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★2015年型 Yamaha FJ-09試乗レビュー

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motorcycle.comにFJ-09の試乗レビューがありましたのでご紹介。かなり高品質なバイクという感じがしますが、ライバル車とくらべて非常にリーズナブルです。これは人気出そうですな。

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FJ-09のエンジンは豊富なトルクと豊かなキャラクターを持っている。基本的にベースはFZ-09と同じ847ccのエンジンであるが、エレクトロニクス周りに熟成が図られている。

ヤマハによると、ECUの変更によってFZはスポーツバイクとして、FJはツーリングバイクとしての性格を持たせているようだ。

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FZ-09で気になったスロットルoffからonにした時の不安定な挙動は、FJ-09の開発のメインターゲットでもあった。ドライブモードについてはFZ-09と同じく3モードのA、スタンダード、Bというモード選択となる。スタンダードとBモードは通常の出力を30%カットした出力を発生する。

 

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FJ-09には様々な天候の中で長距離を走るライダーの為にトラクションコントロールが追加装備されている。FZ-09にもマイナーチェンジでトラクションコントロールが搭載される可能性はありえるだろう。FJ-09にはABSも装備されているが、トラクションコントロールと異なりoffにすることは出来ない。

 

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足回りについてはスポーツバイクをツアラーに仕立てるための改善が施されている。KYBのフォークは内部パーツの見直しにより、FZ-09と比較してより多くの荷重に耐えることが可能で、ダンピングスピードもゆっくりとしたものになった。

 

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メインフレームはFZ-09と同じくエンジンをストレスメンバーとして使用している。サブフレームは延長され、より多くの荷物が搭載出来るように肉厚になっている。
サブフレームの延長によってシート周りのスペースが増えているので、ライダーにとって快適性の高いシートが装備されている。シートは2分割されており、パッセンジャーシートもしっかりとしたものだ。FZ-09と比べるとシートの前傾が抑えられており、より長距離のライディングで快適に感じることが出来る。

 

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シート高はFZ-09よりは高くなっているものの、シート前半が絞り込まれた造詣なので足つき性は悪くない。シート高が高くなった恩恵はシートとステップの距離が離れたことにも現れており、一日バイクに乗っていてもそれほど疲れることは無い。

 

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大柄なライダーにとってはスタンダードの乗車姿勢は手が窮屈に感じるかもしれないが、ハンドルバーライザーは180度向きを変更可能で、ハンドルバーを10mm前方に動かすことが可能となっている。4.8ガロン(約18L)のタンクはエルゴノミクスデザインを採用しており、計算上は211マイル(約339km)走行が可能だ。

 

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FJ-09はフレームにマウントされたフェアリングと、高さの調整が可能なスクリーンを装備している。ウインドスクリーンは大きくなりすぎることなく効果的な防風性を発揮する。雨の場合はヘルメットバイザーについた水滴が無くなることがなかったが、これはそれだけ風がウインドスクリーンの内側に進入してこないということでもある。

 

このバイクがツアラーとして持っている強みはその軽さだろう。FJ-09はバッグを装備しない状態で約209kgとなっており、ライディング中もその軽さを明らかに感じることが出来る。エンジンモードの変更は容易に体感出来るもので、FZ-09とくらべてパワーデリバリーは大幅に改善していると言える。この3気筒エンジンの優れたところは、豊富なミッドレンジトルクとトップエンドのパワフルさだ。

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ハンドリングはスポーティーなもので、フェアリングとバッグから来る重さは、このバイクのターンインのクイックさを少しも損なうことはない。
幅の広いハンドルバーがさらに操縦を容易にしており、中低速コーナーの向き変えはほんの一瞬の出来事だ。ライディング中はステップを路面に擦ることも無く、FZ-09と比較してもステップと路面の位置関係はほぼ同様に収まっているようだ。

 

FZ-09では気になったブレーキング時のノーズダイブも、しっかりとバランスを取られたサスペンションでは気にならない。ツーリングバイクとしては少し固いセッティングとも感じられるが、スポーツライディングとツアラーとしての快適性の妥協点と言えるだろう。試乗中に前の車が急ブレーキを踏んだ時に体感することになったが、ABSの効き方は控えめで自然なものだ。トラクションコントロールは実に自然な効き方で、舗装路に泥が浮いているなど急にスリッピーな路面状況にならない限りは、ほとんどその効果を感じることはないだろう。

 

以前はメーカーがこうしたツアラーバイクをバッグをオプションで販売するのが理解出来なかったが、出来る限り購入価格を抑えたいライダーにとってはありがたい選択となる。
ただ、バッグは後で取り付けるにしてもハードサドルバッグを装着する場合は、$94のハードサドルバッグマウント、ハードサドルバッグ$400などを別途購入する必要がある。

 

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試乗車はグリップヒーター$284とリアラック$171を装備していた。この状態の車両で価格は$11,919となっており、FJR1300の$15,890、カワサキVersys 1000 LTの$12,799、スズキのV-Strom1000 ABSの$13,999よりも安い。さらにはカワサキのVersys 650 LTの$8,699、スズキのV-Strom 650 ABS Adventureの$10,049と比較してもリーズナブルだ。

パフォーマンスや装備を考えると、FJ-09は実にリーズナブルな選択と言えるだろう。カラーリングとしてはキャンディーレッド、マットグレーから選択出来る。

 

【主要諸元】
車体価格:$10,490
エンジン:水冷3気筒
排気量:847cc
ボアxストローク:78.0 x 59.1 mm
圧縮比:11.5:1
トルク:65 lb(約29.4kg)
トランスミッション;6速
フレーム:アルミダイキャスト
フロントサスペンション:41mm倒立フォーク
リヤショック:KYB製
フロントブレーキ:298×4.5 mmデュアルディスク、4ピストンキャリパー、ABS装備
リヤブレーキ:245×5.0 mm、シングルピストンキャリパー、ABS装備
フロントタイヤサイズ:120/70 ZR17 (Dunlop D222F)
リヤタイヤサイズ:180/55 ZR17 (Dunlop D222)
燃料タンク容量:約18L
シート高:84.5mm
車重(バッグ無し):約209kg
カラーリング:キャンディーレッド、マットグレー


2015 Yamaha FJ-09 First Ride Review