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★2016年からのMotoGPマシンの最低重量は150kg?

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2016年に向けてマシンの最低重量が下がるかも?というasphalt & runbberの記事です。

蛇足ですが、このサイトは他のサイトに比べて深い考察、記者もちゃんとライダーだなとわかる書き方なので管理人一番のお気に入りサイトです。

 

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340mmのブレーキディスクの使用がすべてのサーキットで許可されたということは、しばらくの間MotoGPにおいて議題に上がって来なかった問題を再燃させている。

 

大径のフロントブレーキディスクの茂木以外のコースでの使用許可(茂木は安全の観点から340mmディスクの使用が強制)は、ここ3年でMotoGPマシンが重く、より高出力になってきた事に起因する。しかし、大径ディスクを使用するよりも簡単なブレーキングの問題の解決策は、マシンの最低重量を軽くすることだ。

 

コスト削減の為に320mm以上の径のブレーキディスクをグランプリコミッションが過去に禁止したわけだが、その後マシンが1000ccになり最高速度が上がったことにより、こうした問題が再燃しているというのはある意味皮肉だ。

 

最低重量は当初150kgだったのが153kgになり、2012年に157kg、2013年に160kgにまでなった。エンジンは800ccから1000ccにアップし、パワーは約10%、ウェイトは7%アップしており、これが近年のブレーキの容量不足の原因と言えるだろう。

 

2012年にベン・スピーズが茂木でブレーキに問題を抱えたことによって2013年から茂木で大径ブレーキが強制化され、ヤマハのライダーに関しても2013年は常にストッピングパワーの不足に悩んでいた。今年で言うとクラッチローがDucatiのGP14でブレーキングに苦しんでいるわけだ。

 

340mmのブレーキディスクの使用許可は、今のブレーキング問題の最も簡単な解決策と言えよう。しかし長期の問題として考えると最低重量の低減こそが求められる。

2016年からは新しいルールの元、CRTという面倒なクラスもなくなっているし、オープンクラスのマシンはファクトリーに非常に近い性能であるので、ファクトリーマシンだけ最低重量を重めに設定してハンデを付けてやる必要もなくなるわけだ。

 

実際のところどの程度までマシンを軽くすることが可能なものなのか、レースディレクターのマイク・ウェブがヘレスで語ってくれた。

彼によると、マシンの最低重量をまずは155kgもしくは150kgに減らしてはどうかという提案があるらしい。現在の技術をもってすればどちらも達成可能な数値であり、さらに軽くすることも可能らしい。

 

FTRのシャーシのグールーのマーク・テイラーによると、現代のきちんとしたエンジニアであればマシンを150kgで仕上げること可能で、それよりも軽くするとなると(例えばマシンを140kgで仕上げるとなると)かなり難易度は高いようだが、より軽量な部材を使用することで達成は可能らしい。ただ、コストの増大は避けられない。。

 

マシンを軽くしようというのはブレーキングに限った話ではなく、マシンのクラッシュ時の滑走距離の低減にも役立つ。マシンを350km/hまで加速するのにはとてつもない力がいるわけだが、そのマシンを減速させるのにも同様に凄まじい力が必要となるのだ。

 

現在のランオフエリアは、舗装、グラベルトラップ、エアーフェンスという構成だ。

しかし、近年の最高速度とマシンの重量の増加によってエアーフェンスの設置位置が限界に近づいている。本来であれば舗装の後のグラベルトラップによってマシンの減速が完了し、エアトラップは使用しないで済むのが理想である。

 

過去にはエアートラップがどんどんと外に外にと押し出せれていき、(移動には物凄く費用がかかる)いくつかのサーキットではもはや限界になっている。

 

この問題を解決するには2通りの方法がある。

 

1つはマシンのトップスピードを下げることであるが、これは現実的には難しい。ドルナはトップスピードの現象を目指してエンジンのレブリミットを厳密に定めているが、800ccになってMotoGPはコーナースピードが大幅に上がるという結果になった。

つまりトップスピードに上限を定めつつ、コーナーリングスピードも制限しなければならない。つまりマシンのグリップを落とす事、電子制御の簡素化とタイヤ自体のグリップの低下が必要だ。

 

2016年からミシュランがタイヤコンストラクターになることで、タイヤがグリップしすぎと言う問題はひとまず小休止するだろうが、すぐにまたグリップの改善が進んでいくだろう。

 

確かにマシンの最低重量の低下は影響としては小さいものの、実行の容易性は高い。

現在の3ファクトリーは最低重量を達成するためにバラストを積んでいるし、本来はチタンやカーボンで作るべき部品をステンレスで作るなどして、マシンの重量を上げている状況だ。

 

バラストを外すとなると多少のマシンバランスを調整する必要が出てくるだろうが、現在のエンジニアリングの重大な課題とはならない。

 

MotoGPは2016年から新しいタイヤマニュファクチャラーに変更となり、新しい電子制御ソフトを共通で使うようになる。このタイミングこそが最低重量の見直しに最適な時ではなかろうか。

asphalt & rubber