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★MotoGP2014 マレーシアGP 決勝後プレスカンファレンス翻訳

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今回のプレスカンファレンスは質問が多く、ヤマハの二人について「どちらがチームのナンバー1なのか?」という質問も出たりと充実した内容になりました。当日の気温は36度、湿度50%で、路面温度54度という暑さの中でのレースとなりました。

 

ニック・ハリス
「マルケス選手シーズン通算12勝おめでとうございます。最後までロッシ選手も優勝争いを諦めずで、素晴らしいレースでした。」

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マレーシアGP優勝 マルク・マルケス
「とてもとても難しいレースでした。フィジカルの面で特に厳しかったですね。最初の1コーナーでブレーキが遅くなりすぎてしまってインに入ろうとしてホルヘと接触してしまいました。それによってポジションをかなり落としてしまい、3周目くらいまではとにかく飛ばしました。ヤマハ2台に追いついた後、タイヤとブレーキをクールダウンさせようとしたんですね。残り7、8周の段階で、いつも通りの作戦でプッシュを開始して100%の力で走行しました。ただヘルメットの中も物凄く熱くて、凄く厳しいコンディションの中でのレースとなりました。今日は久々にトップに戻ってこれて嬉しいです。そしてミック・ドゥーハンの記録に並ぶことも出来ました。」

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ニック・ハリス

「最終戦のヴァレンシアは昨年良い思い出がある場所ですね。もしヴァレンシアで勝つとなると、最高峰クラスの1シーズンで最多優勝を遂げたライダーになりますね。」

マルク・マルケス
「もちろんそうですけど、ヴァレンシアは特にプレッシャーを感じずに、ただ楽しみたいと思います。ここで勝てないままにヴァレンシアだとプレッシャーが残ったと思いますが、今回ここで勝てたので、ヴァレンシアには全くプレッシャーは無いですよ。とにかく100%の力で走って楽しんで、ファンにとって最高のレースにしたいと思いますね。」

 

ニック・ハリス
「マルケスファミリーにとっては、特に弟にとってはプレッシャーがかかるレースになりますね。」

マルク・マルケス
「ヴァレンシアでは弟に勝って欲しいですね。自分が持っている幸運すべてが弟にいくようにと思ってますよ。ただ今日の弟のパフォーマンスは良かったですよ。」

 

ニック・ハリス
「ありがとうございました。それでは次にヴァレンティーノ・ロッシ ここはタフなレースが多いですね。」

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マレーシアGP2位 ヴァレンティーノ・ロッシ
「2010年以降表彰台に乗ってないんですが、ここは大好きなサーキットですよ。大好きなんですがトップについて行けなかったということで、去年はとてもフラストレーションがたまるレースでした。今日の2位は純粋に嬉しいですし、チャンピオンシップにおいても非常に重要ですね。今回は練習走行からセッティングに苦戦していたんですよ。良いセッティングを出すことが出来なくて100%の走行が出来なかったんです。ただ、朝のWUPではセッティングを進めてバイクを良い方向にすることが出来ました。」

 

「実際決勝ではバイクは最高の調子で、スタートも良かったし、序盤はホルヘと素晴らしいバトルが出来ました。ホルヘを抜けるかどうかというところでマルケスが後ろに来ているのはわかったんですが、今日はそこまで早くなさそうだったので優勝出来るかなと思っていたんですよね。彼に抜かれた後もピッタリとついて行くことが出来たし、実際何度か抜こうとしていましたしね。ただ、その後ペースを維持することが出来なくなって逃げ切られてしまいました。でも今日の2位は満足してますよ。」

 

ニック・ハリス
「チャンピオンシップでの2位というのも現実味を帯びてきました。今年は素晴らしいシーズンですね。」

ヴァレンティーノ・ロッシ
「去年と比べると表彰台も勝利数も2倍ですね。チャンピオンシップでは現在2位ですしね。例年ヴァレンシアは苦戦するんですけど、今年の目標は表彰台ですしレースの中で戦闘力を発揮するということです。」

 

ニック・ハリス
「ヴァレンティーノありがとうございました。それでは3位のホルヘ・ロレンゾ 今日は最高のスタートでレース序盤をリードしましたね。」

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マレーシアGP3位 ホルヘ・ロレンゾ
「そうですね。今週はとにかくコンディションが厳しかったですね。特にレースは暑かったですし。おそらく自分のキャリアの中でも一番暑いマレーシアGPになったと思います。そんなわけで、レースの中ではフィジカルのコンディションをしっかりと保つ必要がありましたね。そういう意味では今回、自分のトレーニングが足りなかったと思います。このトラックでハードタイヤであのリズムを維持していくというのは非常に難しいと思いますが、今日はマルク、そして特にヴァレンティーノが素晴らしい走りをしていました。自分の場合で言えば中盤までがベストでしたね。」

 

「とにかく今日のヴァレンティーノは素晴らしかったですね。どうやって練習走行の段階からここまで仕上げてこれたのか不思議ですよ。自分はあそこまで仕上げることが出来ませんでしたね。あと燃料タンクのラバーパッドが外れてしまって、ブレーキングの度に前にずれてしまったりして。。とにかく今日はベストとは言えない走りでした。」

ニック・ハリス

「ホルヘ ありがとうございました。それではフロアからの質問をどうぞ」

 

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Q
「先程マルケスが、今日の最大のライバルは天候だったようなことを言ってましたが、それについてはどう思いますか?」

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ヴァレンティーノ・ロッシ
「ああ、それはさっき自分がマルクに言ったんですよ。今日の本当のライバルは自分になるはずだったからね。(笑)でも自分としてはマルケスのフィリップアイランドの戦略のほうが好きだったなぁ。(笑)今日の自分はけして遅くは無かったけど、彼に追い付くにはもう少し頑張らないとね。」

 

Q
「ホルヘ、今日のフロントタイヤの選択には後悔していますか?」

ホルヘ・ロレンゾ
「正直にいうと今週は凄く妙だったんですよ。いつもはソフトを試してそのままソフトなんですけど、今週は逆でした。今週は両方を試して最終的にハードを選択しました。けしてソフトが良かったということはないですし、今日はタイヤが原因では無いですね。」

 

Q
「ヴァレに質問です。最後にスローダウンせざるを得なかったと語っていましたが、タイヤ、もしくはフィジカルの問題ですか?」

ヴァレンティーノ
「いや、フィジカルは問題なかったんだけど、タイヤのグリップが落ちてしまったんですよね。ホンダはリヤだけのようだったけど、ヤマハの場合はフロントも同様にグリップが落ちてしまってね。それでチャタリングが出たり、コーナーではらんでしまったりでね。マルクも同様に滑っていたようだったけど、彼の場合はその状況でも向きをしっかりと変えられていたみたいですね。ヤマハの場合は最終周に関してはほとんどタイヤは”終わってしまっていた”といえるでしょうね。ですから最後のほうは彼に2秒近く離されて周回することになってしまっていたんですよ。」

 

Q
「マルクに質問です。レース後とても喜んでいましたが、あれは久々の勝利だったからということでしょうか?」

マルク・マルケス
「そうですね。最後に優勝したのがシルバーストーンだったので、ずいぶん久しぶりでしたしね。シーズン前半に積み上げたポイントの貯金があったのでシーズン後半に入って何度かのミスを吸収出来ましたけど、やはり優勝はいいですね。今週の目標でもありましたし。優勝する為に準備をして備えてきたんで。」

 

Q
「ヴァレンティーノに質問です。決勝に向けてのマシンの改善について教えてもらえますか?全ての詳細でなくても構いませんが。」

ヴァレンティーノ・ロッシ
「タイヤに関するセッティングを変えたんですよ。コーナーのなかで幾つかタイムをロスしているところがあったので、そこに注力してセッティングを行いました。それが今回のカギでしたね。」

 

Q
「マルク、Moto3のレースについてどう思いますか?特にミラーについてはどう思いますか?」
(※マレーシアGP決勝でジャック・ミラーはアグレッシブな走りで、数回アレックス・マルケスに接触した。)

マルク・マルケス
「今回のこういう出来事に関してのやりとりやレースディレクションからの指示なんかに関しては、自分もかなり経験があるんですが(笑)レースの中で1回程度接触があったということでレースディレクションに呼ばれる事はありましたが、今回のように6回も7回もというのは正直見たことがないですね。ただこれもレースディレクションが決めることですし、彼らがOKだというのであればOKなんでしょう。自分の弟もこういった激しい戦いの中でやっていくだけのフィジカルの強さはあると思ってますし。」

 

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Q
「3人に質問ですが、Moto2のティト・ラバトがシーズン優勝を決めましたが、どう思いますか?」

マルク・マルケス
「彼とは個人的に仲も良いし一緒に練習する間柄なんで、彼がトップというのは見ていて嬉しいですよ。彼と一緒に練習をしているからこそ、彼がプライベートをどれだけ犠牲にして打ち込んでいるかも知っていますし、毎年毎年少しづつ速くなっていって今があるわけですから、見ていて嬉しいですね。」

ヴァレンティーノ・ロッシ
「ティトの事は大好きですね。彼は本当に狂ったようなバイク好きでね(※Fuc*in Crazyと言ってましたw)彼は自分のレベルを向上させるということに関してけして諦めずに乗り続けていて、どうやったら上手く乗れるのかということをずっと探求してますよね。恐らくMoto2のチャンピオンシップで戦っている中で一番努力していると思いますよ。出来るだけ速く彼におめでとうと伝えたいですね。」

ホルヘ・ロレンゾ
「ティトはあのクラスで最も才能がある選手の一人だと思いますね。もともと才能もあるし、それを伸ばすための努力もしていますよね。」

 

Q
「ファクトリーヤマハチームを見ていると、明らかにどちらがナンバー1で、どちらがナンバー2というのが無いように思いますが、それに関して二人の意見を聞きたいのですが。」

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ヴァレンティーノ・ロッシ
「確かにそうですけど良いことだと思いますよ。2010年に自分がヤマハを辞めたのは間違いだったと思います。同じ理由だったんですけど、自分はあの時ナンバー1として扱ってほしかったんですよ。でもヤマハは彼を自分と同じ待遇で扱った。当時はそれが嫌だったんですけど、今考えるとその考えは間違っていたと思います。その後ホルヘがワールド・チャンピオンとなって自分が戻ってきて、こうして同じ待遇で扱ってもらっている。ヤマハは二人のライダーが同じ環境で競い合って欲しいと思いながら、同時にしっかりとサポートもしてくれていますよね。」

 

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ホルヘ・ロレンゾ
「そうですね。2008年にヤマハに移籍して来た時からですけど、ヤマハはバイクに関してもバイク以外のことに関しても、二人を同様の待遇で扱ってくれています。最初の年は自分はミシュランタイヤを使っていたのでその部分は違いがありましたけどね。2009年のブルノからは完全に同じになりましたね。それまでは99%同じという感じでしたけど、2009年からは100%同じになりましたね。ヤマハは2人のライダーにバイクの改良を続けて欲しいと願っているでしょうし、これからもその方針が変わることはないと思いますね。」

 

Q
「マルクに質問です。アジアンタレントカップの写真を見ていましたが、若いアジア圏の若者にMotoGPで走る為のアドバイスなどありますか?」

マルク・マルケス
「ああやって100%の力で走っているのを見るのは良いですよね。1位2位のライダーは、日本人とマレーシアのライダーでしたよね。ああして自分の100%の走りを見て貰う機会を多く持って、トップクラスのチャンピオンシップでレースが出来るようになって欲しいですね。」

 

Q
「ヴァレに質問です。マレーシアGPは99年から今年で14回目の開催になりますが、マレーシアにおけるMotoGPの認知の拡大やファンの増加、それに雰囲気についてどう思いますか?」

ヴァレンティーノ・ロッシ
「そうですね。昨日も同じような事を話していたんですけど、99年から長い歴史がありますが最初の頃はスタンドはガラガラでしたけど、今や満員ですよね。スターティンググリッドでの雰囲気はバルセロナとかムジェロみたいな雰囲気ですよね。MotoGP自体の興行の成功でもあるし、ここで走るライダーにとっても最高の環境だと思いますよ。」

ニック・ハリス
「質問は以上ですか?それではありがとうございました。」