは「No」だ。ほぼ全てのメーカーはエレクトリックを動力とするだけではなく、現行のバイクにはあまり採用されないような(意味不明な)機能を搭載している。

 

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2014年に登場したバイクを例にとって説明しよう。
5月にBultaco(※スペインのブランド 83年に工場を閉鎖)からエレクトリック・バイクが登場した。パフォーマンスと価格からすると、かなりいい線を行っていたが、何が楽しくてHossack式のフロント周りを搭載したのだろうか?(※BMWがデュオ・レバーとして商標登録している形式。簡単に言うと操舵と衝撃吸収機能を分離している。)普通は新興メーカーというだけで通常のテレスコピック式フロントフォークであっても販売しにくいというのに。

 

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そしてJohammer J1という巨大なナメクジにしか見えないバイクもあった。そしてこのバイクには、なんとハブセンター・ステアリング式のフロント周りが搭載されていた。(※フロントもスイングアームによって保持され、ハブの動きでタイヤの方向転換を行う)動力がエレクトリックという時点で、セール面で不利であるにも関わらずだ。

 

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そうそう。Voxan Wattmanというバイクもあった。Sacha Lakicをデザイナーに迎えたモデルだ。このデザイナーの名前に聞き覚えがある方も多いだろう。Bimota Mantraをデザインしたデザイナーだ。

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世界の「最も醜いバイク」の一台として数えられるバイクだ。

 

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その他にもAgility Saietta Rというこれまた醜いバイクもあった。同様に奇妙なサスペンションを装備し、まるでフロントからクラッシュしたかのような外観をしたバイクだった。

 

なにも私はこういった奇妙なバイクばかりを取り上げているわけではない。新しいエレクトリック・バイクが登場すると、ほぼ1台おきくらいにこうした妙なバイクが出てくるのだ。こうしたエレクトリック・バイクのメーカー達は、彼らが相手をしているモーターサイクリスト達が、伝統的なバイクからの変化を嫌うという性質をまるで理解していないように思える。


エレクトリックというだけで受け入れがたく飲み込みづらいものであるのだから、本来であればシュガーコーティング(※砂糖をまぶす)してしかるべきであって、ワサビを表面に塗りたくるべきではないのだ。

つまりだ、もし「馬の蹄」をスナックとして売ろうというとんでもないアイディアを考えついたとしたならば、可能な限りその味なり風味なりをポテトチップスのようなものに近づけて、なるべく我々が慣れ親しんだものに近づける努力をするべきだということだ。塩味やビネガーの風味ではなく、ヒキガエルのレバーや山猫の脾臓のような味では困るだろう。。

 

そして実際のところ、これらのエレクトリック・バイクのデザイナーがしている仕事は輪をかけて酷いといえる。実生活でのバイクを使うシーンから考えてもあり得ないデザインとしか言いようがないのだ。ハブセンターステアリングや伝統的ではないスタイリングなんていうものは、過去に化石燃料を使うバイクで散々試されてきたわけだが、そのほとんどが当初は失敗に終わっている。それ故に、エレクトリック・バイクにこうした装備を加えようとするのは実に理解しがたい。

 

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Brammoのように出来るだけ現代のバイクと同じ作りでエレクトリック・バイクを作りだしているメーカーが出てきているのも、こうした流れ(意味不明な作りのバイクが多すぎて、既存のバイク乗りには全く受け入れられていない。)とは無関係ではなかろう。

 

顧客がこうしたエレクトリック・バイクを、エンジンを動力とするバイクの単なる代用品ではなくそれ自体に価値がある存在と考えるようになれば、メーカーは好きなだけ奇妙なサスペンション機構やデザインを試せば良い。これからもいくつかのメーカーは既存の路線を崩さずに奇妙なバイクを作り続けるだろうが、いずれエレクトリックと奇妙な構造、スタイリングという組み合わせでバイクを作るメーカーは、自分たちのビジネスプランの大いなる失敗に気付くだろう。


Lunchtime debate: Why electric bike makers are mostly doing it wrong - Features - Visordown