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★MotoGP ファクトリー2構想とそれに伴うゴタゴタ。

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またしても、別角度からファクトリー2の記事が出ています。

超長文なので、結構翻訳に手間取りました。。

 

結局のところ、ドルナが2017年から目指している全機共通のオープンソフトウェアとECUの導入に、早くから賛成して開発に協力したDUCATIと、それに反対のホンダとヤマハという図式。

 

「去年までファクトリー体制だったDUCATIオープンクラスっていうのは卑怯じゃねーのよ。」という他のチームの主張という図式を予備知識として読むとわかりやすいです。

 

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今回のファクトリー2をふくめた合計3クラス構想というバカバカしい事態で責められるべきは誰か?

 

このレギュレーションが最初に発表された時、ファンはホンダを責めた。

というのもホンダがオープンクラスに対して一連のコメントの中で否定的であったからだ。

 

ホンダはプロダクションレーサーを作ることが彼らの使命だと思っているため、このような反応を示しているわけだ。

そして残念ながら、ホンダが作り上げたプロダクションレーサーは、2013年型のサテライトM1をオープンクラスのソフトウェアで走らせるヤマハと比較するとあまりにも遅い。

ヤマハはレギュレーションの解釈の違いだと言い、ホンダはこれを不公平だ 。と言っているわけだが。。

 

 

DUCATIオープンクラスでの参戦を発表した時、レプソルホンダのリヴィオ・スッポは、すぐさまに「オープンクラスで戦うチームのコストを跳ね上げる」として、これを痛烈に批判した。

ホンダはDUCATIオープンクラスで得られるメリットを全て活かした状態で高い戦闘力を持つことを恐れ、ドルナにプレッシャーをかけたであろうことは容易に想像出来る。

 

しかし、DUCATIへの制裁を希望する圧力は、ホンダよりも他のオープンクラスからの参戦チームやサテライト参戦のチームからのほうが大きかった。

彼らは、急激な進歩を遂げた新バージョンのMagneti Marelliのソフトウェア投入とタイミングを同じくしてのDUCATIオープンクラスからの参戦に反対したのである。

 

この2014年版の新しいソフトウェアは、昨年のものよりも、1回目のセパンテストに持ち込まれたものよりも大幅に進化しており、ドルナからのオープンクラス用ソフトウェア開発への協力を快諾した"DUCATIからの入力データ”が含まれている。( ※ホンダとヤマハは開発への協力を拒否。)

 

オープンクラスで参戦する他のチームは、2014年版ソフトウェアが持つポテンシャルをフルに引き出すには、そのスキルと経験、人員の面で不足している。現段階で2014年版ソフトウェアを使おうとするのであれば、早くなるかわりに遅くなってしまうだろう。

一方のDUCATIはこのソフトウェアの開発段階から協力しているため、経験豊富なエンジニアが揃っている。

 

この緻密なソフトウェアとより多くの燃料、ソフトタイヤを与えられたDUCATIは、オープンクラスの他のマシンよりも高い戦闘力を持ち、ホンダやヤマハのファクトリーマシンよりも早くなる可能性もある。これこそ、他のオープンクラスのチームがドルナに対して不公平だと主張している内容だ。

 

その不満に応える形でドルナが新設したファクトリー2だが、そのレギュレーションは驚くほど簡単だ。

 

もし2014年版のソフトウェアを使用するのであれば、表彰台を獲得するまでオープンクラスで得られる全てのメリット(オープンクラスでの制限無しのテスト、エンジン開発の自由)を享受できるわけだ。ドライコンディションでの優勝、2位を2回、3位を3回獲得すると、直ちに年間9機のエンジン、22.5Lの燃料というレギュレーションが適用される。(※しかし、どういった組み合わせでこれがどうこうという取り決めは、未だに明らかではない。→2位が1回と3位1回のときは??など)

 

DUCATI以外のオープンクラスで参戦するチームは2013年型のアップデート版Magneti Marelliのソフトウェアを利用するため、このレギュレーションには影響されない。

 

 

となると、ドライのレースでDUCATIが勝ったとしたら、エンジンと燃料を減らされるという事に加えて、一体どのような罰則を受けるというのだろう?

ファクトリー2のレギュレーション発表と同時に、ファンがレギュレーション上にぽっかりと空いた不備を指摘している。

つまり、「もしDUCATIが9機目、もしくは10機目のエンジンで勝ったとしたらどうなるのか?」という事だ。

 

端的に言うと、そんなことはきっと起こらないだろう。(※DUCATIは9機もエンジンを必要としない)

 

 

2013年、DUCATIはシーズンを通して5機のエンジンで問題なく戦いきった。という事は、開発を進める中でエンジンに大幅な改良を1つか2つ加えたとしても、2014年にそれ以上のエンジンは必要ないという事だ。

私をはじめとするジャーナリストは、DUCATIがシーズンを通して8機以上のエンジンを使うとしたら驚くだろう。だいたい6、7機ではないか?というのが皆の読みだ。

 

 

燃料にしてもそうだ。DUCATIは燃費に関して問題を持っていない。昨年も21Lの燃料で何の問題も無く走行していた。

今年からのレギュレーションで、ファクトリークラスは燃料が20Lに減らされるということに対して、ヤマハとは対照的にDUCATIは何の心配もしていなかった。

 

DUCATIのジジ・ダリーニャは「22.5Lの燃料は、燃料の重さがこたえるトラックだと問題になるかも。(※その分バイクが重くなる)」と語っていた。というのも現段階のセッティングでは、新しいソフトウェアは燃費の面で細かく設定が出来ないようなのだ。

24Lの燃料から1.5L減った22.5Lという燃料のアドバンテージ(※バイクが軽くなる)を得るには、DUCATIはレースに勝つか、表彰台に何度か上がらねばならない。DUCATIはまだまだ色々と問題を抱えており、燃料にしてもエンジンにしても2014年シーズンで乗り越えられない課題が出てくる可能性は高い。

 

 

ではなぜ、ファクトリー2クラスが必要なのか?

ホンダや他のオープンクラスのチームは、DUCATIオープンクラスで走行するということにたいして「戦闘力が高過ぎる」という懸念を頂いているわけだが、その意見をドルナが真摯に受け止めているという事を示すためのものだろう。

まぁ本質的には各バイクのパワーバランスを取るということで、全てのチームがだいたい同じ土俵の上で戦えるのだと保証することでもあるが。

 

新しいソフトウェアとオープンクラスのレギュレーションが、DUCATIにあまりにも多くの便宜を与えてしまうようであれば、その力を少し奪うという考えかたというわけだ。

 

 

実際のところ、この問題はWSBKで起きていることと何も変わりがない。WSBKのレギュレーションは、2気筒、3気筒、4気筒のバイクにそれぞれ勝利の可能性を与えるように定められた。

 

近年のWSBKでは2気筒も4気筒マシンもレースで勝利していることから、結果的にはこのレギュレーションは理論上は上手く機能しているように見える。MotoGPが同じような形で上手くいくかは、まだ未届ける必要があるが、何もこういったレギュレーション改定は目新しいことでは無い。

 

 

では、なぜファンは怒り狂っているのか?

それはこの一連のレギュレーションが、開幕間もないこの時期に、まるで思いついたかのように唐突に出てきたからだ。

しかもこのレギュレーションは議論や準備期間を経ずに、エスペレータによって既成事実として発表された。

 

ファンはオープンクラスのレギュレーションを知り、アレイス・エスパロガロの素晴らしいパフォーマンスを見て、徐々に2014年シーズンと、そのシーズンの新たなレギュレーションに熱狂し始めていたのだ。

 

レギュレーションの変更を発表する方法とタイミングが実に最悪だったため、ファクトリー2のレギュレーションは実際のところ非常に簡単だが、発表と同時に多くの怒りを巻き起こしたわけだ。

エスペレータがこういった”伝達”のやり方を大失敗したのは、何も今回が初めてではない。

 

 

2014版の完成度の高いソフトウェアが、ドルナが構想する2017年からの全車オープンクラス構想の要であるので、このような形で今回の変更が伝えられたのは残念である。

しかし、2014年版のソフトウェアが発表された時にオープンクラスの各チームが見せた落胆は、MotoGPにおいて、どんどんと電子制御システムが高額化しているかということを示している。

 

 

オープンクラスのチームは、この新しいソフトウェアを稼働させるにはマンパワーもしくは経験が不足している。

既存のソフトウェアでの開発をしながら、新しいソフトウェアでの開発をしたり理解を進めるにはスタッフとスタッフの時間が圧倒的に足りない。

そんな事が出来るのはファクトリーチームだけだ。プライベートチームは2013年型のソフトウェアで開発をするしかない。

2014年型のソフトウェアは、プライベートチームには機能的に大げさなものだった。

 

私がDUCATIのボスであるパオロに話を聞いたとき、彼はオープンソフトウェアにしたほうが、より良い走りを実現する上でセッティングなどに関してやることが少なくなるだろうと語った。

簡単にいうと、この新しいソフトウェアをチームが理解しようとすると初期段階ではコストが増加するが、長い目で見るとコストは下がり、エンジニアの数もそれほど必要なくなるわけだ。

 

これはF1で過去に起きたことを思い出させる。F1では統一ECUの導入の効果として50%の節約の効果が上がっている。

 

実際問題として、サテライトチームのライダーがファクトリーライダーに勝つことは事実上不可能な状態になりつつある。

最後にサテライトのライダーが勝ったのは、2006年エストリルのトニ・エリアスだ。

この勝利でさえ、ペドロサのために開発されたタイヤをペドロサが気に入らず、それが回ってきたエリアスがタイヤにマッチして得た勝利と言える。

 

2014年の今、ファクトリーとサテライトの差はタイヤではなく、(※BSワンメイク制のため)ECUとそれを使った戦略にある。

過去との違いは、ファクトリーチームのおこぼれのタイヤが回ってくることが過去にあったとしても、現在ではファクトリーチームが開発したECUと、それに伴う戦略はサテライトチームには回ってこないということだ。

 

このファクトリーチームが開発したECUにしても、それぞれのライダーに合わせて開発されているためサテライトチームが採用したとしても、すぐに結果に結びつくという保証もない。

現状の段階ではサテライトチームが表彰台に上がれるかどうかは、まさに運のようなものとも言える。

 

オープンソフトウェアは、レブリミットやトラクションコントロールなどの制御に関して自由に開発出来るソフトウェアから比べると機能を大きく制限する可能性があるが、少なくとも公平ではある。ただ、現段階では2017年まではこれは実現しない見通しだ。

つまりファクトリーチームは、それまでは自分達のソフトウェアにしがみついて行くことが出来る。

 

ドルナが2017年から全車統一のECUとオープンソフトウェアの導入を目指しているという流れはMotoGPの将来である。

これはなにも一部の批判にあるような、オープンクラスDUCATIのためだけのコスト削減を目指しているものではない。これはMotoGP全体のコストを削減するという流れだ。

スズキはこの流れに早めに追随する可能性が高いし、ホンダとヤマハは今のところ反対の立場のようだが、いずれにしても2017年には自社開発のソフトウェアは諦めなければならない。

ホンダとヤマハはある時点で、DUCATIのようにオープンソフトウェアの開発に協力せざるを得ないだろう。

 

それまでは、ファンにとっては様々なレギュレーションが混在した状態のMotoGPとなるだろう。

ただ、昨年と異なって良い所はCRT機がいなくなり、ほとんど変わらないレギュレーションの中で統一されたMotoGPマシンのみの走行となるということだ。

 

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