気になるバイクニュース。

世界のバイクニュース、MotoGP最新情報、各メーカーの新車情報などを紹介しているブログメディアです。

★カワサキ ニンジャH2R公道バージョンのニンジャH2(Ninja H2)を発表

Sponsored Link

ニンジャH2R(Ninja H2R)公道バージョンのニンジャH2(Ninja H2)がEICMAで発表されました。牙を抜かれたとはいえ相変わらず物凄いスペックです。近年のスポーツバイクとしてはかなり重めなようなのが気になりますね。

f:id:teletele916:20141105152813p:plain

ニンジャH2R(Ninja H2R)の公道バージョンのニンジャH2(Ninja H2)は公道走行に対応するための変更を加えられたモデルであり、排ガスや騒音対策としてカムの変更、ストリートリーガルのエキゾーストの装備、各種保安部品を装備する。

最も注目を集めているのは自社製のスーパーチャージャー。このユニット対する批判(ほとんど他のメーカーからであるが。)の多くはインタークーラーが無いということだが、新気の温度を十分に下げられないという問題はカワサキも十分に承知しているだろう。

 

f:id:teletele916:20141105153023p:plain

アルミ製のエアボックスはインテークからのエアーの冷却に効果を発揮する。シリンダーヘッドのそばに設置された冷却水の経路が燃焼室の冷却に効果を発揮し、ウォータージャケットは各気筒ごと二つの排気ポートの間を通り、スパークプラグ孔の近くに設けられた冷却水の経路などの熱対策が見て取れる。


スパークプラグとバルブシートはスチール製。アルミに比べて放熱性が悪いので、これらを冷やすというのは熱対策の上で大きな効果が見込める。オイルも冷却のために用いるためオイルクーラーを装備するが、このオイルクーラーさえも"水冷式"だ。

f:id:teletele916:20141105153059p:plain

H2Rとの大きな違いは馬力だろう。カムの変更や公道仕様に適応したエキゾーストなどにより、H2の馬力は210馬力に収まっている。とは言え、空車重量238kgはショッキングな数値だ。その他の違いとしては一つ目のLEDヘッドライト、ウインカー内蔵ミラーなど。H2Rと異なり外装はプラスチック製。

 

エンジンの圧縮比は一般のスポーツバイクより低めで、最適な燃料供給のために高圧の燃料ポンプを採用している。正確でスムーズなシフトチェンジを実現するため、ドグリングタイプのトランスミッションを装備している。これはMotoGPプロジェクトからの遺産と言えるだろう。

f:id:teletele916:20141105153121p:plain

スーパーチャージャーはクランクシャフトを動力としており、インペラーの回転数はクランクスピードの9.2倍となる。つまり、クランクスピードが14,000回転の時にはインペラーは130,000回転となる。


スーパーチャージャーで圧縮されたエアーは6Lのアルミニウム製エアーボックスに充填される。アルミニウム製であることで効果的に熱を奪い充填効率を高めており、ブローオフバルブはECUによってコントロールされている。

吸気ポートはスムーズで低抵抗のエアフローを実現するためにポリッシュされている。H2は公道仕様であるために、カムのプロファイルも低速トルクが出るようなものに変更されている。

f:id:teletele916:20141105153141p:plain

4−2−1スタイルのエキゾーストは、排気ポートの形状と合わせてオーバルタイプのパイプを使用している。各配管はクロスセクションに向けてオーバルから円筒にと形を変えていく。45mmのヘッダーはステンレス製で、各4本のパイプのヘッダーパイプは連結されている。

 

ハイテンションスチール製のトレリスフレームはフレームとしての剛性と柔軟性をバランスさせた作りとなっており、エンジン自体の放熱性にも効果を発揮しているだろう。
フロントサスペンションはKYB性のAOS-IIレーシングシステムを採用する。これの元になっているのはオイルとエアーを分離したカートリッジに搭載するモトクロスのサスペンションだ。この種のサスペンションをロードバイクで採用するのは始めてだろう。リヤサスペンションは同じくKYB性のモノショック。ピギーバックリザーバーを備えたタイプだ。

 

ブレーキはブレンボ製の330mmセミフローティングディスクで、ブレンボのラジアルマウント4ポッドキャリパーによって制動される。後輪は250mmで2ポッドキャリパーによって制動され、カワサキABSシステム(KIBS)が標準で装備されている。

5本スポークのホイールはアルミ製。リヤホイールリムの内側にはローレット加工が施してありタイヤとリムの空転を防いでいる。タイヤはブリヂストンのバトラックスRS10を装備する。


高速での直進安定性、高速でのコーナリングの安定性確保のためにアッパカウルにはチンスポイラーがついており、これによってダウンフォースを発生させている。ヒップサポートは15mm前後移動が可能なので、最適なライディングポジションを作ることが可能だ。

 

カワサキトラクションコントロール(KTRC)は豊富なセッティングの中から選ぶことが可能で、モード1はトラック用、モード2はストリート、モード3はウェットコンディション用となっている。レインモードも別に使用が可能で、この場合はエンジンパワーを50%に制限するというセッティングになる。発進時の空転はローンチコントロール(KLCM)によってコントロールが可能。カワサキエンジンブレーキコントロール(KEBC)は減速時にどの程度までエンジンブレーキをかけるかという設定を選択出来るもの。

 

ニンジャH2(Ninja H2)に装備されるライトはライセンスプレートのライトを覗いて全てLED製となっており、ウインカーはミラー内蔵となっている。
ブラックのクロームミラーフィニッシュは表面にシルバー(銀)の薄いレイヤーが形作られている。ニンジャH2(Ninja H2)はH2Rよりも大幅に安くなると予想されており、およそ357万円前後での発売となる見通し。


【ニンジャH2(Ninja H2)諸元】
エンジン:998cc 直列4気筒エンジン
馬力:200馬力/10,500回転(※ラムエアー使用時で210馬力)
ボア×ストローク:76.0 x 55.0mm
圧縮比:8.5:1
ギアボックス:6速、ドグリングタイプ
シャーシ:ハイテンションスチール製
フロントサスペンション:KYB 43 mm AOBフォーク
リヤサスペンション:KYB シングルショック
フロントブレーキ:ブレンボ製ラジアルマウント4ポットキャリパー/330mmディスク
リアブレーキ:ブレンボ製2ポットキャリパー/250mmディスク
ホイールベース:1455mm
シート高:825mm
空車重量:238kg
燃料タンク容量:17L 


MILAN SHOW: 210bhp Ninja H2 road bike revealed - | Motorcycle News | New Motorbikes | Buyers Guides | MCN