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★MotoGP2015 ヴァレンシアGPテスト(月曜)各チーム詳細

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月曜日に行われたヴァレンシアのテストの各チームごとの詳細なレポートです。相変わらずDAVID EMMETT氏の記事は細かいですね。アレイシ・エスパロガロ選手によるとスズキのGSX-RRは意外にもハンドリングマシンだそうで、後はパワーが出てくれば戦闘力はそこそこ高いかもしれません。

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トラック上には新しい顔ぶれも変わらぬ顔ぶれも並んだが、最も大きく変わったのはスズキだろう。アレイシ・エスパロガロはフォワードヤマハから、マーヴェリック・ビニャーレスは Moto2から昇格した。二人ともスズキのGSX-RRのハンドリングとバイク自体の仕上がりに感心したようだ。

 

アレイシ・エスパロガロよると、バイクは「思っていたよりずっと良い。」そうで、ハンドリングに関しては最高とのこと。彼は日曜の決勝タイムから0.9秒落ちのタイムで周回し、コンパクトなマシンはより曲がりやすく、より速いコーナリングスピードを実現しているそうだ。ただ、ライダーとしては長身のアレイシにとってマシンは少し小柄すぎるようで、足のスペースの狭さという課題と、ヘルメットがウインドスクリーンから飛び出してしまうという問題がある。ただこれはどちらもすぐに改善可能な内容だ。

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スズキに関して最も大きな問題はトップスピードの不足だ。エンジンの出力不足によるものだが、この領域はスズキの得意分野だろう。ダヴィデ・ブリビオによると、パワーとエンジンブレーキ、エレクトロニクスなどの問題はあるが、ポジティブな内容としてはバイクのベースが強力だということだ。ブリビオによるとスズキはレーウウィークの間に起きた信頼性に関する問題の調査にも取り組んでいるとのこと。

 

ドプニエはレースウィークを通じて2基のエンジンを失っており、ダイノテストにおいてもレースシュミレーションにおいても高い信頼性を誇ったGSX-RRのエンジンブローは完全に予想外の事態のようだ。ダイノ上ではまったく問題が発生せずにトラックで問題が発生したことから、おそらくはオイル供給の問題とみてスズキは原因の解析を進めている。スズキが開幕戦カタールでどこまでこの問題を仕上げてくるかに注目だろう。

 

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アプリリアもう一つの新顔であり、ニューマチックバルブ搭載のエンジンをデビューさせた。しかし初日はシェイクダウンに過ぎずテストライダーのアレックス・ホフマンがほとんど走行し2015年からのファクトリーライダーであるアルヴァロ・バウティスタとマルコ・メランドリは最後に数周走っただけだった。

 

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Ducatiに関しては特に目新しい内容はなく、ドヴィヅィオーソが新しいエレクトロニクスの変更を試した程度だった。Ducatiにとって真の意味での新型マシンは、一から創りあげた後にセパンで2月にデビューが予定される新型だろう。
ドヴィヅィオーソにしてもイアンノーネにしても特にテストする内容が無かったため、二人共月曜の夜には故郷に帰ってしまった。

 

ヤマハは2015年のレギュレーションに沿って重量が引き下げられたマシンを試した。来年の最低重量である158kgに合わせたマシンはより軽量で音量の大きいメガホンタイプのエキゾーストを装着している。
メガホンタイプのエキゾーストが目につく変更点であるが、カウルの中身の変更のほうが大きい。ヴァレンティーノによるとコーナーエントリーでさらに素晴らしい手応えとなる新型シャーシになっているのだ。テストではこのシャーシに対する最適なセットアップを見つけるために時間が費やされた。またエキゾーストの変更によってエンジンのレスポンスにも変化があるとのこと。M1は明らかに強くなり、ホルヘ・ロレンゾが記録したトップタイムにもその成果が現れている。

 

2台のファクトリーヤマハに挟まれる形のタイムを刻んだテック3のブラッドリー・スミスとポル・エスパロガロの両名は新たなパッケージを試した。
このパッケージのほとんどはファクトリーヤマハガレージからもたらされた技術だ。
テック3は2015年初頭からこのパッケージでスタートするわけではないが、これは少しではあるが確実なマシンの向上につながっている。

スミスはこのパッケージをとても気に入り、乗りやすく曲がりやすいと評価した。一方ポル・エスパロガロは去年型のほうが良いタイムが出たと語っている。

 

ステファン・ブラドルはヤマハにとっての新顔であるが、すぐにバイクに慣れたようでアレイシ・エスパロガロが日曜に記録したタイムよりも良いタイムを早速記録している。ブラドルはブレーキングで問題を抱えているようだが、これはヤマハのマシン特性(早めにブレーキを開始して早めにリリースしてコーナーに可能な限りスピードを保って進入する)によるものだろう。ホンダのように限界までブレーキを遅らせてブレーキをかけながらマシンを曲げていくというスタイルとはかなり異なる。

 

クラッチローはDucatiとホンダのマシンを比較するコメントを嫌がったが、ホンダ機のコーナリングには満足しているようだ。ブレーキでマシンをコーナーに深く突っ込んだ状態からでも更に曲げていくことが出来るという点が気に入っているらしい。それまでのクラッチローはヤマハのスタイルでブレーキを早めにリリースする曲がり方だったがブレーキが強力なDucati機で1年を過ごした事で丁度対局になるライディングを上手く習得したようだ。

彼によると「何かしらミスを犯したとしてもバイクはコーナーにエントリーしていこうとする。この性格によってよりアグレッシブに走る事が出来る。」とのこと。
ジャック・ミラーは初めてのMotoGP機となったが、人生において最高の日になったようだ。

 

MotoGPのデビューにおける新人のバイクの慣れ方に関してマーヴェリック・ビニャーレスとジャック・ミラーは、通常通りまずは一切のトラクションコントロールやウイリーコントロールが効いていない状態のマシンで初乗りを行い、エレクトロニクスの恩恵を受ける前にバイクがどのような挙動を示すのかを体で覚えることから始めた。その後チームはマシンをソフトなマッピングに変更した後に彼らを周回させ、ライダーがしっかりとグリップを感じられるようになってから徐々にパワーをアップさせていく。しっかりとグリップを感じられるようになってパフォーマンスを追い求めるようになってから初めてエレクトロニクスをOnに戻すわけだ。

 

スコット・レディングはMarc VDSに移動しRC213Vで周回したが、彼のタイムは予定されていたようなものでは無かった。レディングは当初RC213VはRCV1000Rが速くなったようなバイクだと思っていたようだが、実際はとんでもない暴れ馬だったようで、彼のテストはとにかくバイクに慣れることに費やされた。

 

ファクトリーホンダチームのダニ・ペドロサはこの日の最後にテストを行い、2人のマルケス兄弟とともに周回した。公式テストは水曜日まで続けられる。
(※アレックスはマルクのバイクに乗ってのデモラン。優勝のご褒美だとかいう話も。)

 

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Monday Summary from Valencia: New Bikes, New Riders, And a Dog & Pony Show

BY DAVID EMMETT