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★ニンジャH2(Ninja H2)の技術詳細について(その2)

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単純に管理人の興味本位で翻訳しているNinja H2(ニンジャH2)の技術詳細に関する内容です。前回はNinja H2(ニンジャH2)の公式サイトより「CONCEPT」「TECHNOLOGY」の中から「The Quest For Power」をご紹介しました。

今回はTECHNOLOGY」の中から「High-Speed Stability & Light Handling」「Shaped for Speed」の内容をご紹介します。

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【高速安定性と軽快なハンドリング】

Ninja H2(ニンジャH2)のシャーシのコンセプトは超高速においても動じないハンドリングを実現すること。サーキットにおいてもコーナリングを楽しめるハンドリングであること。そしてライダーフレンドリーな性格を実現することだった。高速での安定性はロングホイールベースで達成出来る。しかし車体全体のコンパクトさとシャープなハンドリングの実現のためにショートホイールベースが選択された。革新的なトレリスフレームはスーパーチャージドエンジンのパワーを受け止める強靭さとハイスピードライディングにおける安定性と柔軟性を提供する。

 

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トレリスフレームは優雅さを感じさせ、シャーシに求められる性能と軽量さを同時に実現している。スーパーチャージドエンジンのパワーを包み込み、強靭さと同時に柔軟性を実現している。これによって超高速における挙動をうまくいなすことが可能となっている。トレリス構造によってエンジンが外気にさらされているため、スーパーチャージャーエンジンから発生する熱を効果的に逃がすことにも役立っている。各パートのパイプの太さ、曲がりかたなどは、必要な部分に必要な強靭さを保たせるために入念に計算されている。

 

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Ninja H2(ニンジャH2)にはカワサキにして初めての型持ち式スイングアームが搭載されている。型持ち構造にすることでエキゾーストパイプを車体の中心近くにレイアウトすることが可能となり、スポーツ走行時の深いバンク角を実現する。スイングアームマウンティングプレートは新しいメカニズムでありエンジン後部にボルトで接続される。スイングアームピボットはこのプレートに接続されており、つまるところスイングアームピボットがエンジンにあるという事になる。この構造のおかげでフレームは安定性確保のためにクロスメンバーを必要としないため、フレーム自体が軽量に仕上がっている。

(※管理人注 リーク写真が出た時のフレームにスイングアームピボットを持たず、エンジンのクランクケースにスイングアームピボットがあるDucatiと同じピボットレスフレームなんじゃないかという管理人の予想が的中しました!自己満ですw)

 

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モトクロスの世界で開発されたオイルとエアーが別のカートリッジに内蔵された構造のKYB製AOS-IIフロントフォークが初めてロードバイクに採用された。ローフリクションを徹底した作りの43mmフォークは初期の動きは軽く、奥側の動きはダンピングがしっかりと効いたものになっている。

 

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KYB製リアモノショックは極めて優れた安定性を提供する。サスペンションの上部はスイングアームマウンティングプレートに接続される。サスペンション下部はユニトラックリンケージを通して接続され、リアタイヤのブリップコンディションに関わらずライダーに優れたフィードバックを提供する。スイングアームの下部にあるリンケージも同じくスイングアームマウンティングプレートに接続される。

 

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5.5mm厚の330mmブレンボ製セミフローティングディスクは優れた制動力を発揮する。ディスク中心のグルーブは表面積を通常のプレートよりも増しているため、優れた放熱効果を発揮する。デュアルラジアルマウントのブレンボ製対向4ポットモノブロックキャリパーは優れた制動力に貢献している。ラジアルマスター・シリンダー、リザーバーは徹底的にアイドルストロークを無くした状態に調整されている。

 

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星形の5本スポークホイールは超高速での剛性バランスなどをシュミレート、分析した中で決定された。これらの分析の技術はカワサキのスーパーバイクからのもの。リヤタイヤのリム内側にはローレット加工が施されており、エンジンが生み出す圧倒的なトルクによるタイヤとリムの空転を防いでいる。Ninja H2R(ニンジャH2R)にはスリックタイヤが装備される。ブリヂストンのRACING BATTLAX V01は商用で利用可能な超高速での走行に最適なスーパーバイクレーシングタイヤだ。

 

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【スピードのための造詣】

スピードが上がるにつれて空気抵抗は指数的に上昇する。超高速のスピードレンジでの走行を可能とするために、圧倒的な出力のエンジンと空気抵抗が低いエアロダイナミクス重視の造詣が求められた。Ninja H2R(ニンジャH2R)は一般的なスポーツバイクのような戦闘的な見た目ではないかもしれないが、一般的なスポーツバイクの車体姿勢の場合トップスピードを追求する上で邪魔になる空気抵抗が発生してしまう。Ninja H2R(ニンジャH2R)のボディシェイプの考え方としては極限までの空気抵抗の低減を追求するF1に似ていると言える。

 

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川崎重工の航空部門の協力によって極限まで空気抵抗が低いボディワークが実現出来た。アッパカウルのリップとラインによってより多くの空気がその表面を流れるようになっており、チンスポイラーのデザインなども含めてラムエアダクトは最適の位置にデザインされている。チンスポイラーは同時に超高速域においてダウンフォースを発生し、安定性に貢献している。カウルは炭素繊維強化プラスチック製で、背の高いスクリーンはライダーの快適性に貢献している。

 

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高速での直進安定性やコーナリングの安定性の貢献のためにいくつかのエアロダイナミクス・デバイスが装備されている。これらの働きによってフロントホイールはしっかりと路面に吸い付くような状態に維持される。Ninja H2R(ニンジャH2R)の場合はミラーがある場所に炭素繊維強化プラスチック製のウイングがマウントされる。このウイングレットはウイングチップのスムーズなエアフローを助けることでウイングチップでの渦の発生を弱めている。これによってウイングが最適なダウンフォースを発生している。

(※管理人注 ウイングレットとかウイングチップというのはモロに航空用語です。。)

 

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サイドカウルのブレードウイングもまた特徴の一つだ。このブレードウイングにもウイングレットがあり、アッパーカウルのチンスポイラーやウイングと同様にダウンフォースを発生する役割を持つ。

 

Ninja H2R - BUILT BEYOND BELIEF

 

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