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★カル・クラッチロー 2014年を語る 第三話(メンタルの強さの重要性)

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motomattersに掲載されている、カル・クラッチロー選手の今年度に関しての詳細インタビューの二話からの続きです。

最終話の今回は、クラッチロー選手がいかにメンタルの強さがこのスポーツにおいて重要だと考えているか?、そして来年からチームメイトとなるジャック・ミラーについてです。f:id:teletele916:20141009221705p:plain

第二話はこちら。


★カル・クラッチロー 2014年を語る 第二話 - 気になるバイクニュース。

 

ダビデ・エメッ

「ジャック・ミラーがチームメイトというのはどうですか?Moto3からMotoGPにステップアップというのは非常に大きなステップだと思いますし、彼自身も非常にしっかりした選手だと思います。」

カル・クラッチロー
「大きなステップアップかどうかは正直良くわかりませんね。しばらく前にそんな話があったんですが、自分としては、別にどんどんやればいいじゃん。と思いましたよ。だって凄い事だし面白いじゃないですか。確かに1年は慣れるのにかかるかも知れないですけど、でも自分がとやかく言えるもんでもないですよ。Moto2で1年学んでからのほうがいいかもな。なんて思いましたけど、MotoGPで1年学んだって同じ事だと思うんですよ。」

 

「55馬力のバイクから、250馬力近いバイクに乗り換えなんだからということを皆言いますが、たいしたことではないですよ。だってスロットルを開ける右手をコントロールするのは自分ですからね。スピードが欲しけりゃスロットルを開ければいいし、スピードを出したく無ければスロットルを開けなければいいだけですよ。彼はそういう事は出来るライダーですよ。」

 

「ただ彼に言えるのは、MotoGPではMoto3のような楽しさは望めないぞって事ですね。誰かの後ろについてチャンスを次の周まで待つとか、そういう事は出来ないですし、Moto3のレースよりも50%は緊張感が高いでしょうね。別に自分がMoto3に行ったら勝てるとかそういう意味で言ってるのではなくて、完全に別のチャンピオンシップだということなんですよ。1位グループの8番手としてチャンスを待つとか、次のコーナーで3台パスするぞとか、そんな事は不可能ですからね。そういった違いを1年学ぶ必要があるでしょうし、2年目、3年目と学んでいく必要があるでしょうね。」

 

「そういう意味ではチームとして面白くなるだろうし、士気も高まるでしょうね。ちょうど去年自分がブラッドリー・スミスとテック3で走っていた時はそんな感じでしたね。多分ブラッドも懐かしがってるんじゃないかな。今年の彼のチームメイトはチームメイトというかライバルって感じのポル・エスパロガロでしょ。ちょうど自分とドヴィヅィオーソの関係というか。まぁでもドヴィヅィオーソはライバルとは言えないか。。彼は毎度自分よりも30秒は速いですからね。でもチームメイトとの雰囲気が良いと、お互いに良い結果を引き出せるんですよ。」

 

「ちょうど今日ブラッドにリラックスしろって言ったんですよ。なんだか自分に言っているみたいで妙でしたけどね。昨年の終わり頃のブラッドは凄く強かったんですよ。なぜなら彼はチームのナンバー1じゃなかったからなんですよ。もちろんチームからは同じ条件で同じように扱われていましたけど、彼に関しては結果を期待されていなかったんですよ。だから彼も結果を気にせず走っていた。でも、ムジェロでクラッシュした後にバイクの扱い方をすっかり覚えて、後半のレースでは自分を引き離して走行してましたね。」

 

「今現在の彼のモチベーションは、ポルを負かすことでしょう。(彼らはMoto2時代にもライバル関係にあった)だから彼に今の状況を楽しめよって言ったんですよ。去年の最後の頃は肩肘張らずに速く走れてただろってね。」

 

ダビデ・エメット
「なるほど。面白いですね。今までレースのメンタル面を中心に話して来ましたけど、この前Moto2とMoto3に関する記事を書いたんですよ。そこで戦う選手達は皆ハイレベルで、大きなレベルの違いは無いんじゃないかとね。そこであなたに伺いたいんですが、こういったレベルの戦いにおいてメンタルの面はどの程度重要なんでしょうか。」

カル・クラッチロー
「この前ヴァレンティーノがミサノで勝ったのは彼がFP3とFP4で良い結果だったからだと思うんですよ。そこで勝利への心構えというか勝利するために必要な気持ちが揃ったというかね。マルケスがいようがいまいが関係なかったと思いますよ。シルバーストーンではトップから9秒遅れだったにも関わらずね。9秒は大きなギャップではないかもしれないけど、確かなギャップではあるんですよ。でもそこから1週間で勝てるようになった。それもこれも良いセッションが出来たからなんですよ。」

 

「メンタル面については実に多くの事をする必要があります。マルケスはそういう意味では誰よりもメンタルが強いでしょうね。なぜなら彼は誰よりもレースを楽しんでますからね。前回みたいに結果が悪かった後に、どうやって巻き返してくるかが見ものですね。でも彼の事だからすぐに調子を取り戻して、また勝つでしょうね。なぜなら、彼は何があっても落ち込んだりはしないでしょうから。彼はミサノでは他のライダーよりも調子が悪そうだったからこそどうなるか面白いなと思っていたんですが、それでも彼は誰よりもレースを楽しんでいたからこそメンタルで誰よりも強かったですよね。」

 

ダビデ・エメット
どうやったらメンタルを強化するかということは学べるものですか?

カル・クラッチロー
「うーんわからないですね。出来るとは思います。自分もそういう時はありますから。自分はメンタルが弱いんですよ。でも同時に、別のシチュエーションでは誰も自分を負かすことは出来ないと思える時もあります。メンタルの強さを持つようにすることは出来ると思いますが、どこかで見つけられるような類のものではなくて自分でその方法を見つけないといけないんですよ。だって誰もがメンタルの強さは欲しいですからね。でもこの世界で戦っているわけですからどのライダーもメンタルは強いはずなんですよね。そうでなければこの世界では戦えませんよ。いずれにしても、その方法は自分自身で見つける必要がありますね。」

 

「でも不思議なことにメンタルの強さを得たとしても、失うのは一瞬なんですよ。でも調子が乗っている時はずっとそれが持続するものなんです。なんというか、常に波の頂点に乗っているような状況ですね。ずっと波の頂点に乗ってサーフィンしていくようなね。でもそこから落ちてしまった時は本当にクソッタレな感じになりますよ。でも良いセッションを重ねて良いライディングを続けていけば、いずれメンタルの強さは戻ってくるんですよ。で、その状況になれば、あのライバルみたいに強くなれる。こんな事が出来る。あんな事も出来る。という風に感じるものなんですよ。本当に不思議なんですけどね。」

(motomatters)