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★MotoGP2014 アラゴンGP プレスカンファレンス全文翻訳

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さて、大波乱の展開となったアラゴンGP決勝のプレスカンファレンス全文インタビューです。先週末は忙しくて予選の全文インタビューが間に合いませんでした。。カルがジジに何をお願いしたのか気になりますね。。

 

ニック・ハリス
「凄い展開のレースになりましたね。練習走行や予選から考えると、あなたがここに座っているのが信じられないですよ。」

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アラゴンGP決勝1位 ホルヘ・ロレンゾ
「凄いレースでしたね。この結果は凄くポジティブな内容です。今日のようなレースではあらゆる自体が起きうるので、とにかく集中していなければいけません。いつバイクを乗り換えるのかというのが非常に難しいんですよ。多くの幸運にも恵まれました。今日はドライの時も良いペースで走行出来ましたし、レインコンディションになっても非常に集中して走行することが出来ました。」

 

「今日はマルケスにしっかりと食らいついて行くことが出来ましたね。気温が低かったので昨日に比べると良いコンディションで走行出来ました。予選までの段階ではもっとペースを上げないとまずいとわかっていたんですが、WUPでかなり良い感触をつかめました。ブレーキングも強力にかけられましたし、より速いコーナリングスピードで曲がることも出来ました。」 

 

「ただ、リヤタイヤが結構スピンしてしまっていたのが残念でしたね。マルケスとトップ争いの良いバトルが出来ていたのに、徐々に後退せざるを得ませんでしたからね。ラップごとにどんどんホンダの二人が先に行ってしまって、アンドレアにも追いつかれてしまってましたからね。今回は4位か5位止まりだろうなと思っていたんですよ。レインでの感触が良かったので、後半はかなりリスクを冒して飛ばしました。今回はしっかりとチャンスを活かせたと思いますね。」

 

ニック・ハリス
「今シーズンは序盤のレースは苦難のレースでしたね。その後は今回のアラゴンまで2位を4回連続で獲得しました。また、ヤマハにとっても嬉しい2連勝ですね。」

ホルヘ・ロレンゾ
「今回に関して言えば、ホンダには勝てないと思っていたんですよ。きっと表彰台だとしても3位だろうなと。今回は雨だとかライバルのクラッシュはありましたが、ずっとコンスタントに良い調子で走行出来ていると思います。勝てると思っていなかったトラックで勝てたのは嬉しいですし、モビスター(本社はスペインの会社です。)のホームで勝てたということも嬉しいですね。」

 

ニック・ハリス
「次は日本での茂木GPですね。去年はマルケスとの戦いがありましたね。」

ホルヘ・ロレンゾ
「確かに昨年は茂木でマルケスに勝ちましたが、今年は状況が違いますね。悪いとは言いませんが明らかに状況としては違います。タイヤにもよりますがホンダがどう仕上げてくるかですね。ただ、この5戦は常に表彰台に上がっているわけですからね。チャンピオンシップの面でいえば、ヴァレンティーノとダニが転倒したことによりさらに接近できたのはラッキーだったと思いますね。」

ニック・ハリス
「ありがとうございました。それでは次にフォード・ヤマハのアレイシ・エスパロガロ。今日のレースではあなたが先頭になってレイン用マシンへの乗り換えを、勇気を持って決断していたように思います。」

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アラゴンGP 決勝2位 アレイシ・エスパロガロ
「今日の結果は凄く嬉しいですね。練習走行から予選と非常に調子が悪かったので、WUPの時間を使ってセットアップを進めていたんですよ。ですから決勝でここまで上手くいくとは思っていなかったんです。3コーナーでブラッドリーと接触してコーナーの外に押し出されたんです。結局1周目は最下位付近で周回したんですが、その後必死に皆を抜きにかかりました。」

 

「残り10周くらいで6位にまで上がれたという事だけでも素晴らしい結果でした。どんどんと雨が強くなっていって止む気配が無いと感じたので、直ぐにバイクを交換しにピットインすることにしました。バイク交換のタイミングが他のライダー達よりも1周速かったことがこの順位のカギだと思いますね。フォワード・レーシングのためにも今回の順位は嬉しいですね。」

 

ニック・ハリス
「最後の最後のストレートでのカルとの肘を使っての競り合いは凄かったですね。」

アレイシ・エスパロガロ
「最後はバイザーが水滴でほとんど見えていない状態だったんですよ。とにかく集中してストレートを走行しようと最終コーナーで考えていたんですが、後ろからエンジン音が聞こえてDucatiが迫っていました。ストレートで絶対に抜かれると思ったんで肘を少しだけ広げたんですよ。後でカルに聞いたら、二人共接近して並走していたせいでシフトアップが出来なかったらしいんですよ。とにかくラッキーでしたね。」

 

ニック・ハリス
「今季初の表彰台のアレイシ・エスパロガロでした。では次にこちらも今季初表彰台のDucatiカル・クラッチロー。これまでずっと辛い道のりでしたね。」

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アラゴンGP 決勝3位 カル・クラッチロー
「そうですね。これだけ頑張ってきたものがようやく実ったと感じますね。2列目からの良いスタートとなりました。序盤からリヤタイヤがかなりスライドしていました。今日はポル、ブラドル、バウティスタ、アレイシとバトルをすることが出来たんですが、もう少し速く走れると思っていたんですよね。バックストレートのコーナーの出口のスピードがライバルに比べて劣っている状態でした。」

 

「今週はバイクがドライでもレインでも良い調子になってきたのが嬉しいですね。バイクの交換のタイミングも非常に良いタイミングで行う事ができました。ブラッドリーが自分を抜こうと迫ってきている状態だったので、自分がピットインしたタイミングで抜かれたろうなと思っていたんですが、マシン交換後にピットから出ても前にバイクがいなかったのでブラッドリーも同時にピットインしたんだとわかりました。チームのお陰で素早くマシン交換が出来ましたね。後半はレインで良いペースを掴んでアレイシに最終コーナーで追いつくことが出来たんです。」

 

ニック・ハリス
「最終コーナーの立ち上がりはどうでしたか?2位が獲得出来る!と思いましたか?」

カル・クラッチロー
「実のところ表彰台が獲得出来ただけでも御の字ですよ。ただできる事なら2位が良かったですね。自分も最終コーナの立ち上がりは前が全然見えない状態だったんですよ。危うくアレイシに追突するところでした。」

 

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アレイシ
「いや、ぶつかってたでしょ(笑)」

カル・クラッチロー
「まぁ、確かに(笑)でもアレイシと並んでいる状態だったので、彼のマシンに足があたってギヤチェンジが3速から出来なかったんですよ。普段は5速で走っている区間なんですけどね。ですから今回は2.5位というところですね。」

ニック・ハリス
「表彰台へのカムバックおめでとうございました。それではフロアからの質問をどうぞ。」

 

Q
「ホルヘ・ロレンゾに質問です。一番最初に勝てる!と思ったのはいつのタイミングですか?」

ホルヘ・ロレンゾ

「今日に関しては集中力を失わないことが大事でしたね。何が起きるかわからないですから。何周目に自分のポジションを意識したか正確には覚えていないですね。ラストラップは良いタイムで走れていると思っていましたが、2位ライダーがどの位費にいるのかはまるでわからなかったです。ただ後ろは振り返らずに、ひたすらレインコンディションの中で集中して良いタイムを刻むように集中していました。なにせWUPでは自分よりも速いライダーがいましたからね。今日は雨の中でリヤが何度も滑っていましたけど、勝利のチャンスでクラッシュするわけにはいかなかったのでとにかく集中していました。」

 

Q
「ホルヘに質問です。今日のレースであなたがレインコンディションで速いことに驚きはありませんでしたが、ドライコンディションでも速かったのは驚きでした。今日のドライコンディションでのパフォーマンスのカギは何だったのでしょうか?」

ホルヘ・ロレンゾ
「色々なことの組み合わせだと思います。昨日の予選は非常にがっかりする結果でした。マルクがやたらと速くてダニも速くて、自分は去年よりも遅い。このタイヤでは2列目を獲得するタイムを出すことが出来ませんでした。もっと良いタイヤが必要だと思っていたんですが、気温が下がったことによって速く走れるようになりました。同時にマルクは少し遅くなりましたしね。」

 

「これはなんというか、えーと(英語の単語を探している)まぁそれはともかく、今日は3位か4位がせいぜいだと思っていて、優勝出来るとは思っていなかったんです。マルクに少しは接近出来るかなという程度だったんです。レース開始後の1周目のコーナーでブレーキを速くかけすぎてしまい、両脇から抜かれるというミスはありましたが、最終コーナーでまた仕切り直しが出来ました。それを考えても今日の1周目は良かったですね。そこでドライに対しての自信が持てたので、最後までマルクと全力で戦う事が出来ました。」

 

Q
「昨日はロッシが気温が下がるとヤマハには良くないと語っていましたが、タイヤは固めのコンパウンドのものを履いていました。あなたはソフトタイヤを使用していたようですが。」

ホルヘ・ロレンゾ
「レースでは前後ともにソフトでした。昨日と同じでね。ただ、今日に関しては気温が低いほうがコンディションが良かったですね。コーナーエントリーも良かったし、ブレーキもよりハードに遅くまでかけられました。昨日の段階で、もしかしたらブレーキを強くかけすぎているのかもしれないな。と思ったんですよ。今日はいつもよりも弱めにブレーキをかけてみたんですよ。この内容に加えて、いくつかの要因のコンビネーションでさらなるスピードが得られたと感じますね。」

 

Q
「同じくホルヘに質問です。レースの中でマルケスがスローダウンしてあなたを先に行かせる場面がありましたが、あれはどういうことだったんでしょうか?」

ホルヘ・ロレンゾ
「それまではかなり彼とは離れていたんですが、彼がスローダウンしたので接近したんですよね。彼が単純に自分を前に行かせたがったのか、水しぶきで前が見えないのを恐れて自分を先に行かせたのか、エンジントラブルだったのかはわかりません。ただ、いずれにしも自分も彼をパスしよう決めてパスをしたんですが、その後に彼はしっかりと付いてきましたね。ですからエンジントラブルでは無かったんでしょうね。(笑)その後、抜かれて抜き返してという展開でしたが、そこまで二人の速度差は無かったと思いますね。」

 

Q
「3人に聞きたいのですが、マシン交換の為にピットに入るタイミングの判断はどうつけましたか?またマルケスは出来ればスリックのまま走りきってレースを終えたかったと語っていましたが、それについてどう思いますか?」

ホルヘ・ロレンゾ
「自分は最終コーナーで決めたんです。前を走っているマルクとダニがピットインせずにスリックタイヤで走り続けていくのを見て、このまま後を追って4位5位で終わるほうを選ぶか、ピットインするという選択をしてリスクを取ることで(もし雨が弱まったり、止んだりすればピットインするだけ時間の無駄になるため)優勝を狙いにいくか。。そこで自分は優勝を狙いに行く方にかけたんです。雨はどんどん強くなっていっていたしね。ただ、この結果は単純にラッキーだったと思いますよ。雨が弱まったり止む可能性もあったわけですからね。」

 

カル・クラッチロー
「あのまま走り続けられたかったって?それは無理でしょう。あと1周でも皆走っていたら全員クラッシュしてたと思いますよ。フラッグ・トゥ・フラッグのレースについてのレギュレーションを変更するべきだという意見もありますけど、いつマシンを交換すべきかは各ライダーが判断するべきことですからね。今回表彰台に上がっているライダーは、その判断を最適なタイミングでしたということでしょ。」

 

アレイシ・エスパロガロ
「雨が降り出した後は全然止まなかったので、ホルヘも言っていたようにラッキーだったとは思います。雨のせいでバイザーが曇ったりしてきて何とかしたかったのでピットに入ったわけですが、丁度ピットアウトした時に雨が激しくなりました。その後は自分よりも速かったライダーを何人もパスできました。自分の感覚としては、あの雨の中でスリックタイヤでフィニッシュすることは不可能だったと思います。トラクションコントロールもそこまで効かないですから、少し寝かして開けただけでも吹っ飛んでしまいますからね。レインタイヤであってもリヤは常に滑っていましたから、スリックであの中を走るなんて事は不可能ですよ。」

 

Q
「カルに質問です。以前1つの素晴らしい結果が今後の流れを大きく変えるというような事を語っていましたが、今日のレースはそれにあたるレースですか?」

カル・クラッチロー
「ええ。今後3戦は勝つつもりですよ。それがプランですね。(笑)1つの表彰台という結果がフロントに出るためには必要ですよ。まぁ、それはさておき、今日はドライで速かったと思うんですよ。スタートのスピードに関しては少し残念でしたけどね。少し問題もありながら良いペースで最後まで走れました。予選2列目、決勝で表彰台というのは素晴らしいと思います。ブラドル、ポル、アレイシといった今まで20秒近くも前を走っていた選手たちと競い合えたのは素晴らしかったですね。今後3戦に渡ってポジティブな内容ですね。」

 

Q
「今後Ducatiに望む事は何ですか?バイクについて何かしら望む事は?」

カル・クラッチロー
「まずは今日の夜はチームとお祭ですね。チームは自分をけして諦めずに支え続けてくれたし、凄く献身的に働いてくれています。確かに自分には最新のエンジン、シャーシ、タンクなどのパーツは供給されていません。来年自分はDucatiを離れるわけですからね。ただ、それでもチームは最大限の仕事をしてくれています。ただ、パルクフェルメでジジに一つだけお願いしたんですよ。」

 

Q
「何をお願いしたんですか?」

カル・クラッチロー
「内緒です(笑)」